平成28年8月定例市議会

 本日ここに、8月定例市議会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、御多忙のところ御応招いただき、誠にありがとうございます。

 昨年6月、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が成立いたしました。これにより7月10日に投開票された第24回参議院議員通常選挙では18歳及び19歳の方が新たな有権者となったところであります。
 投票箱に初めての1票を投じた若者たちはそれぞれの思いを込めたのではないでしょうか。
新たに選挙権を得た18、19歳の投票率は山梨県で47.78%甲斐市では43.50%、という結果であり、今後、選挙管理委員会、教育委員会とも協力しながら主権者教育に取り組み、長期的視野に立った中で投票率向上に努めて参ります。

 8月5日、ブラジル・リオデジャネイロで開幕した南米初の夏季オリンピックは17日間にわたり28競技、306種目の熱い戦いが繰り広げられ、21日に幕を閉じました。
4年後に控えた東京オリンピックを見据え、これまで以上に盛り上がりを見せたのではないでしょうか。
 甲斐市関係選手としては、競泳の江原騎士選手が出場し、大会では男子4×200メートルリレー選手の一人として見事に銅メダルを獲得いたしました。
江原選手は甲府市出身ではありますが、中学、高校時代に甲斐市内のスポーツクラブを拠点として活動しており、数々の全国大会で入賞するなどの活躍をいたしました。
 その頑張りを大きな拍手で称え、今後の更なる活躍に期待するところであります。

 さて、来月で、私が市政運営を任されて8年が経つところであります。市政をお預かりして、これまで議員や市民の皆様のご理解、ご協力により、市政運営に携わって参りました。
この間、常に、市民の皆様に申し上げて参りました「生まれ、育ち、学び、働き、幸せに生きる、生き甲斐のあるまちづくり」のために努力して参ったところであります。
 教育を重視し、「創甲斐教育推進大綱」を基に、さまざまな取り組みを行って参りました。

 この「創甲斐教育」につきましては、甲斐市の子どもたちが「字を上手に描く」「表現力をつける」「25メートル泳げるようになる」という私の願いから始まり、甲斐市の幼稚園及び保育園、小中学校において子どもたちの表現力、思考力、判断力を高めるための様々な事業を実施するとともに、山県大弐の遺徳を偲ぶ書道展事業や体力づくりを推進するための水泳教室などを実施して参りました。

 また、教育施設の耐震補強や小中学校の体育館建設などにも前倒しで取り組むなど教育環境の整備にも努めて参りました。
スポーツ部門でも、新しい双葉体育館の建設や市民参加型イベントであるチャレンジデーへの7年連続での参加、ラジオ体操のまちとしての取り組み、産業面でも、新たな特産品の開発と遊休農地の解消として「赤坂とまと」の生産販売、「さつまいも栽培」による本格芋焼酎「大弐」の商品化などを始めたところであります。

 また、東日本大震災による原子力発電所の事故を起因とする放射性物質の飛散に関する不安を解消すべく、簡易測定器による測定を市内で直ちに開始、一方、新エネルギーへの取り組みとして、個人住宅での太陽光発電と太陽熱利用などの太陽エネルギー利用設備導入に対する奨励金の交付なども進めて参りました。

 また、生ごみ減量化への研究施設として学校の給食残渣を食物の発育促進などに有効とされる液肥へ精製する甲斐市バイオマスセンターを設置いたしました。

 昨年7月に策定いたしました「甲斐市バイオマス産業都市構想」につきましては、構想の事業化プロジェクトに位置付けた、木質バイオマス発電プロジェクトを官民連携で推進し、環境にやさしく災害につよい、バイオマス産業都市の実現を目指して取り組んで参りました。

 防災面では、現在各種団体、民間企業、地方自治体など57件の災害協定等を締結しており、その内容は職員の派遣や医療、物資等の供給、インフラの応急対策、福祉避難所としての障がい者などの受け入れ等、多岐に渡っております。

