令和3年9月定例市議会

令和3年9月定例市議会市長説明要旨

 

 

   本日ここに、9月定例市議会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、御多忙のところ御応招いただき、誠にありがとうございます。

 

 

   議案の説明に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症に関する全国の状況及び本市の対応等について申し述べます。

   現在、新型コロナウイルスの感染者数は全国的に減少傾向にありますが、医療体制のひっ迫に直結する重症者数は依然として高い水準で推移しており、21都道府県で9月12日までとされていた「緊急事態宣言」につきましては、岡山県と宮城県を除く19都道府県において今月30日までの期間延長が決まったところであります。

   一方、山梨県内におきましては、感染者数及び重症者数などが減少傾向にあること、また県により医療体制の拡充が図られたことから、8月20日から適用されておりました「まん延防止等重点措置」につきましては、9月12日をもちまして解除されたところであります。

   本市ではこれまで、まん延防止等重点措置の適用に伴う感染拡大防止対策として、公共施設の利用制限や小中学校児童生徒の分散登校などを実施して参りましたが、市民の皆様に御協力いただきましたおかげで、この度の措置の解除に至ったものと心から感謝申し上げます。

また、議員各位をはじめ、職員の皆様にも早朝からの啓発活動などにご協力をいただき、併せて感謝申し上げます。

   しかしながら、まん延防止等重点措置は解除されたものの、未だ感染収束の目途は立っておりません。

   このため、市民一人ひとりが危機感を共有し基本的な感染防止対策を徹底していくことが大切であり、私自身も強い気持ちを持ってこの感染症対策に取り組んで参ります。

   今後も、広報誌、ウェブサイト、SNS、防災無線の他、あらゆる媒体や機会を利用して、手洗い、マスク着用など基本的な感染防止対策の徹底や、ワクチンの接種などを呼び掛けて参りますので、皆様のご協力をお願いいたします。

   なお、本市におけるワクチンの接種状況につきましては、これまでのところ順調に推移しており、9月1日からは妊婦とそのパートナーを対象に、また、9月3日からは12歳から18歳までの中学生高校生を含む若い世代の方を対象にした接種を開始しております。

   このうち受験や就職等を控える高校3年生につきましては、既に山梨大学での職域接種が行われており、同じく受験等を控える中学3年生に対しましては、かかりつけ医で行う個別接種の他、優先枠を設けた集団接種を9月18日から開始いたします。

   これら若い世代の接種につきましては、安全、安心に関し、特にきめ細やかな対応が必要となりますので、十分な配慮を行いながら慎重に進めて参りたいと考えております。

 

   次に、山梨と静岡を結ぶ中部横断自動車道が、着工から24年の期間を経て、8月29日に全線開通いたしました。

   これにより、中央道と新東名高速道路が中部横断自動車道を介して直結し、静岡方面を始め、中京圏や関西圏へのアクセスが大幅に向上したところであり、本市に所在する双葉スマートインターチェンジは、東京・長野・静岡方面の結節点となりました。

   今後、この非常に恵まれた地勢を生かし「新たな交わい」を生み出す地域経済の拠点となるべく、産業、物流、文化の進展を目指した施策を積極的に展開して参りたいと考えております。

   また、併せて、さらなる可能性を秘めた北部区間の早期開通に向けましても、引き続き近隣他市とも協力しながら、関係機関に対し要望を行って参りたいと考えております。

 

   次に、選挙の投票率向上に関する取り組みにつきまして、先般、SNSアプリ「LINE」を活用し、18歳以上の市民を対象とした、選挙に関するアンケートを実施いたしました。

   現在、衆議院議員総選挙を間近に控え、また来年4月には任期満了に伴う市議会議員選挙が行われる見込みとなっております。

   選挙とは、言うまでもなく市民の声を政治に届けるための民主主義の根幹をなす行為であります。

   しかしながら、本市の投票率はここ数年低い水準で推移しており、大変憂慮される状況であります。

   特に将来を担う若い世代の投票率は他の世代に比べ低く、より効果的な対策が求められているところであります。

   このような状況を打破すべく実施しましたこのアンケート調査では、3,327件もの回答を得られましたが、この中には選挙に関心が薄いとされる10代、20代からの300件を超える貴重な声も含まれており、今後の投票率向上を目指す上で非常に有意義な調査であったと考えております。

