令和2年3月定例議会

令和2年3月定例市議会市長施政方針

   本日ここに、令和2年甲斐市議会第1回定例会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、公私ともに御多忙のところ、御応招いただき、誠にありがとうございます。
   今定例会に提出いたしました、令和2年度一般会計当初予算、特別会計当初予算をはじめ、令和元年度補正予算、条例議案等の案件につきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、所信の一端を申し述べ、議員各位並びに、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
   はじめに、中国・武漢に端を発した新型コロナウイルスは、世界規模に広がり世界保健機構(WHO)によると8万人が感染し、2,800人以上が死亡したと報じるなかで、感染拡大への懸念から人や物の往来の減少により世界的な株安の連鎖に歯止めがかからず、世界経済まで影響が、出始めている状況であります。
   国内においては、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍首相が2月27日、全国すべての小中学校に3月2日から休校するよう要請が行われ、山梨県教育委員会は、同28日、全ての県立高校と県立特別支援学校を3月3日午後から同25日までを休校とすることを決め、本市教育委員会にも小中学校の休校の要請があったところであります。
これにより、本市教育委員会は、県から要請とおりの期間を臨時休業とし、また低学年などで保護者による日中の児童生徒への対応が困難な家庭にあっては、学校において児童生徒の受け入れや、放課後児童クラブの受け入れなどの対策を決定し、各小中学校を通じて保護者に周知徹底を行ったところであります。
   公立保育園は、保護者の就労及び生活環境を考慮し、開園いたしますが、子供たちへの感染リスクに備える観点からも、本日、保護者に向け、できる限り家庭での保育をお願いするよう周知を行って参るとともに、私立保育園及び、幼稚園などにつきましても、市と同様の内容を周知して参ります。
   今後、働いている保護者への負担も考慮する中で、感染拡大の状況や国、県の動向を注視しながら、対応して参る所存であります。
さて、1月に開会した第201回通常国会における施政方針演説の冒頭で、安倍晋三首相は、本年7月から開催される、東京オリンピック・パラリンピックを話題に挙げ、国民一丸となって新しい時代に踏み出していこうと呼びかけました。
   日本での夏季オリンピックの開催は、昭和39年以来、56年ぶりのことであります。世界最大のスポーツの祭典とも言われるオリンピック、そしてパラリンピックが日本で開催されることは、大変喜ばしく、素晴らしいことであると感じるところです。
   このオリンピック・パラリンピックが、多くの皆様に夢と希望を与え、甲斐市はもとより日本全体が、新しい時代においても、一層発展していくことを心から期待いたします。
一方、甲斐市におきましては、新たなイベントといたしまして、今月28日から、赤坂台総合公園を会場として「甲斐市サクラまつり」の開催を予定しております。
   サクラは、市制施行10周年記念事業の一環として「市の花」に指定したところであり、また、信玄堤公園、矢木羽湖周辺等、多くの名所があるなど、本市にとってなじみ深い花でもありますので、本市を代表する新たなイベントとして、多くの皆様の記憶に残る、心から楽しんでいただける内容となりますよう、工夫を凝らして参ります。
   現在、山梨県内においてコロナウイルスの感染者は発生しておりませんが、本市といたしましても政府からの要請に基づき、この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえて、本市のスポーツ、文化イベント等につきましては、今後、2週間は、中止、延期または、規模縮小等の対応を取ったところであります。
   オリンピック・パラリンピックをはじめ、本市のスポーツ、文化イベント等が開催できますよう、早期の新型コロナウイルスの終息を切に願うものであります。
