令和3年3月定例市議会

令和3年3月定例市議会市長施政方針

    本日ここに令和3年甲斐市議会第1回定例会を開会するにあたり、議員各位におかれましては公私ともに御多忙のところ御応招いただき、誠にありがとうございます。

    今定例会に提出いたしました令和3年度一般会計当初予算、特別会計当初予算、公営企業会計当初予算をはじめ、令和2年度補正予算、条例議案等の案件につきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

    はじめに、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスは、既に1億人を超える感染者を出し、更に感染拡大が続いております。日本におきましても国・地方自治体が様々な対策を打ち出し、また、医療従事者の皆様をはじめ、多くの関係各位のご尽力をいただくとともに、本年1月に全国の11都府県に緊急事態宣言が発出されて以降、多くの皆様が感染拡大抑止のため取り組みを続けておりますが、一部で改善の兆しは見られるものの、流行終息までには未だ遠く予断を許さない状況となっております。
    しかしながら、待ち望まれていた新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が、いよいよ医療従事者の皆様から開始され、光明も見えて参りました。今後は高齢者の皆様をはじめとして、すべての方々を対象として接種されることとなりますので、本市といたしましても国・県との連携を密にする中で、可能な限り早く確実に、市民の皆様に接種できる体制を整えて参ります。
    体制が整った際には、より多くの皆様に接種していただきたいと考えておりますので、私も率先して接種し、周知に努めて参ります。
    一方で、新型コロナウイルスの猛威は、人々の生命・健康や社会生活だけでなく、世界経済にも大きな傷跡を残しております。当然ながら、日本経済も大きな打撃を受けておりますが、特に11都府県に緊急事態宣言が発出されて以降、飲食業を中心に影響は深刻さを増しております。本年1月に政府が発表した月例経済報告、また、日本銀行甲府支店が発表した山梨県金融経済概観からも、経済を取り巻く状況が一層厳しさを増していることが伺えます。
    併せて、新型コロナウイルス感染症の影響により、解雇や雇止めとなった方々が増加しているとの報道を目にする中で、私自身、市政を預かる者として、市民の皆様に一層寄り添った市民の皆様を守るための施策、事業者の皆様を支援する施策の必要性を強く感じたところであります。
    他方、第204回通常国会における施政方針演説の冒頭で、菅義偉 内閣総理大臣は「国民の命と健康を守り抜く」と宣言し、新型コロナウイルス対策のための取り組みを、更に推進すると表明されたところでありますが、同時に、重要な取り組みとして、防災・減災及び国土強靭化の推進、グリーン社会の実現、デジタル化の推進、子育て支援の充実などを掲げました。
    これらは我が国の発展に大きく資する取り組みであり、ポストコロナ時代に向け非常に重要なテーマであると認識しておりますが、私のこれまでの取り組み、また、新たに掲げた公約とも合致するものでありますので、力強く進めて参りたいと考えております。

    本市におきましては、本年度4月から、第2次甲斐市総合計画の後期基本計画に基づいた取り組みがスタートしております。
    将来像として掲げる「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現を目指し、長期的視野に立ち、将来を見据えた中で、市民の皆様が笑顔と元気で暮らせるまちづくりを進めて参ります。
    今後につきましても、本計画に基づき施策の展開と検証を着実に行いつつ、更なる市政発展のため尽力して参りますので、ご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

    それでは、令和3年度当初予算の概要を御説明申し上げます。
    令和3年度の予算編成にあたりましては、政策課題の着実な推進と健全財政の堅持を基本に「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現に向け、施策の選択と集中を図ったところであります。
    また、私が4期目の公約として掲げた5本の柱である「コロナに負けない住みやすいまちづくり」「水害に強いまちづくり」「すくすく育つ子育てしやすいまちづくり」「健やかに高齢者が安心できるまちづくり」「スマート甲斐市 新しいKAIスタイル 次世代につなぐまちづくり」の実現を目指し、予算等に反映いたしたところであります。
    併せまして、令和2年12月定例市議会において、部・課の再編に係る条例改正の議決をいただきましたが、令和3年度から新たな組織・体制のもと、より効率的な行政運営を図り、多様化する行政需要に対応すべく事務の執行に努めて参ります。