   今後、内容の詳細な分析を行い、効果的な対策について、調査、研究をして参りたいと考えております。

   このSNSアプリLINEにつきましては、スマートフォンから気軽に利用できることから、幅広い世代にまんべんなく普及しており、また特に若い世代にとっては日常的に使い慣れたものであることから、新型コロナウイルスのワクチン接種予約においても有効活用され、好評を得ております。

   また、本年度は「コロナ対策・ワクチン接種アンケート」や「デジタル化推進に向けたアンケート」などのアンケートもLINEを活用し実施いたしましたが、いずれも回答数が多く集計も容易であることから、市民の利便性向上や市民の声を積極的に集めるための重要な手段の一つとして、今後も活用を図って参りたいと考えております。

 

   次に、市民の皆様及び市職員の防災意識の高揚を目的として、例年8月末から9月初頭の防災週間に実施している、市の総合防災訓練でありますが、厳しい残暑の中、またマスクを着用した状態で行うことは、熱中症にかかる心配も生じてくることから、本年度につきましては、試験的に11月7日に実施することにいたしました。

   この訓練につきましては、昨年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、規模を縮小して実施いたしましたが、今年度は東海地震発生を想定し、安否確認や情報収集訓練の他、感染症に対応した避難所開設訓練などを実施いたします。

   日ごろから訓練等を行い、防災意識を高めておくことは、大切な命を守るうえで非常に重要でありますので、市民の皆様には積極的な訓練参加を呼び掛けて参りたいと考えております。

   なお、本市では今年度、事前の防災・減災と迅速な復旧・復興に資する施策に関してまとめた「甲斐市国土強靭化地域計画」や「広域避難計画」の策定の他、「洪水ハザードマップ」の改定を予定しており、また令和2年度からは国、県、山梨大学との連携による「信玄堤・令和の治水構想」策定にも着手するなど、市民の皆様の安全、安心を守る施策に取り組んでいるところであります。

 

 

   それでは、本年度の上半期における主な事業に対する取り組み状況についてご説明申し上げます。

 

   まず、甲斐市バイオマス産業都市構想につきましては、平成27年7月に構想を策定し、その実現に向け取り組んで参りましたが、本年7月19日に「DSグリーン発電甲斐合同会社 様」と事業実施の証であります「甲斐市木質バイオマス発電事業に関する協定」の締結に至りました。

   これにより、本構想の核となる「木質バイオマス発電プロジェクト」の一層の事業推進を図って参ります。

   次に、旧緑化センター跡地に予定しております(仮称)篠原地区公園の整備につきましては、現在、公募型プロポーザルにより選考された公益財団法人山梨総合研究所と契約し、市民の皆様からお寄せいただいた多くの活用アイデアを参考にしながら、「整備基本計画策定業務」を進めております。

   今後、事業用地における整備、運営の基本的な考えを示した基本コンセプトや、活用アイデア、ワークショップの内容等を踏まえた土地利用計画、事業手法等についても検討しながら、適性の高い複数の計画案を取りまとめて参ります。

 

   次に、災害時等の相互応援に関する協定につきましては、災害発生時における自治体間の広域連携を図るため、これまで埼玉県ふじみ野市や静岡県御前崎市など、4つの都市と協定を締結して参りました。

   本年度は、被災エリアから離れた自治体からの支援が有効であると考える中、新たに新潟県三条市、千葉県成田市と協定を締結したところであります。

   これにより、災害が発生した際の物資、資機材の提供や避難者の一時受け入れ、また職員の派遣などが相互に可能となり、災害時の応援体制の更なる強化が図られたところであります。

 

   次に、元気甲斐プレミアム付商品券事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ地域における消費を喚起、下支えすることにより、市内経済の活性化を図るため、10,000円で13,000円分の買い物ができる商品券40,000冊の販売を行ったところであります。