いよいよ4月から、第2次甲斐市総合計画の後期基本計画がスタートいたします。
   第1次総合計画の策定から14年、第2次総合計画の策定から4年が経過いたしました。その間、「緑と活力あふれる生活快適都市」を将来像に掲げ、その実現を目指して、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解・ご協力を賜る中で、様々な施策を展開して参りました。
   第2次甲斐市総合計画・後期基本計画の策定にあたり、実施したアンケート調査において、9割近い回答者から「暮らしやすい」との評価をいただき、特に転出した方からの評価が高いことが示されました。
   県内におきましても、人口減少の傾向を示す市町村が多い中、微増とはいえ、本市は増加傾向にあることから、一定の成果が認められたとも考えられますが、まだまだ将来像の実現は、成し得ていないものと感じております。
   こうした状況にかんがみ、第2次甲斐市総合計画(後期基本計画)では、今まで掲げて参りました将来像「緑と活力あふれる生活快適都市」を継承しつつ、「まちづくりは人づくり生涯にわたる学びのまち」、「健やかで心ふれあう、安心に暮らせるまち」、「美しい景観と快適で安全な都市機能を築くまち」、「自然と生活が調和した環境を築くまち」、「交流と協働による未来を拓く活力のあふれるまち」の5つの基本目標を引き継ぐことで、各施策を発展的に見直し、一層の充実を図る内容としております。
   計画策定にあたりましては、議員各位をはじめ、多くの市民の方々からご意見をいただくとともに、いわゆる「産官学金労言」の各界・各層の皆様にご審議いただいたところであり、この場をお借りいたしまして、改めて皆様のご協力に感謝申し上げる次第であります。
今後につきましても、本計画に基づき、施策の展開と検証を着実に行いつつ、更なる市政発展のため尽力して参りますので、ご理解、ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
それでは、令和2年度当初予算の概要を御説明申し上げます。
   令和2年度の予算編成にあたりましては、政策課題の着実な推進と、健全財政の堅持を基本に「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現に向け、施策の選択と集中を図ったところであります。
   予算総額は、一般会計、268億8千万円、特別会計、125億4千918万9千円、水道事業会計、13億708万4千円、簡易水道事業会計、1億6千238万円、下水道事業会計、32億4千772万2千円、合わせた総額、441億4千637万5千円となっております。
   まず、一般会計の歳入予算であります。
税収につきましては、景気の穏やかな回復基調が続く中でも、依然として厳しい環境にありますが、個人、法人を合わせた市民税は、令和元年度の決算見込み等から算出して増額、固定資産税につきましても、3年に1度の評価替えの3年目となりますが、新増築家屋の増額分を見込んで増額としております。
   また、軽自動車税につきましても、過去からの登録状況にかんがみ、増額を見込んでいるところであります。
   市税全体としまして、対前年比3.9パーセントの増、3億4千265万3千円の増額としております。
   地方交付税につきましては、普通交付税、特別交付税とも、これまでの交付実績を考慮する中で、地方交付税全体としまして、令和元年度と同額を見込んでおります。
併せまして、令和2年度から新たに交付されます法人事業税交付金、消費税率等の改正に伴う地方消費税交付金、環境性能割交付金を増額計上しております。
   また、市債につきましては、今後も、まちづくりの財源として、発行額を抑制しつつ、有効活用を図って参る所存であります。
   続きまして、歳出予算の主なものにつきましては、第2次甲斐市総合計画の後期基本計画の 基本目標に沿って御説明申し上げます。
   まず、「まちづくりは人づくり生涯にわたる学びのまち」についての施策であります。
   学校教育の環境整備につきましては、学校施設の現状を見極め、優先順位をつけた中で、国の補助金等を有効活用し、順次整備を行うとともに、昨年度策定いたしました、甲斐市立学校施設長寿命化計画に基づき、財政負担の縮減や平準化を図りながら、より効率的かつ適切に、施設の整備を進めて参ります。
