令和2年8月定例市議会

令和2年8月定例市議会市長説明要旨

 

    本日ここに8月定例市議会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、御多忙のところ御応招いただき、誠にありがとうございます。

    議案の説明に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症の拡大等に関する状況及び本市の対応等について申し述べます。

    本年1月に、初めて新型コロナウイルス感染者の発生に関する報道を目にしてから、既に7ヶ月が経過いたしました。その間、瞬く間に感染は全世界に拡がり、本日までに世界で2千300万人を超える感染者が発生し、また、約80万人もの方々が、この感染症を原因として命を落とされております。世界の各国・地域が総力を挙げて対策に取り組み、また、医療関係者をはじめ、多くの方々が力を尽くしておられますが、現在のところ、ワクチン等の開発も途上にあり、感染拡大防止のための抜本的な方策もないことから、新型コロナウイルスは世界にとって非常に大きな脅威となっております。

    日本国内におきましても、国や各地方自治体が次々と施策を展開し、また、多くの皆様の努力によりまして、一時は流行の収束に向けて明るい兆しも見えておりましたが、新型コロナウイルスの猛威は衰えず、都市部を中心に感染者は再び増加に転じております。

    そのような状況の下、山梨県内においても、感染者発生の報告は日々増加し、流行拡大が懸念される中で、8月7日、長崎山梨県知事が流行の第2波が発生したとの認識を示し、県民に対し、感染防止等に対する取組の一層の徹底を呼び掛けたところであります。入院病床及び宿泊療養施設の確保が予定通り進捗しているとのことであり、また、グリーンゾーン認証制度をはじめ、県においても様々な施策が展開されておりますことから、一定程度、不安は軽減いたしておりますが、先行きが見通せない状況でありますので、甲斐市といたしましても、更なる取り組みの必要性を痛感するところであります。

    今年度上半期における、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえた、本市の対応といたしましては、「安心甲斐・市民支援」と銘打ち、市単独による様々な取り組みを進めて参ったところであります。

    まず、すべての市民の皆様に対する支援策といたしまして、市民一人当たり1万円分の「元気甲斐商品券」の配布を開始しております。郵便局及び配送業者の都合や、受け取っていただく方が不在であって、お渡しに時間がかかる場合なども想定されますが、概ね8月末を目標に対象世帯への配布を完了したいと考えております。この「元気甲斐商品券」は、9月1日以降、事前に登録された店舗で使用できますので、市民の皆様には、是非、有効活用していただきたいと考えております。同時に、地域経済への支援も目的としておりますので、これを契機といたしまして、地域経済の活性化が図られますことを大いに期待しております。

    また、子どもたちや子育て世帯への支援といたしまして、小中学校における給食費、保育園等における副食費の無料化と併せ、保育園等の保育料の無償化を実施しております。当初4月から7月までの4ヶ月分の予定で開始いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を踏まえ、9月分まで対象期間を延長したところであります。併せまして、休校等に伴い増加する自宅での食費や学習費等の支援を目的とした「児童扶養手当の特別加算」、放課後児童クラブ利用世帯の支援を目的とした「放課後児童クラブ利用料の無料化」を実施いたしました。また、妊産婦や、産後間もない母親に対する支援といたしまして、マスクの配布を行ったところであります。

    また、重症化のリスクが高いとされる高齢者等に対する取り組みといたしましては、介護関連サービス126事業所及び、障がい福祉サービス45事業所に対してマスクを、65歳以上の高齢者のみで構成された8千417世帯に対しては、マスク及び熱中症対策のための粉末清涼飲料のセットを配布いたしました。

    次に、市内における経済対策といたしましては、市内中小企業者の事業継続支援を目的とした「山梨県の特別融資に対する保証料補助制度の創設」、また、市内小規模事業者の事業継続支援を目的とした「小規模事業者向け小口資金緊急融資」を実施するとともに、休業要請や顧客の減少によって業績の低迷が著しい市内飲食店の支援のため、「テイクアウトを行う飲食店のPR活動」も積極的に行っております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による日本経済の低迷により、本市特産品の販売も伸び悩んでいる状況に鑑み、生産者の支援と、県境をまたぐ人的な移動の自粛により生活に不便を来している県外在住の学生の支援を目的とした、本市特産品の詰め合わせギフトの贈呈を行っております。併せまして、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、雇用情勢が悪化していることに鑑み、本市の会計年度任用職員の雇用枠を拡大したところであります。また、新型コロナウイルス感染症に対し、最前線で身を挺してご尽力されている医療従事者の皆様を支援するため、甲斐市版ネウボラ推進事業などで協働しております国立大学法人山梨大学附属病院に対しては、フェイスシールド、グローブ及びマスク、その他、市内医療機関等には、フェイスシールド、グローブ、マスク、消毒液を配布いたしました。