 

   次に、マイナンバーカード普及促進事業につきましては、休日夜間を問わず気軽に申請ができるよう、市役所各庁舎やラザウォーク甲斐双葉内に申請サポートブースを設けた他、カード交付に際しギフト券等の配布を行っております。

   また、本年4月にスマート化、デジタル化によるサービス向上を目指して新設されたスマートプロジェクト推進課において、国の「自治体マイナポイントモデル事業」に採択された、中学3年生を対象とした「甲斐っ子卒業プレゼント事業」を実施しております。

   これら様々な事業を行った結果、マイナンバーカードの申請者数は、現在、順調に増加しております。

 

 

それでは、今定例市議会に提出致しました34議案につきまして、概要を御説明申し上げます。

 

   はじめに報告議案についてであります。

 

   報告第8号「和解及び損害賠償額の決定の件」につきましては、甲斐市立敷島中学校において、学級活動中に発生した生徒負傷事故に係る和解及び損害賠償の額について、地方自治法第180条第1項の規定により専決処分したので、同条第2項の規定により、報告するものであります。

   次に、報告第9号「和解及び損害賠償額の決定の件」につきましては、敷島リサイクルステーション施設の管理瑕疵による事故に係る和解及び損害賠償の額について、地方自治法第180条第1項の規定により専決処分したので、同条第2項の規定により報告するものであります。

   報告第10号「令和2年度甲斐市一般会計継続費精算報告書の報告の件」につきましては、保育園建替事業に係る継続費の精算報告であります。

 

報告第11号「令和2年度甲斐市財政健全化判断比率及び資金不足比率の報告の件」につきましては、監査委員の意見を付けて報告するものであります。

 

   次に一般議案であります。

 

承認第6号「専決処分の承認を求める件」につきましては、行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部改正に伴い、甲斐市手数料条例の一部を改正する条例について所要の改正を行うため、専決処分したものであります。

 

   議案第46号「甲斐市個人情報保護条例の一部改正の件」につきましては、デジタル庁設置法等の規定による、行政手続きにおける特定の個人を識別するための 番号の利用等に関する法律の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。

 

   議案第47号「甲斐市手数料条例の一部改正の件」につきましては、個人番号カードを利用した、コンビニエンスストア等の多機能端末機による証明書の交付に係る手数料を減額するため、所要の改正を行うものであります。

 

   議案第48号「甲斐市税条例の一部改正の件」につきましては、地方税法等の一部を改正する法律など関係法令が公布されたこと、また産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律が公布されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。

 

議案第49号「甲斐市保育料条例の一部改正の件」につきましては、保育料延滞金の徴収を開始するにあたり、所要の改正を行うものであります。

 

   議案第50号「令和3年度甲斐市一般会計補正予算(第4号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ569,592,000円の追加補正をお願いするものであります。

   歳入につきましては、分担金及び負担金、国庫支出金、県支出金、繰入金、市債の増額であります。

   歳出につきましては、AI・RPAを活用したソフトウェア等の導入による、ふるさと納税管理システムへの登録及び返礼品の発送事務、軽自動車税の廃車入力事務、議事録作成事務をデジタル化する経費、市内民間保育園2施設の増築及び改修に係る補助金、新型コロナウイルスのワクチン接種にかかる休日時間外接種委託料の増額及び人材派遣職員の増員、冷暖房設備等リース機器の増設に係る経費、バイオマス発電施設から公共施設へ熱供給するための設計委託料等の増額であります。

 

   議案第51号「令和3年度甲斐市国民健康保険特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から、歳入歳出それぞれ1,170,000円の減額補正をお願いするものであります。

 

   議案第52号「令和3年度甲斐市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ1,144,000円の追加補正をお願いするものであります。

 

   議案第53号「令和3年度甲斐市介護保険特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ10,913,000円の追加補正をお願いするものであります。

 

   議案第54号「令和3年度甲斐市介護サービス特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ37,000円の追加補正をお願いするものであります。

 