   また、学校給食費につきまして、材料費の高騰など諸般の事情に対応するため、令和2年4月から児童・生徒1人当たり、月額500円増額する予定としておりますが、保護者負担の軽減を図ることを目的として、増額分のうち300円を市が負担することとし、ふるさと応援寄附金を財源として充てることといたします。
   生涯学習関係では、竜王南部公民館駐車場の整備、敷島総合文化会館空調冷温水器入替工事設計業務委託を行うほか、地域の生涯学習の拠点として、各公民館における様々な講座等の実施経費を計上しております。
   図書館事業につきましては、図書や資料の収集・提供と併せ、ブックスタート事業や、昨年度から開始いたしました、市民に読書の習慣化を促すことを目的とした「甲斐・本の寺子屋」事業など、各種事業の一層の展開を図り、魅力ある図書館を目指して参ります。
   スポーツ活動の推進につきましては、生涯スポーツの振興を目的として実施する各種スポーツ教室やイベントなどにより、一層のスポーツへの参加機会の充実に努めて参りますとともに、以前から進めております「ラジオ体操によるまちづくり」につきましても、市民の皆様が、健康で活力ある生活が営めるよう、引き続き推進して参ります。
   また、令和2年度は、「東京2020オリンピック・パラリンピック」の開催年でありますので、各組織・団体との協働により、大会に向けた、市民の機運醸成を図るとともに、市民が身近に感じ、楽しむことができますよう、市民参加型事業につきましても、展開して参ります。
併せまして、甲斐市に本拠地を置き、地域に密着した女子プロバスケットボールチームの山梨クィーンビーズにつきましては、引き続き、ホームタウン・ゲームなどで支援を行って参ります。
   次に、教育施策の中心となる「創甲斐教育」について申し述べます。
平成22年に創甲斐教育推進大綱を策定し、以後、「甲斐市で育ち、甲斐市を育てる人づくり」を基本理念として、様々な施策に取り組んで参りました。今年度末をもって計画期間が満了することから、国の第3期教育振興基本計画及び山梨県教育大綱を参酌しつつ、時代の流れに沿い、変化し続ける社会状況に的確に対応するため「第2次創甲斐教育推進大綱」策定に向け、事務を進めて参ったところであります。
   第2次創甲斐教育推進大綱におきましては、「心豊かにたくましく共に生きる甲斐っ子づくり」、「人生を豊かにする学びとスポーツの環境づくり」、「だれもが安心して学べる教育環境づくり」の3つを新たな基本目標とし、それらを達成するための23の施策項目を定めたところであります。
   令和2年度を、計画初年度とする本大綱は、本市の実情に応じた教育振興基本計画であり、教育を推進するための基本指針となる、非常に重要な計画であります。本大綱に基づき、本市の独自性として、創甲斐教育開始当初から掲げている「国語力の向上」、「自己表現力の向上」、「体力の向上」を引き続き推進するとともに、本市の一層の教育発展のため、家庭、地域、学校及び関係機関と緊密に連携し、積極的に各施策を進めて参ります。
   次に「健やかで心ふれあう安心に暮らせるまち」についての施策であります。
まず、障がい者福祉につきましては、平成30年度から令和2年度までを計画期間とする「甲斐市第5期障がい福祉計画・第1期障がい児福祉計画」に基づき、成果目標及びサービス等の見込量達成に向け、障がい福祉事業の推進を図るとともに、本市の実情や社会情勢を踏まえ、適切に対応すべく「甲斐市第6期障がい福祉計画・第2期障がい児福祉計画」の策定を行います。
   次に、生活保護に至る前の段階における生活困窮者に対しましては、生活困窮者自立支援法に基づく事業として、自立支援の強化を図るための相談支援・一時生活支援などの実施と併せ、本年度から開始いたしました、生活困窮世帯等の子どもを対象とした学習支援及び食糧支援事業を引き続き実施し、支援を行って参ります。
   また、自殺防止対策につきましては、昨年度策定いたしました、自殺対策基本法に基づく「甲斐市自殺防止対策計画」に基づき、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、各施策を展開して参ります。