    予算総額は、一般会計269億2,000万円、特別会計124億5,627万1,000円、水道事業会計、14億1,768万9,000円、簡易水道事業会計1億7,950万8,000円、下水道事業会計31億7,854万7,000円、合わせた総額441億5,201万5,000円となっております。

    まず、一般会計の歳入予算であります。
    税収につきましては、コロナ禍の影響に伴い経済状況が非常に厳しい環境にある中、個人、法人を合わせた市民税は、令和2年度の決算見込み等から算出して減額、固定資産税につきましては、3年に1度の評価替えの年度となり、土地の下落傾向及び在来家屋の経年劣化に鑑み減額、軽自動車税につきましては、過去からの登録状況に鑑み増額を見込んでいるところであります。
    市税全体としまして、対前年比1.9パーセントの減、1億7,536万4,000円の減額としております。
    地方譲与税につきましては、国の地方財政計画を踏まえ、減額を見込んでおります。
    法人事業税交付金につきましては、税制改正により交付率が上がることから、増額を見込んでおります。
    また、各種事業の実施計画等に鑑み、国庫支出金は減額、県支出金は増額を見込んでおります。
    市債につきましては、今後も、まちづくりの財源として、発行額を抑制しつつ有効活用を図って参る所存であります。

    続きまして、歳出予算の主なものにつきましては、第2次甲斐市総合計画の後期基本計画の基本目標に沿って御説明申し上げます。

    まず「まちづくりは人づくり生涯にわたる学びのまち」についての施策であります。
    学校教育の環境整備につきましては、学校施設の現状を見極め、選択と集中により順次整備を行うとともに、甲斐市立学校施設長寿命化計画に基づき、財政負担の縮減や平準化を図りながら、より効率的かつ適切に施設の整備を進めて参ります。
    生涯学習関係では、本市の歴史遺産を次世代へ確実に継承するとともに、まちづくりや観光分野と連携し総合的に活用を進めるため「甲斐市文化財保存活用地域計画」の策定を行い、歴史文化を活かしたまちづくりの一層の促進を図って参ります。
    図書館事業につきましては、図書や資料の収集・提供と併せ、絵本を通じて赤ちゃんの心や言葉を育むブックスタート事業や、市民に読書の習慣化を促すことを目的とした「甲斐・本の寺子屋」事業など、各種事業の一層の展開を図り、魅力ある図書館を目指して参ります。
    スポーツ活動の推進につきましては、生涯スポーツの振興を目的として実施する各種スポーツ教室やイベントなどにより、市民に対しスポーツへの参加機会の充実に努めて参りますとともに、新たな事業として「KAI SPORTS DAY」を実施し、健康で明るいまちづくりのため、一層注力して参ります。また、令和3年度はコロナ禍に伴い延期となっております「東京2020オリンピック・パラリンピック」の開催が見込まれますので、各組織・団体との協働により、大会に向けた市民の機運醸成を図るとともに、市民参加型の事業につきましても展開して参ります。
    なお、本年6月にはオリンピック聖火ランナーが本市内を走行しますので、機運の一層の盛り上がりに期待したいと考えております。
    教育施策の中心となる「創甲斐教育」につきましては、令和2年度を計画始期とする「第2次創甲斐教育推進大綱」を策定しておりますので、本市の更なる教育振興のため着実に計画を推進して参りたいと考えております。
    目標として掲げている「国語力の向上」「自己表現力の向上」「体力の向上」の達成に向け、家庭、地域、学校及び関係機関と緊密に連携し、積極的に各施策を進めて参ります。
    GIGAスクール構想の実現に向けては、令和2年度中に児童・生徒への1人1台端末の導入や、インターネット環境を整備いたします。
    スタートに向けて着実に準備を進めるとともに、令和3年度からは授業のICT化を円滑に推進するため、甲斐市小中学校ICT教育推進委員会において、必要な計画の策定を進めて参ります。

