令和2年12月定例市議会

令和2年12月定例市議会市長説明要旨

 

   本日ここに12月定例市議会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、ご多忙のところご応招いただき、誠にありがとうございます。

はじめに、世界が注目していたアメリカ合衆国大統領選挙は、歴史的な大接戦の末、前副大統領であるバイデン氏が勝利を収めました。トランプ現大統領による、一部の州における選挙結果に対する訴訟等、不安定な要素はあるものの、バイデン氏による新政権発足に向けた準備が進む中、世界の行方を左右するとも言われる超大国の指導者の交代が、今後どのような形で影響を及ぼしていくのか、各国の関心は日増しに高まっております。アメリカ合衆国は、日本と非常に関係が深い国でありますので、新たな大統領のもと両国が引き続き良好な関係を維持することを期待するとともに、日本のみならず世界の平和と繁栄が、今以上に築かれていくことを、心から願うところであります。

   一方、日本国内におきましては、10月26日、第203回臨時国会の衆議院本会議において、菅義偉 第99代内閣総理大臣が、就任後初となる所信表明演説を行ったところであります。

   その冒頭において、新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う戦後最大の経済の落ち込みを国難と表現し、国民の命と健康を守り抜き、併せて経済を回復させるため、必要な対策を躊躇なく講じると述べられました。また、同時にコロナ禍の中で浮き彫りとなった様々な課題に対しては、デジタル化をはじめ大胆な規制改革を実現し、ウィズコロナ、ポストコロナの新しい社会づくりを目指すとも、表明されたところであります。

   既に周知のことではありますが、新型コロナウイルスは、日本のみならず世界的な脅威であり、多くの人々の命・健康を脅かし、経済活動をはじめあらゆる分野に非常に大きな打撃を与えております。欧米を中心に感染者が再度増加傾向に転じている国々も多く、流行収束の兆しは未だ見えておりません。日本国内におきましては、国や各地方自治体の施策、また、医療機関、医療従事者の方々をはじめ多くの皆様の努力により、爆発的な流行拡大はこれまで何とか回避して参りましたが、11月中旬以降全国的に感染者が急増し、経済対策、観光支援策の目玉であった「GoToトラベル」の見直しを迫られるなど、危機的な状況となっております。山梨県内におきましても、11月には1ヶ月の感染者が初めて100人を超え、まさに感染拡大の第3波到来を実感する中、インフルエンザの同時流行も懸念されており、決して気を緩めてはならない状況が続いております。

   このような状況の中、本市におきましても、国の交付金や本市の財政調整基金を有効に活用しつつ、山梨県とも連携を図る中で、市民の皆様、事業者の皆様を守るため、できうる限りの対策を講じて参りました。11月からは新たな支援策として、市民に対するマスクの配布を開始したところでありますが、今後も国、県の動向を常に注視し、感染拡大防止及び市民の皆様、事業者の皆様への支援に全力を尽くして参ります。

   新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、闘病されている方、困難に直面されている方々にお見舞いを申し上げます。併せまして医療従事者の皆様を始め、最前線で奮闘されている方々には、この場をお借りしまして感謝を申し上げますとともに、今後も一層のご尽力をお願い申し上げます。

   さて、過日、令和2年10月臨時市議会において、4期目就任にあたり私の市政運営に対する考え方等を述べさせていただいたところでありますが、今定例市議会開会にあたり、改めまして私の想い、考えを申し述べたいと存じます。

   これまでの3期12年にわたる市政運営を振り返りますと、藤巻義麿 初代甲斐市長から、「緑と活力あふれる生活快適都市」を将来像とする「第1次甲斐市総合計画」を引き継ぎ、その推進に尽力するとともに、私自身の思いを込めた新たな第2次甲斐市総合計画の策定及び推進に注力し、本市発展のため大いに創意工夫を重ね、様々な施策を展開して参りました。また、それらの成果の検証をしっかりと行うとともに、社会情勢の変化等を的確に捉える中で、昨年度には第2次甲斐市総合計画(後期基本計画)の策定を行い、本年4月以降、着実にその推進を図って参ったところであります。