   次に、子育て支援についてであります。
   本市におきましては、公立保育園の老朽化及び耐震化を踏まえ、建替えや民設民営化等による整備を積極的に推進して参りました。
これまで、竜王中央保育園から松島保育園まで、7園の建替え事業等を実施して参りましたが、最後の整備となります、双葉西保育園建替え事業につきましても、令和3年4月の開園に向け、鋭意事務を進めているところであります。
   令和2年度につきましては、建築主体工事等を執行いたします。
   人口減少問題及び少子化対策の施策の一つである「甲斐市版ネウボラ推進事業」につきましては、甲斐市子育て世代包括支援センターを中心に、女性が住みやすく、安心して子育てができるよう、きめ細やかで切れ目のない、子育て支援の充実を図って参ります。
併せまして、これまで同様、母子の健康推進を図るため、妊産婦及び乳幼児を対象とした健康診査、健康相談等の各種事業を実施するとともに、産後うつ予防を目的とした産婦健康診査及び新生児聴覚検査の費用に対する助成なども継続して参ります。また、不妊治療に対する助成につきましては、現在対象としている特定不妊治療に加え、令和2年度からは新たに一般不妊治療も対象といたします。
   また、こども医療費助成事業におきましては、入院・通院の自己負担分は、小学校6年生までは窓口無料化方式、中学生は償還払い方式での助成、高校生は入院に限り、償還払い方式での助成を引き続き実施して参ります。
   この他、延長保育や病児・病後児保育などの保育サービスの提供とともに、ファミリー・サポート・センター事業、子育てひろば、子育て教室などの充実にも努め、今後もハード、ソフト両面において子どもを安心して産み育てる環境を整えて参ります。
併せて、子どもの貧困、児童虐待につきましても、しっかりと対応して参ります。
   高齢者福祉につきましては、「第8次高齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画」の基本理念である「住み慣れた地域でいつまでも笑顔で元気に安心して暮らせるまちづくり」の実現に向け、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据えた中で、健康づくり事業及び元気な高齢者を増やす施策の一層の展開を図るとともに、地域の支え合い体制づくりの推進、認知症の啓発推進と支援の充実を図り、住まい・医療・介護・介護予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの、更なる構築に引き続き取り組んで参ります。併せまして、令和2年度が次期計画の策定年度となることから、本市の実情や社会情勢に適切に対応した内容となりますよう、計画策定を進めて参ります。
   また、高齢化が一層進む中で、今後も介護給付費は増加傾向で推移することが見込まれますので、介護サービスの適切かつ効果的な提供を図り、介護保険制度の適正運営の推進にも努めて参ります。
   保健事業につきましては、生活習慣病の予防対策及び疾病の早期発見・早期治療のため、総合健診及び人間ドックの充実を図って参ります。
   また、若い世代の受診率向上を目指し、日曜検診の実施やがん検診無料クーポン券の配布など、がん検診推進事業につきましても引き続き実施していくとともに、受動喫煙防止の啓蒙活動にも併せて取り組んで参ります。
   市民の健康意識の向上と健康づくりを応援する事業として取り組んでおります、健康ポイント事業につきましては、今後も継続して参りますので、多くの市民の皆様の参加を期待しております。
   予防接種事業につきましては、感染症に関する正しい知識の普及を図るとともに、疾病予防のため、各種定期予防接種を引き続き実施して参ります。
   また、本年度から開始いたしました、風しんに関する追加的対策である、男性に対する抗体検査及び定期予防接種、更に市単独による、女性に対する予防接種費用の補助を令和3年度までを期間として引き続き実施して参ります。