    次に「健やかで心ふれあう安心に暮らせるまち」についての施策であります。
    障がい者福祉につきましては「甲斐市第6期障がい福祉計画・第2期障がい児福祉計画」に基づき、成果目標及びサービス等の見込量達成に向け、障がい福祉事業の推進を図るとともに、社会福祉法に基づき、本市の実情や社会情勢を踏まえ、地域福祉の一層の向上を目指し「第3次甲斐市地域福祉計画」の策定を行います。
    コロナ禍に伴い全国的に自殺者が増加傾向にあることに鑑み、自殺防止対策につきましては、「甲斐市自殺防止対策計画」に則り、国や県、関係機関との連携を強化するとともに、失業等により生活に困窮した方に対する包括的な支援に取り組んで参ります。
    次に、子育て支援についてであります。
    施設整備に関しましては、双葉西保育園の建替え事業が、本年度末までに完了いたします。これにより、甲斐市立保育園の建替え事業等は完了することとなります。今後につきましては、引き続き維持管理を綿密に行うとともに、公約ともしております、子ども家庭総合支援拠点施設の整備に向け、取り組みを進めて参ります。
    また、こども医療費助成事業や、延長保育、病児・病後児保育などの、保育サービスの提供と併せ、ファミリー・サポート・センター事業、子育て広場及び子育て教室などの充実にも努め、ハード、ソフト両面において、子どもを安心して産み育てる環境を整えるとともに、子どもの貧困、児童虐待につきましても、しっかりと対応して参ります。
    第2期甲斐市まち・ひと・しごと創生総合戦略の施策の一つである「甲斐市版ネウボラ推進事業」につきましては、甲斐市子育て世代包括支援センターを中心に、女性が住みやすく安心して子育てができるよう、きめ細やかで切れ目のない子育て支援の一層の充実を図って参ります。
    また、不妊治療に対する助成につきましては、特定不妊治療、一般不妊治療に係る治療費に加え、新たに県外への通院交通費も対象に加えて参ります。
    高齢者福祉につきましては、令和3年度を計画始期とする「第9次高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画」に基づき、団塊の世代が75歳以上となる2025年、1.5人の現役世代が1人の高齢世代を支える2040年を見据えた中で、健康づくり事業及び元気な高齢者を増やす施策の一層の展開を図るとともに、地域の支え合い体制づくりの推進、認知症及びフレイル予防の啓発推進と支援の充実を図り、住まい・医療・介護・介護予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築に、引き続き取り組んで参ります。
    また、介護給付費につきましては、高齢化の進展に伴い、今後も増加傾向で推移することが見込まれますが、令和3年度から5年度までの介護保険料につきましては、被保険者の負担軽減と適切な制度運営の両立を図るため減額改定することとし、今定例会に条例案を提出しております。
    保健事業につきましては、生活習慣病の予防対策及び疾病の早期発見・早期治療のため、総合健診及び人間ドックの充実を図って参ります。
    また、市民の健康意識の向上と健康づくりを応援する事業として取り組んでおります健康ポイント事業につきましては、今後も継続して参りますので、多くの市民の皆様の参加を期待しております。
    予防接種事業につきましては、各種定期予防接種の実施と併せ、風しんに関する追加的対策である、男性に対する抗体検査及び定期予防接種、更に市単独による、女性に対する予防接種費用の補助を令和3年度においても実施いたします。
    なお、新型コロナウイルス・ワクチンの接種に関しましては、国・県の動向を見極めながら、市民の皆様の健康と安心のためスムーズに実施できますよう最大限努力して参ります。
    その他、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計及び介護サービス特別会計への繰出金として、それぞれ所要の経費を計上し、安心して生活できる保険事業・保健福祉サービスを推進して参ります。
    人口減少対策への寄与と活力ある地域づくりの推進などを目指した結婚支援事業につきましては、結婚を希望する方々を応援する施策として「出会いサポートに関する事業」、新婚世帯に対し結婚に伴う新生活を支援する「結婚新生活支援事業」を令和3年度から新たに開始いたします。