   私が市長就任当初から、特に力点を置いて取り組んで参りました創甲斐教育につきましても、様々な形で成果が表れ、基本理念である「甲斐市で育ち甲斐市を育てる人づくり」を目指し、着実に前進しているものと考えております。教育の充実、子どもたちの健全育成は、私にとって政治家を志した頃からの非常に大きなテーマであり、甲斐市の発展に欠かすことができないものでありますので、今後も尚一層注力して参ります。

   併せて、人口減少問題への対応や少子化対策の一環として、妊娠・出産から育児まで切れ目のない子育て支援を目的に実施して参りました、甲斐市版ネウボラ推進事業につきましては、本市の合計特殊出生率が、国、県と比較しても高い数値となっており、不妊治療費助成事業における出生率においても一定の成果が出ていることから、効果が発揮されているものと考えております。

   その他の各事業につきましても、議員各位をはじめ、市民の皆様、関係各位のご理解ご協力のもと、前に進めることができたものと考えております。

   一方、今後の市政運営におきましては、4期目の新たな公約として掲げた5本の柱である、「コロナに負けない住みやすいまちづくり」「水害に強いまちづくり」「すくすく育つ子育てしやすいまちづくり」「健やかに高齢者が安心できるまちづくり」「スマート甲斐市 新しいKAIスタイル 次世代につなぐまちづくり」を目標に加え、事業を展開して参りたいと考えております。

   まず「コロナに負けない住みやすいまちづくり」につきましては、冒頭、菅総理大臣の所信表明に関連して申し述べましたが、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症の拡大防止及び、皆様の安心安全な生活を守るための支援策を、迅速かつ確実に実行するとともに、地域経済を守るため、本市の経済を主体となって支えている中小企業等の支援に取り組んで参ります。

   次に「水害に強いまちづくり」につきましては、災害対策を更に強化するため、組織の再編を実施し、現在の総務部防災危機管理課の体制強化を図り、市民の皆様が安心して暮らせるまちづくりを推進して参ります。また、以前から注力しております釜無川の治水対策につきましては、今年度、既に取り組みを始めておりますが、国・県・国立大学法人山梨大学との連携により、釜無川の治水対策を目的とする「信玄堤・令和の治水構想」を策定し、更に前進させて参ります。郷土の英雄である武田信玄公が、氾濫防止のため築造したと言われる信玄堤を基幹とし、治水機能の維持はもちろん、貴重な歴史的資源であるとの観点から、観光資源としての活用も検討して参りたいと考えております。

   次に「すくすく育つ子育てしやすいまちづくり」につきましては、学校教育の分野においては、次世代型教育を目指した「一人1台パソコンの実現」と、教員の皆様の支援と労働環境の充実を目指した「教員増員に向けた予算の拡充と人材確保」、また、子育て支援の分野においては、多くの親子が元気で集える拠点の整備に取り組んで参ります。教育の分野では、創甲斐教育の推進や教育施設の整備、子育て支援の分野では、甲斐市版ネウボラ推進事業や保育園・児童館の整備を既に進めておりますが、甲斐市の将来を担う子どもたちの育成に、今後も引き続き力を尽くして参ります。

   次に「健やかに高齢者が安心できるまちづくり」につきましては、長寿化の進展、超高齢化社会の到来に対応するため、高齢者の皆様がいつまでも元気に健やかに暮らすことができるよう、安心して集える環境の整備を行います。また、多くの皆様が元気に安心して暮らしていくためには、しっかりとした医療体制が欠かせないことから、救急医療体制をはじめとして、甲府・中北地域における医療体制の整備を進めて参ります。