   この他、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計及び介護サービス特別会計への繰出金として、それぞれ所要の経費を計上し、安心して生活できる保険事業・保健福祉サービスを推進して参ります。
   なお、国民健康保険につきましては、制度改正に伴い、平成30年度から運営主体の都道府県化が図られ、新たな仕組みによる財政運営がなされておりますが、本市といたしましても、引き続き健全な財政運営、適切な保険事務の執行に努めて参ります。
   次に、「美しい景観と快適で安全な都市機能を築くまち」についての施策であります。
平成27年度から取り組んで参りました、(仮称)上八幡公園整備事業につきましては、本年度末をもって完了いたします。事業の実施にあたり、多くの皆様にご理解、ご協力をいただきましたことに、この場をお借りしまして、改めて感謝を申し上げます。
   公園内・芝生広場部分につきまして、芝の養生を行う必要があることから、一部での供用開始となりますが、令和2年4月からは「やはた公園」として、地元の皆様をはじめ、多くの皆様に愛され、利用される公園となりますよう期待するところであります。
   また、市内の緑化推進につきましては、潤いのある水と緑に囲まれたまちづくりのため、市民・企業・行政の連携を図りつつ、啓発活動、花壇等の維持管理、生垣設置等の補助を継続いたします。
   山梨県緑化センター跡地を活用した(仮称)甲斐市フラワーパーク&ミュージアム整備運営事業につきましては、市内外の交流促進、地域経済の活性化に資するとともに、花と緑の美しい、市民の憩いの場、芸術・文化・交流の拠点となりますよう、早期の完成を目指し、取り組んで参ります。
   中部横断自動車道の全線開通、リニア中央新幹線・東京品川、名古屋間の開業を見通す中で、完成の暁には、甲斐市の新たなランドマーク、また、非常に有望な観光資源となり、甲斐市はもとより、山梨県の一層の発展に資するものと、確信するところでありますので、しっかりと事業を進めて参ります。
   次に、上水道・下水道の整備についてであります。
   まず、上水道事業につきましては、「甲斐市第2次水道ビジョン」に基づき、基幹管路の耐震化などに計画的に取り組み、引き続き、災害に強い、安全で安心な水の供給に努めて参ります。
   また、昨年6月検針分から、水道料金を増額改定させていただいたところでありますが、今後につきましても、一層の効率化を意識しつつ、事業の健全経営に心掛けて参ります。
簡易水道事業につきましては、総務省の要請に基づき、令和2年4月から、公営企業会計への移行を予定しております。関連する条例等につきましては、既に制定、廃止及び一部改正の手続きを行っておりますが、円滑かつ確実に移行できますよう、鋭意事務を進めて参りますので、ご理解をお願いいたします。
   また、下水道事業につきましても、簡易水道事業と同様に、公営企業会計への移行に係る事務を進めております。経営の更なる健全化を目指すとともに、住民ニーズへの適切な対応、サービスの向上を目指して参ります。併せまして、令和2年度から、新たな下水道事業認可計画期間が開始となることから、計画に従い、適切な事業の執行に努めながら、生活環境の改善や河川の水質保全を推進して参ります。
   道路整備につきましては、幹線道路の整備を進めるとともに、市道の改良及び維持管理などを行い、橋梁の長寿命化につきましては、長寿命化修繕計画に基づき、引き続き維持補修などに計画的に取り組んで参ります。
   また、市道及び水路等の整備につきましては、甲斐市議会決算審査特別委員会から要望をいただいておりますことから、例年よりも予算を増額した中で、一層の安全性・利便性の向上に取り組んで参ります。
   その他、市営住宅管理事業、木造住宅耐震化支援事業、災害時避難路通行確保対策事業及び雨水対策事業につきましても、引き続き取り組んで参ります。
   次に、消防・防災の充実についてであります。
常備消防費では、消防及び救急業務等の運営費として、甲府地区広域行政事務組合及び峡北広域行政事務組合への負担金を計上しております。
災害対策整備事業におきましては、甲斐市地域防災計画に基づき、非常用食料の備蓄や防災備品の整備を計画的に行うなど、安全安心のための施策に、引き続き取り組んで参ります。