    次に、「美しい景観と快適で安全な都市機能を築くまち」についての施策であります。
    甲斐市都市計画マスタープランにつきましては、昨年10月に山梨県都市計画マスタープランが改定されたことを受け、今年度と令和3年度にかけて見直しを行います。長期的な視点に立って本市の姿を見据えながら、豊かな自然環境と利便性の高い都市機能を有する本市にふさわしい計画となるよう、引き続き取り組んで参ります。
    令和2年度から着手しております「信玄堤・令和の治水構想」策定に係る事務につきましては、国・県・国立大学法人山梨大学との連携による調査研究会を設置し、研究を開始しており ます。
    釜無川の治水対策につきましては、市民の皆様の安全・安心な生活を守るため非常に重要な取り組みであると認識しておりますので、今後も一層注力して参りたいと考えております。
    山梨県緑化センター跡地の活用につきましては、既存の緑を活かした地域の交流拠点となる地区公園として整備する方針としております。
    新たな活用策につきましては、市民の皆様から活用アイデアを募集したところ、1,680通のアイデアが寄せられておりますので、今後はこれらのアイデアを参考に市内外の交流促進、地域の活性化にするとともに、多くの皆様に愛され利用される公園となりますよう、検討を進めて参ります。
    また、市内の緑化推進につきましては、潤いのある水と緑に囲まれたまちづくりのため、市民・企業・行政の連携を図りつつ、啓発活動、花壇等の維持管理、生垣設置等の補助を継続いたします。
    双葉スマート・インターチェンジへのアクセス道路及び国・県道の補完道路として整備し、骨格道路網の機能強化を図ることを目的として、平成27年度から進めて参りました、新町本線道路改良事業につきましては、令和3年度中の完了を予定しております。
    次に、上水道・下水道の整備についてであります。まず、上水道事業につきましては、甲斐市第2次水道ビジョンに基づき、基幹管路の耐震化などに計画的に取り組み、引き続き、災害に強い安全で安心な水の供給に努めるとともに、より適切な財政運営、効果的な施設整備を目指し、甲斐市第2次水道ビジョン、甲斐市水道事業経営戦略及びアセット・マネジメント計画の中間見直しを実施いたします。
    簡易水道事業につきましては、令和2年4月から公営企業会計に移行しておりますが、経営の更なる健全化を目指しつつ、対象地域に対しては、引き続き、安全・安心かつ安定した水道水の供給を行って参ります。
    また、下水道事業につきましても、簡易水道事業と同様に、令和2年4月から公営企業会計に移行しております。経営の更なる健全化を目指すとともに、住民ニーズへの適切な対応、サービスの向上を目指して参ります。併せまして、今後の下水道を取り巻く状況を見据え、甲斐市下水道事業経営戦略及びストック・マネジメント基本計画の策定を進めて参ります。
    道路整備につきましては、幹線道路の整備を進めるとともに、市道の改良及び維持管理などを行い、橋梁の長寿命化につきましては、長寿命化修繕計画に基づき、引き続き、維持補修などに計画的に取り組んで参ります。
    また、市道及び水路等の整備につきましては、甲斐市議会決算審査特別委員会から、要望をいただいておりますことから、本年度に引き続き予算を増額しておりますので、一層の安全性・利便性の向上に取り組んで参ります。
    その他、市営住宅管理事業、木造住宅耐震化支援事業、空家等対策補助事業及び雨水対策事業につきましても、引き続き取り組んで参ります。
    次に、消防・防災の充実についてであります。
    常備消防費では、消防及び救急業務等の運営費として、甲府地区広域行政事務組合及び峡北広域行政事務組合への負担金を計上しております。
    災害対策整備事業におきましては、甲斐市地域防災計画に基づき、非常用食料の備蓄や防災備品の整備を計画的に行うなど、安全安心のための施策に引き続き取り組んで参ります。
    また、災害対応力の一層の向上を目指し、令和3年度から防災危機管理課の体制強化を図ることとしておりますが、国土強靱化基本法に基づく国土強靱化地域計画の策定と併せ、甲斐市洪水ハザードマップの改定、広域避難計画の策定を行い、市民の皆様の生活を守るための備えを充実して参ります。
    消防団関係につきましては、消防団車両の更新計画に基づき、消防ポンプ積載車等の購入を行うなど、適切な車両管理に努めるとともに、引き続き、消防装備の充実・強化、消防の拠点となる施設の整備を図って参ります。
    次に、防犯・交通安全の推進についてであります。防犯対策につきましては、犯罪を抑止するため、引き続き、防犯灯の設置や青色防犯パトロールカーによる巡視の実施などに努めて参ります。
    交通安全対策につきましては、カーブミラーなど交通安全施設の整備を図って参ります。
    また、市内の交通安全各種団体を支援するとともに、警察など関係機関と連携し、交通事故の無い安全な環境づくりを推進して参ります。
    なお、令和3年度からは、甲斐市・韮崎市を管轄とする警察署が、本市内に設置され業務を開始することとなりますので、防犯・交通安全に限らず、多方面におきまして市民生活の向上が期待されるところであります。