 福祉部門でも、子ども医療費の中学3年生までの無料化拡大、障がい児医療費助成方法を小学6年生まで窓口無料化にするなど取り組んだところであります。

 そのほか韮崎消防署双葉分署の新設、市営南団地の整備、市内への警察署の誘致、塩崎駅舎を含む周辺整備、市制10周年の各種記念事業の開催、ふるさと応援寄付金の特典の充実による寄付額のアップ、市立保育園の指定管理者導入、民設民営など民間ノウハウの活用などにも取り組んできたところであります。
 これらは、日頃から、議会の皆様や市民の方々にご支援いただいた結果であり、改めて感謝申し上げるところであります。

 それでは本年度上半期における主な事業に対する取り組み状況につきまして御説明申し上げます。
 塩崎駅周辺整備事業につきましては、昨年から引き続き南口駅前広場の整備を進めております。
 またアンダーガード拡幅工事につきましては年度内に歩道が完成する予定となっております。 近隣住民の皆さまをはじめ、利用者の皆さまにはご不便をおかけしているところでありますが引き続きご理解、ご協力をお願いいたします。  

 本市の教育振興基本計画である「創甲斐教育」につきましては、昨年度から「後期甲斐市創甲斐教育推進大綱」がスタートしております。
時代に沿った適正な目標を掲げ、学校だけに留まらず、引き続き地域や関係機関と連携し38事業を実施し、今を生き、将来を生きる力を育む「甲斐っ子づくり」に取り組んでおります。
 今年度は市内小中学校の夏季休業中の学習支援として新たに学校教育支援員を活用した「甲斐っ子応援教室」を実施しております。

 6月30日には、甲斐市と国立大学法人山梨大学との包括的連携協定の調印式を行いました。
 今後、包括的連携協定によって、生活・自然環境、健康・福祉などまちづくりの各分野において人的資源の交流や物的資源の相互活用を図り、相互の発展を目指します。
 これに関連して市では、妊娠から子育て期までの切れ目のない支援を包括的に推進するために、新たに甲斐市版ネウボラ事業推進協議会を設置いたしました。先月委嘱式を行い、第1回の協議会を開催したところであります。

 また、自主防災組織の強化を目的に、大地震や集中豪雨など大規模災害時に応急救護や避難所運営などの中心的役割を担う防災リーダーを育成するための講習を竜王、敷島、双葉の各地区で開催いたしました。
 全講習の受講者には地域防災リーダーの修了書及び認定証が手渡され、私も全ての講習に参加し、修了証及び認定証をいただきました。
 今後も防災リーダーを育成するための講習を継続して参ります。

 そのほか昨年度末で閉園した、しきしま幼稚園につきましては取り壊しが終わりました。
 移転する松島保育園の民設民営のための法人募集につきましては、近日中に募集要項をホームページに掲載する予定であります。

 なお、昨夜オーストラリア、タラマラハイスクールを訪問しました中学生13名、指導者3名は台風の影響で関西空港に足止めされましたが、成田を経由して無事元気に12時半に甲斐市に戻りました。ご心配ありがとうございました。

 それでは、今定例市議会に提出致しました23議案につきまして、概要を御説明申し上げます。
 はじめに、報告議案についてであります。

 報告第5号、第6号「和解及び損害賠償額の決定の件」につきましては水路施設の管理瑕疵による財物損害に係る和解及び損害賠償の額について、地方自治法第180条第1項の規定により、専決処分したので、同条第2項の規定により報告するものであります。

 報告第7号、「平成27年度甲斐市財政健全化判断比率及び資金不足比率の報告の件」につきましては、監査委員の意見を付けて報告するものであります。

 次に、一般議案であります。

 議案第50号、「甲斐市税条例等の一部改正の件」につきましては、地方税法等の一部を改正する等の法律など関係法令が公布されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。