   議案第55号「令和3年度甲斐市地域し尿処理施設特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から、歳入歳出それぞれ133,000円の減額補正をお願いするものであります。

 

議案第56号「令和3年度甲斐市水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に対し、収入は120,000円の減額、支出は22,124,000円の減額、また資本的収入及び支出の既決予定額の総額に対し、支出43,085,000円の増額、議会の議決を経なければ流用することのできない経費の既決予定額の総額から6,330,000円の減額、他会計からの補助金の既決予定額の総額から120,000万円の減額をお願いするものであります。

 

   議案第57号「令和3年度甲斐市簡易水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に対し、収入、支出とも429,000円の増額、また議会の議決を経なければ流用することのできない経費の既決予定額の総額に対し、429,000円の増額、他会計からの補助金の既決予定額の総額に対し、429,000円の増額をお願いするものであります。

 

   議案第58号「令和3年度甲斐市下水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に対し、収入、支出とも5,148,000円の増額、資本的収入及び支出の既決予定額の総額に対し、収入、支出とも675,000円の増額、議会の議決を経なければ流用することのできない経費の既決予定額の総額に対し、5,823,000円の増額、他会計からの補助金の既決予定額の総額に対し、5,823,000円の増額をお願いするものであります。

 

議案第59号「字の区域の変更の件」につきましては、県営中山間地域総合整備事業双葉北部地区の区画整理の実施に伴い、所要の変更を行うものであります。

 

議案第60号「市道路線認定の件」につきましては、新たに6本の市道路線を認定するため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

 

議案第61号「市道路線変更の件」につきましては、1本の市道路線について、道路法第10条第3項で準用される同法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

 

議案第62号「昭和町の一部地域に甲斐市公共下水道を利用させることに関する協議の件」につきましては、地方自治法第244条の3第3項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

 

   続きまして認定議案についてであります。

   認定第1号から認定第12号までにつきましては、令和2年度における各会計の決算認定の件であります。

 

   一般会計の令和2年度実施の主な事業でありますが、初めに「新型コロナウイルスに負けない甲斐市応援プラン」と銘打ち実施いたしました「安心甲斐・市民支援事業」につきましては、新型コロナウイルス感染症の脅威から市民の皆様の生活を守るため、大規模かつ複合的な対策として継続的に展開して参りました。

   主な内容につきましては、市民一人当たり10,000円の元気甲斐商品券の配布、子育て世帯への支援として、学校給食費、副食費及び保育料の半年間無料化、高齢者や障がいをお持ちの方に対する支援として、タクシー券の配布などであります。

   また、中小企業及び個人事業主に対しましては、国の持続化給付金への上乗せ給付金の支給や、県の特別融資に対する信用保証料の負担など、事業継続を支援するための施策を実施いたしました。

   その他、医療従事者に対しましては、小児救急医療への支援の他、医療機関へのマスク、フェイスシールドの配布を行っております。

 

   次に、甲斐市立保育園につきましては、子ども子育て支援制度が本格施行されて以降、指定管理者制度導入や民設民営化の推進など、子育て環境の充実を目指し施設の整備等を図って参りましたが、本年3月の双葉西保育園の竣工により、公立保育園の整備事業が完了したところであります。

 

   次に、創甲斐教育につきましては、甲斐市GIGAスクール構想を策定し、小中学生に対する一人1台のパソコンの導入を行うとともに、校内LANの設置など、ICT教育を進めるために必要な環境整備を行って参りました。

 

   また、甲斐市国民健康保険特別会計をはじめとする8つの特別会計、甲斐市水道事業会計の他、令和2年度から公営企業会計に移行した甲斐市簡易水道事業会計、甲斐市下水道事業会計につきましても、一般会計同様に住み良い快適なまちづくりを目指し、複雑多様化する地域の諸課題に取り組んで参ったところであります。

 

 

   以上、本年度の主な事業への取組状況及び補正予算等につきましてご説明申し上げましたが、本日提出いたしました議案につきましては、何卒、慎重審議の上、原案のとおり議決くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 

令和3年9月14日

 

甲斐市長 保坂 武

更新日:2021年09月24日

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