    次に、「自然と生活が調和した環境を築くまち」についての施策であります。
    環境への取り組みにつきましては、「甲斐市環境基本計画」に基づき、各種施策を計画的に推進するとともに、2050年カーボン・ニュートラルなど、グリーン社会実現に向けた新たな展開を勘案する中で、令和4年度を計画始期とする「第2次甲斐市環境基本計画」を策定いたします。
    また、地球温暖化防止や資源の循環利用への意識向上のため、環境副読本の作成、環境講座や親子環境ツアーの実施などにより、環境教育や啓発活動を推進するとともに、ごみ減量化に向け、リサイクル及び生ごみ削減意識の啓発と推進強化を図って参ります。
    ごみ処理につきましては、本市を含む5市6町で構成する山梨西部広域環境組合が、昨年4月から本格的にスタートしております。
    新たなごみ処理施設の整備につきましては、令和13年度からの稼働開始を目指し、現在、ごみ処理施設整備基本構想の策定を進めているところでありますが、今後も円滑に事務が進められますよう、組合、構成市町と一層の連携を図って参ります。
    甲斐市バイオマス産業都市構想に位置付けております、木質バイオマス発電事業につきましては、今定例会に発電所用地の取得に係る議案を上程しております。
    令和3年度には造成工事に着手し、令和6年2月末の発電所稼働開始を目指して事業を進めて参ります。また、構想の一つである発電所の排熱を活用した、公共施設等への熱供給事業につきましても、発電事業者との調整を図り、引き続き、事業の推進を図って参ります。

    次に「交流と協働による未来を拓く活力のあふれるまち」についての施策であります。
広聴・広報の充実につきましては、SNSを活用した取り組みとしまして、新たにLINEを活用したモニター調査を開始いたします。
    特に、市政への関心が低いとされる若年層の意見を反映するために、有効な手段であると考えておりますので、導入の成果を注視しながら、将来的には活用の範囲を広げ、施策の推進に役立てて参りたいと考えております。
    本市の業務における情報化の推進につきましては、スマート化及びデジタル化の推進に向けた取り組みの一環としまして、令和3年度中、通常の事務及びペーパーレス会議等での使用を想定したタブレット端末を試験的に導入いたします。
    これまでの紙媒体による事務処理との整合や、利用可能な事務の範囲の確認などを行い、今後の本格導入に向け検討を更に進めて参りたいと考えております。
    また、令和3年4月から新たに、スマートプロジェクト推進課を設置いたします。業務のスマート化は、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の到来に向け必要不可欠であり、また、市民サービスの一層の向上を目指す上で非常に重要な取り組みでありますので、国との連携も図りながら着実に進めて参ります。併せて、市民の皆様の利便性向上と事務の効率化推進の観点から、マイナンバーカードの普及にも注力して参ります。
    農業振興につきましては、農業従事者の高齢化や後継者不足等に伴う耕作放棄地の解消と、収益性を重視した魅力ある農業の確立を目指し、甲斐市農業活性化事業におきまして、「赤坂とまと」、本格芋焼酎「大弐」の原料となる「黄金千貫」の栽培に、引き続き取り組んで参ります。
    また、JA梨北ネギ部会が双葉地区で栽培している「甲斐のぎゅぎゅっとねぎ」につきましては、本市といたしましても、広報誌で特集として取り上げるなど広く周知しているところでありますが、新たな特産品として認知度が向上するよう、引き続き情報発信に努めて参ります。
    その他、県が進めております中山間地域整備事業、及び楯無堰の長寿命化を図るための県営かんがい排水事業をはじめ、農地を保全するため、農道や用配水路など生産基盤の適切な維持管理につきましては、県と連携を一層密にし、取り組んで参ります。
    商工業の振興につきましては、甲斐市商工会をはじめとする関係機関との連携強化を図り、地域経済の担い手である中小企業・小規模企業への支援を通じて、地域の活性化や商工業の発展を目指すとともに、コロナ禍により影響を受けた事業者の支援につきましては、本年度と同様、国、県の動向を踏まえ、適切に対応して参ります。
    観光振興につきましては、市内の観光資源を巡り旬の魅力が楽しめる観光巡回バスの運行や、甲斐市ちいさな旅などを実施するとともに、桜の開花時期に家族で楽しめるイベントとして甲斐市サクラまつりを開催いたします。
    その他、おみゆきさん、大弐学問祭につきましても、本市の歴史、文化、伝統を伝える重要なものでありますので、引き続き支援を行って参ります。
    また、令和3年が武田信玄公生誕500年に当たることから記念事業に参画し、市内への観光客の誘客を図って参ります。
    国際交流の推進につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により影響を受けておりますが、キオカック市及びタラマラハイスクールとの交流事業の再開に向け準備を進めるとともに、甲斐国際交流協会の活動を引き続き支援して参ります。
    男女共同参画事業の推進につきましては、令和3年度を計画始期とする「第4次甲斐ヒューマンプラン」に基づき、男女が互いに個性や能力を認め合い発揮し合いながら様々な分野で活躍できる、男女共同参画社会の実現を目指し、各種施策を展開して参ります。
    地域の自治振興につきましては、地域集会施設整備に係る補助金などを計上し、自治会活動等の支援を進めて参ります。
    次に、行政改革につきましては、令和3年度を計画始期とする「第4次行政改革大綱」に示された、新たな行政課題に対応する行政改革の取組み方針に従いながら、社会情勢の変化に的確に対応するため、引き続き推進して参ります。
    また、職員の人材育成につきましては、「第2次甲斐市人材育成基本方針」の見直しを検討する中で、人事評価制度の運用を通して、職員が自律的に地方分権、地方創生を担う人材へと成長することを促し、更なる住民サービスの向上に繋げて参りたいと考えております。
    これらの取り組みを継続いたしまして、常に市民の声に耳を傾け、より質の高い行政サービスの提供に努めて参りたいと考えております。
    以上、主な事業の概要を申し上げたところであります。