    なお、国の第2次補正を活用した、新型コロナウイルス感染症拡大防止等に係る各種事業につきましては、現在のところ、検討・準備を進めております。準備が整い次第、市議会にもご説明いたしますので、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。

    以上、上半期に取り組んだ、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う各事業についてご説明いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の流行終息に向けて抜本的な策はなく、拡大防止対策は長期にわたるものと認識しておりますので、今後につきましても、市民の皆様のニーズに可能な限り応え、効果とスピード感を重視した中で、しっかりと取り組みを進めて参りたいと考えております。

    なお、本市が様々な形で支援事業を展開するにあたり、多くの皆様から寄附としていただいた、フェイスシールド、マスク、消毒液などを活用させていただいたところであり、この場をお借りしまして、ご寄附を賜りました皆様にお礼申し上げます。

    さて、私が甲斐市長に就任してから12年が経過しようとしておりますが、これまで議員各位をはじめ、市民の皆様、関係機関等のご理解、ご協力を賜る中で、より良い甲斐市を目指し、粉骨砕身の思いで市政運営に取り組んで参りました。思い返しますと、平成20年10月の就任以来、それまで培った政治経験を最大限活かし、国庫補助制度を活用するなどして市費の抑制を図りながら、第1次甲斐市総合計画の主要事業でありました竜王駅周辺整備事業を始め、旧町時代から懸案となっておりました塩崎駅周辺整備事業などの交通基盤整備のほか、新市のまちづくりの基盤整備に取り組んで参ったところであります。

    併せまして、市民の憩いの場と健康づくりの拠点の充実、防災対策の強化を図るため、島上条公園、竜地公園、やはた公園などの都市公園の整備を推進して参りました。

    また、教育の分野につきましては、創甲斐教育を大きな柱とし、学校教育、スポーツ、生涯学習など、多方面で幅広く取り組みを推進して参りました。その成果といたしまして、不登校の児童・生徒の減少や、美しく整理整頓された小中学校の下駄箱など、目に見える結果も出てきたものと感じております。また、学校施設整備にも重点的に取り組み、空調設備整備事業として13校にエアコン設置を行うとともに、校舎の大規模改修事業や、給食室の改築に取り組み、学校施設の長寿命化にも努めたところであります。

    次に、子育て支援に関連しましては、子育て環境の充実を目指し、市内公立保育園の整備事業を進めて参りました。現在、工事を進めております双葉西保育園の完成をもって、整備事業が完了することとなります。また、人口減少問題への対応を目的とし、妊娠・出産から子育てまでの切れ目のない支援を目指す「甲斐市版ネウボラ推進事業」を推進し、このはな産婦人科の開設、山梨大学との包括的連携協定の締結などを実現するとともに、多くの事業を展開することで人口増加傾向を維持し、合計特殊出生率が、全国、県より高い数値になるなどの成果につながっております。

    また、農業分野につきましては、地域の活性化と、特産品のブランド化の推進等を目的として進めて参りました、赤坂とまと、サツマイモの栽培も軌道に乗り、本格芋焼酎「大弐」につきましては、モンドセレクションでも金賞を獲得し、世界的に認められるまでに成長いたしました。

    また、環境分野におきましては、甲斐市バイオマス産業都市構想を策定し、平成27年10月には、国から、バイオマス産業都市として認定されたところであります。

    就任12年目となった今年度は、本市の市政運営の総合的な指針であり、まちづくりを推進する上で非常に重要な計画となる、第2次甲斐市総合計画の後期基本計画、また、教育基本法に基づく本市の教育振興の基本計画であり、本市にとって総合計画と同じく非常に重要な計画であります、第2次創甲斐教育推進大綱の開始年度でもありますので、本市がますます発展し、多くの市民の皆様に幸せを感じていただけるよう、長期的視野に立ち、しっかりと計画性を持った中で、将来像である「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現に向け、着実に歩みを進めて参ります。

    それでは、今定例市議会に提出致しました26議案につきまして、概要を御説明申し上げます。

    はじめに、報告議案についてであります。報告第6号、「令和元年度甲斐市財政健全化判断比率及び資金不足比率の報告の件」につきましては、監査委員の意見を付けて報告するものであります。

    次に、一般議案であります。

    議案第54号、「辺地に係る総合整備計画の変更について承認を求める件」につきましては、福沢辺地に係る総合整備計画の内容を変更するにあたり、辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律により、辺地対策事業債の適用を受けるため、議会の議決をお願いするものであります。

    議案第55号、「甲斐市税条例の一部改正の件」につきましては、地方税法等の一部を改正する法律など、関係法令が公布されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。

    議案第56号、「甲斐市手数料条例の一部改正の件」につきましては、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。