   最後に5つ目となりますが、「スマート甲斐市 新しいKAIスタイル 次世代につなぐまちづくり」につきましては、菅総理大臣の所信表明にもありましたとおり、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の到来に向け、必要不可欠な取り組みであり、また、市民サービスの一層の向上を目指す上で、非常に重要な取り組みでありますので、国との連携も図りながら、着実に進めて参ります。本市におきましても、若手職員によるプロジェクトチームが10月に結成され、2ヶ月弱の集中的な研究により、過日、アイデアの大変豊かな政策提言をいただきました。

   私の4期目の公約についてご説明いたしましたが、これらは本市の発展に大きく資する非常に重要なものであると認識しておりますので、実現に向け力強く進めて参ります。

   私はこれまで「誠実な人となれ」を政治信条として、常に現場に足を運び、市民の声に耳を傾け、市政に取り組んで参りました。今後も引き続き、私に課せられた責務の重大さを感じつつ、公正で民主的な市政運営を心がけ、全身全霊を傾注して参る所存でありますので、議員各位におかれましては、今後とも絶大なるご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

   令和2年度における主要事業をはじめとする諸施策につきましては、仕上げの時期を迎える中、議員各位及び市民の皆様のご理解ご協力をいただきながら、着実に進めているところであります。また、現在、新年度予算の編成作業を行っているところでありますが、厳しい財政状況が続く中、財政の健全化を維持しつつ、行政サービスの維持向上を確保するよう、鋭意努力しているところであります。

それでは、今定例市議会に提出いたしました16議案につきまして、概要をご説明申し上げます。

   議案第84号「甲斐市行政機構の改革に伴う関係条例の整理に関する条例の制定の件」につきましては、本市における行政機構の改革に伴い、関係条例について所要の改正を行うものであります。

   議案第85号「地方税法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定の件」につきましては、地方税法等の一部を改正する法律の公布に伴い、関係条例について所要の改正を行うものであります。

   議案第86号「甲斐市国民健康保険税条例の一部改正の件」につきましては、地方税法等の一部を改正する法律及び関係法令が公布されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。

   議案第87号「甲斐市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正の件」につきましては、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。

   議案第88号「甲斐市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正の件」につきましては、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに、特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準の一部を改正する内閣府令が施行されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。

   議案第89号「甲斐市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部改正の件」につきましては、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準及び、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令の一部を改正する省令が公布されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。

議案第90号「令和2年度甲斐市一般会計補正予算(第7号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ6億5,324万円の追加補正をお願いするものであります。

   歳入につきましては、繰入金、繰越金、諸収入などの増額等が主なものであります。

   歳出につきましては、竜王庁舎維持管理事業、商工振興事業、過年度農林水産施設災害復旧費及び財政調整基金積立の増額、特別定額給付金事業及びバイオマス産業都市推進事業の減額などであります。

   議案第91号「令和2年度甲斐市国民健康保険特別会計補正予算(第4号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ8,962万円の追加補正をお願いするものであります。

   議案第92号「令和2年度甲斐市後期高齢者医療特別会計補正予算(第4号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ257万4千円の追加補正をお願いするものであります。

   議案第93号「令和2年度甲斐市介護保険特別会計補正予算(第4号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ6,753万4千円の追加補正をお願いするものであります。

   議案第94号「令和2年度甲斐市水道事業会計補正予算(第3号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に、支出101万2千円の追加補正をお願いするものであります。

   議案第95号「令和2年度甲斐市下水道事業会計補正予算(第3号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に、支出2,791万8千円の追加補正、資本的収入及び支出の既決予定額の総額に、収入570万円、支出600万円の追加補正をお願いするものであります。

   議案第96号及び、議案第97号の「指定管理者の指定の件」につきましては、地方自治法第244条の2第6項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

議案第98号「市道路線認定の件」につきましては、新たに6本の市道路線を認定するため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

議案第99号「市道路線変更の件」につきましては、1本の市道路線について、道路法第10条第3項で準用される同法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

   以上、提出議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議のうえ、原案のとおり議決くださいますようお願い申し上げます。

 

 

                          令和2年12月9日

                          甲斐市長 保坂 武

更新日:2020年12月28日

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