    続きまして、特別会計、企業会計の当初予算につきまして、御説明申し上げます。
    国民健康保険特別会計予算につきましては、保険給付費、国民健康保険事業費納付金など、67億1,143万4,000円を計上しております。
    後期高齢者医療特別会計予算につきましては、後期高齢者医療広域連合納付金など、8億375万8,000円を計上しております。
    介護保険特別会計予算につきましては、保険給付費など、48億8,276万7,000円を計上しております。
    介護サービス特別会計予算につきましては、居宅介護支援事業費など、1,417万1,000円を計上しております。
    住宅新築資金等貸付事業特別会計予算につきましては、公債費などとして、93万円を計上しております。
    地域し尿処理施設特別会計予算につきましては1,061万8,000円、農業集落排水事業特別会計予算につきましては1,134万2,000円をそれぞれ計上しております。
    合併浄化槽事業特別会計予算につきましては、合併浄化槽設置工事費など、2,125万1,000円を計上しております。
    水道事業会計予算につきましては、収益的支出7億9,643万8,000円、資本的支出6億2,125万1,000円を計上しております。
    簡易水道事業会計予算につきましては、収益的支出1億311万9,000円、資本的支出7,638万9,000円を計上しております。
    下水道事業会計予算につきましては、収益的支出16億6,332万1,000円、資本的支出15億1,522万6,000円を計上しております。

    続きまして、令和2年度補正予算につきまして御説明申し上げます。
    一般会計補正予算(第9号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ1億1,608万1,000円の追加補正をお願いするものであります。
    歳入につきましては、地方交付税、国庫支出金、市債の増額と市税、分担金及び負担金、使用料及び手数料、県支出金、財産収入、繰入金、諸収入の減額であります。
    次に歳出でありますが、主なものとしましては、諸支出金の増額、総務費、民生費、衛生費、商工費、教育費などの減額であります。
    繰越明許費といたしましては、ふるさと応援寄附金事業など、10事業の追加、橋梁長寿命推進事業の変更を行うものであります。
    地方債につきましては、防災・減災・国土強靭化緊急対策事業など、2事業の追加、辺地対策事業など3事業の変更を行うものであります。
    また、一般会計補正予算(第10号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、10億5,702万9,000円の追加補正をお願いするものであります。
    歳入につきましては、国庫支出金、繰入金、諸収入の増額などであります。
    歳出につきましては、主なものとしまして、総務費、民生費、商工費、教育費の増額であります。
    繰越明許費といたしましては、マイナンバーカード普及促進事業など、35事業の追加を行うものであります。
    地方債につきましては、学校施設整備事業、防災・減災・国土強靭化緊急対策事業の変更を行うものであります。