    議案第57号、「令和2年度甲斐市一般会計補正予算(第4号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、5億5千760万6千円の追加補正をお願いするものであります。歳入につきましては、国庫支出金、県支出金、寄附金及び市債の増額、繰入金の減額であります。歳出につきましては、ふるさと応援寄附金の増額に伴う寄附者への贈呈品及び事務に係る経費、新型コロナウイルス対策関係経費、敷島南小学校屋内運動場大規模改修に係る経費、双葉中学校校舎大規模改修(1工区)及びトイレ・更衣室増築に係る経費の増額、緑化センター跡地活用事業に係る経費の減額などであります。

    議案第58号、「令和2年度甲斐市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、4千円の追加補正をお願いするものであります。

    議案第59号、「令和2年度甲斐市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ、174万円の減額補正をお願いするものであります。

    議案第60号、「令和2年度甲斐市介護保険特別会計補正予算(第2号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ、237万6千円の減額補正をお願いするものであります。

    議案第61号、「令和2年度甲斐市地域し尿処理施設特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、20万6千円の追加補正をお願いするものであります。

    議案第62号、「令和2年度甲斐市水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に対し、収入は1万2千円の減額、支出は329万1千円の増額、また、資本的収入及び支出の既決予定額の総額に対し、支出660万円の増額、議会の議決を経なければ流用することのできない経費の既決予定額の総額に315万6千円の増額、他会計からの補助金の既決予定額の総額から、1万2千円の減額をお願いするものであります。

    議案第63号、「令和2年度甲斐市簡易水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入、支出とも192万円の減額、また、議会の議決を経なければ、流用することのできない経費の既決予定額の総額から192万円の減額、他会計からの補助金の既決予定額の総額から、192万円の減額をお願いするものであります。

    議案第64号、「令和2年度甲斐市下水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入、支出とも537万5千円の減額、資本的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入、支出とも1万5千円の減額、議会の議決を経なければ流用することのできない経費の既決予定額の総額から539万円の減額、他会計からの補助金の既決予定額の総額から、539万円の減額をお願いするものであります。

    議案第65号「市道路線認定の件」につきましては、新たに4本の市道路線を認定するため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

    議案第66号「市道路線変更の件」につきましては、1本の市道路線について、道路法第10条第3項で準用される、同法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

    続きまして、認定議案についてであります。認定第1号から認定第12号までにつきましては、令和元年度における各会計の決算認定の件であります。

    一般会計の令和元年度実施の主な事業についてでありますが、まず、市制祭事業につきましては、昨年9月1日に、議員各位並びに関係各位のご臨席を賜る中で、市制施行15周年記念式典を挙行いたしました。ご協力を賜りました皆様には、この場をお借りしまして、改めて感謝申し上げます。今後も、甲斐市発展のため、市政運営に全力を尽くして取り組んで参る所存であります。

    総合計画プロジェクト事業につきましては、関係各位のご協力をいただく中で、「第2次甲斐市総合計画・後期基本計画」及び「第2期甲斐市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を一体的に策定いたしました。「甲斐市まちづくり基本条例」に基づき、交流と協働の推進を軸として、本市の掲げる将来像である「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現に向け、取り組んで参ります。

    また、ふるさと応援寄附金事業につきましては、寄附金額、寄附件数とも前年度を大幅に上回る結果となりました。ふるさと応援寄附金は、本市にとって貴重な財源となるため、今後も積極的な事業展開を図るとともに、事業実施に伴い本市特産品のPRにも大きな効果があることから、本市の魅力発信にも期待をするところであります。

    平成27年度から取り組んで参りました(仮称)上八幡公園整備事業につきましては、芝生広場や管理棟等の施設整備が完了し、本年3月に「やはた公園」として竣工いたしました。ご協力をいただきました多くの皆様に心から感謝を申し上げるとともに、市民の皆様の憩いの場、健康づくりの場として、また有事の際には防災拠点としての活用を図って参ります。

    「創甲斐教育」につきましては、学校教育の充実や生涯学習・文化活動の推進、またスポーツの振興など、地域や関係機関と連携し、41事業を実施いたしました。特に昨年度は、今年度から令和6年度までを計画期間とし、「甲斐市で育ち、甲斐市を育てる人づくり」を基本理念とする「第2次創甲斐教育推進大綱」を策定いたしましたので、引き続き、本市の独自性として掲げている「国語力の向上」、「自己表現力の向上」、「体力の向上」を、第2次創甲斐教育の推進事業の中で実現して参ります。

    また、甲斐市国民健康保険特別会計をはじめ10の各特別会計及び甲斐市水道事業会計につきましても、一般会計同様に住み良い快適なまちづくりを目指し、複雑多様化する地域の諸課題に取り組んで参ったところであります。

    以上、本年度の主な事業への取組状況及び補正予算等につきましてご説明申し上げましたが、本日提出いたしました議案につきましては、何卒、慎重審議の上、原案のとおり議決くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

                                                                                                                                             令和2年8月25日

                                                                                                                                             甲斐市長  保坂 武

更新日:2020年10月12日

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