 議案第51号、「甲斐市国民健康保険税条例の一部改正の件」につきましては、所得税法等の一部を改正する法律が公布されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。

 議案第52号、「甲斐市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正の件」につきましては、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。

 議案第53号、「甲斐市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部改正の件」につきましては、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。

 議案第54号、「平成28年度甲斐市一般会計補正予算(第2号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、1億8千25万7千円の追加補正をお願いするものであります。

 歳入につきましては、国庫支出金、ふるさと寄付金、繰入金、などの増額が主なものとなっております。

 歳出につきましては、ふるさと応援寄付金の増収対策として、新たにインターネットサービス会社のポータルサイトを活用するための経費、甲斐市版ネウボラ事業の一環である「産後ケア事業」として市が誘致し、開院する産婦人科医院と連携し、継続的な支援を実施するための経費などであります。

 議案第55号、「平成28年度甲斐市国民健康保険特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、1億6千25万6千円の追加補正をお願いするものであります。

 議案第56号、「平成28年度甲斐市水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の総額に158万8千円の追加補正をお願いするものであります。

 議案第57号、「市道路線認定の件」につきましては、新たに4本の市道路線を認定するため、道路法第8条第2項の規定により議会の議決をお願いするものであります。

 続きまして、認定議案についてであります。

 認定第1号から認定第12号までにつきましては、平成27年度における各会計の決算認定の件であります。
 一般会計の平成27年度実施の主な事業についてでありますが、まず、地方創生関連事業におきましては、総額4億8千万円分のプレミアム付き商品券が完売し、地元消費の拡大、地域経済の活性化を図ったところであります。

 また、昨年6月にスタートした魅力情報発信事業運営業務につきましては、首都圏の朝市・マルシェに出店するなどして特産品をPRするとともに、甲斐市の定住化の促進に取り組んできたところであります。

 「創甲斐教育」についてでありますが、学校教育の充実や生涯学習・文化活動の推進など、地域や関係機関と連携し45事業を実施いたしました。昨年度は新たに市内の小中学生が日ごろの練習の成果を発表し、広く市民に公開することにより、音楽に対する関心と理解を深め、地域の音楽文化の向上を目指すために合唱や吹奏楽などの舞台発表を行う「甲斐市小中学校音楽祭」を行ったところであります。

 学校施設の整備といたしまして、竜王中学校の外壁や防水などの大規模改修、双葉東小学校、敷島中学校などの校舎防水改修工事などにも取り組んだところであります。

 また、子ども医療費の自己負担分に対して昨年まで小学6年生までを対象として助成を行っておりましたが、今年1月から中学生まで対象を拡大いたし、重度障がい児にあっては窓口で一度お支払いいただく自動還付方式となっておりましたが、小学生までの重度障がい児の窓口無料化を同じく今年1月から実施したところであります。

 子育て関連といたしましては竜王南保育園の民設民営化や幼保連携型認定こども園へ移行した事業者へ整備費の助成を行い、保育環境の充実を図ったところであります。

 そのほか、昨年度から本格的に取り組みを開始し策定いたしました「甲斐市バイオマス産業都市構想」につきましては、全国11の自治体と共に、農林水産大臣から「バイオマス産業都市」の認定を受けたところであります。

 また、甲斐市国民健康保険特別会計をはじめ10の各特別会計及び甲斐市水道事業会計につきましても、一般会計同様に住み良い快適なまちづくりを目指し、複雑多様化する地域の諸課題に取り組んで参ったところであります。

 以上、本年度の主な事業への取り組み状況及び補正予算等につきまして御説明申し上げて参りましたが、本日提案申し上げました議案につきましては、何卒、よろしく御審議の上、原案のとおり御承認、御可決くださいますようお願い申し上げます。

平成28年8月23日

甲斐市長 保坂 武

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山梨県甲斐市篠原2610
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更新日:2019年04月01日

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