    続きまして、特別会計の補正予算につきまして、御説明申し上げます。
    国民健康保険特別会計補正予算(第5号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から、歳入歳出それぞれ1,680万9,000円の減額補正をお願いするものであります。
    介護保険特別会計補正予算(第5号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ2億1,231万円の追加補正をお願いするものであります。
    介護サービス特別会計補正予算(第2号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ91万1,000円の追加補正をお願いするものであります。
    住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算(第1号)につきましては、予算の総額は変更せず、財源更正をお願いするものであります。
    地域し尿処理施設特別会計補正予算(第3号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から、歳入歳出それぞれ52万9,000円の減額補正をお願いするものであります。
    農業集落排水事業特別会計補正予算(第1号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から、歳入歳出それぞれ42万9,000円の減額補正をお願いするものであります。
    合併浄化槽事業特別会計補正予算(第1号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ8,000円の追加補正をお願いするものであります。
    水道事業会計補正予算(第4号)につきましては、収益的支出の既決予定額の総額に、1,000万円の追加補正をお願いするものであります。
    簡易水道事業会計補正予算(第3号)につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入203万1,000円、支出134万2,000円の減額補正、資本的収入及び支出の既決予定額の総額から収入20万円、支出42万9,000円の減額補正をお願いするものであります。
    下水道事業会計補正予算(第4号)につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に、収入2,526万2,000円の増額補正、支出265万5,000円の減額補正、資本的収入及び支出の既決予定額の総額に収入320万9,000円、支出3,111万円の増額補正をお願いするものであります。

    続きまして「和解及び損害賠償額の決定の件」につきましては、消防用設備の管理瑕疵による事故、及び甲斐市立双葉西小学校の体育授業中に発生した事故に係る和解及び損害賠償の額について、地方自治法第180条第1項の規定により専決処分したので、同条第2項の規定により報告するものであります。

    続きまして「専決処分の承認を求める件」につきましては、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について、円滑に実施するための体制を速やかに整える必要があることから、新型コロナ・ワクチン接種事業について、所要の予算を2月4日専決処分したので、その承認を求めるものであります。

   続きまして、条例議案等につきまして御説明申し上げます。
   「不動産購入の件」につきましては、甲斐市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例第3条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
   「甲斐市温泉施設事業運営検討委員会設置条例の制定の件」につきましては、市民温泉施設の管理運営に関し必要な事項を検証し、今後の方向性を検討するための組織を設置するため、必要な事項を定めるものであります。
   「甲斐市文化財保存活用地域計画協議会設置条例の制定の件」につきましては、文化財保護法第783条の9第1項の規定に基づき、甲斐市文化財保存活用地域計画協議会を設置することに伴い、必要な事項を定めるものであります。
   「甲斐市消防委員会条例の一部改正の件」につきましては、一般財団法人山梨県消防協会役員の任期を、公益財団法人日本消防協会役員の任期と同一とするため、本市の消防委員会委員の任期について、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市立保育所条例の一部改正の件」につきましては、甲斐市立双葉西保育園の園舎の新築に伴い、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市介護保険条例の一部改正の件」につきましては、介護保険法施行令の一部が改正され、令和3年4月1日から施行されることに伴い、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正の件」、「甲斐市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための、効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部改正の件」、「甲斐市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部改正の件」及び「甲斐市指定介護予防支援等の事業の人員及び、運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部改正の件」につきましては、いずれも指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令が令和3年1月25日に公布され、令和3年4月1日から施行されることに伴い、所要の改正を行うものであります。
   「市道路線認定の件」につきましては、新たに8本の市道路線を認定するため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

    以上、令和3年度の主要施策及び予算等に係る基本的な考え方、並びに令和2年度補正予算及び条例議案等につきまして御説明申し上げましたが、何卒、よろしく御審議の上、議決くださいますようお願い申し上げます。

 


                                                                                                                         令和3年3月2日

                                                                                                                         甲斐市長 保坂 武

更新日:2021年03月16日

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