   特に令和2年度におきましては、災害情報の周知等に重要な役割を果たす防災行政無線の通信不到達地域の減少を目指し、既設アンテナの調整と併せ、再送信局の増設を行います。
   消防団関係につきましては、消防団車両の更新計画に基づき、消防ポンプ積載車等の購入を行うなど、適切な車両管理に努めるとともに、引き続き消防装備の充実・強化、消防の拠点となる施設の整備を図って参ります。
   次に、防犯・交通安全の推進についてであります。
防犯対策につきましては、犯罪を抑止するため、市民の自主的な生活安全活動への支援を行うとともに、引き続き防犯灯の設置や青色防犯パトロールカーによる巡視の実施などに努めて参ります。
   交通安全対策につきましては、カーブミラーなど交通安全施設の整備を図って参ります。また、市内の交通安全各種団体を支援するとともに、警察など関係機関と連携し、交通事故の無い、安全な環境づくりを推進して参ります。
次に、「自然と生活が調和した環境を築くまち」についての施策であります。
環境への取組につきましては、「甲斐市環境基本計画」に基づき、各種施策を計画的に推進して参ります。
   地球温暖化防止や資源の循環利用への意識向上のため、環境副読本の作成、環境講座や親子環境ツアーの実施などにより、環境教育や啓発活動を推進するとともに、ごみ減量化に向けたリサイクル意識及び生ごみ削減意識の啓発と推進強化を図って参ります。
ごみ処理につきましては、将来的なごみ処理施設の一元化に向け、本市以下、5市6町で構成する山梨西部広域環境組合が、各市町議会での議決を経て設置されたところであります。
今後につきましては、新たなごみ処理施設の建設に向け、円滑に事務が進められますよう、構成市町と一層の連携を図って参ります。
   甲斐市バイオマス産業都市構想につきましては、木質バイオマス発電事業者である、日立造船株式会社との事業着手に向けた基本協定書の締結を行う中で、早期の実現を目指し、一層注力して参ります。令和2年度当初予算におきましては、発電所用地の造成実施設計・造成工事及び熱供給設備導入調査・事業化計画策定経費を計上しております。
   次に「交流と協働による未来を拓く活力のあふれるまち」についての施策であります。
農業振興につきましては、まず、農業従事者の高齢化や後継者不足等に伴う、耕作放棄地の解消と収益性を重視した、魅力ある農業の確立を目指し、引き続き甲斐市農業活性化事業におきまして、本格芋焼酎「大弐」の原料となる「黄金千貫」等の栽培に取り組んで参ります。特に今年度からは、焼酎大弐原材料補助事業を新たに設け、黄金千貫の栽培を市内全域に拡大しておりますので、栽培農家の増加に努めるとともに、「大弐」の一層の販売促進に努めて参ります。
   また、JA梨北ネギ部会による双葉地区内での白ネギの生産につきましては、新規就農者への支援拡大及び本市の新たな特産品の創出に繋がることから、積極的に支援して参ります。
その他、県が進めております、中山間地域整備事業及び楯無堰の長寿命化を図るための県営かんがい排水事業をはじめ、農地を保全するため、農道や用配水路など、生産基盤の適切な維持管理につきましては、県と連携を一層密にし、取り組んで参ります。
   次に、商工業の振興につきましては、甲斐市中小企業・小規模企業振興基本条例に基づき設置した、甲斐市中小企業・小規模企業振興会議を更に活発化し、甲斐市商工会をはじめとする関係機関との連携強化を図り、地域経済の担い手である、中小企業・小規模企業への支援を通じて、地域の活性化や商工業の発展を目指して参ります。
   次に、観光推進事業につきましては、市内の観光資源を巡り、旬の魅力が楽しめる観光巡回バスの運行や甲斐市ちいさな旅などを実施して参ります。
   その他、おみゆきさん、大弐学問祭などの催しにつきましても、本市の歴史、文化、伝統を伝える重要なものでありますので、引き続き支援を行って参ります。
   国際交流の推進につきましては、甲斐国際交流協会の活動が更に活発化し、市民レベルで、交流が一層促進されるよう支援して参ります。
   男女共同参画事業の推進につきましては、平成28年度に策定いたしました「第3次甲斐ヒューマンプラン」に基づき、男女共同参画社会の実現に向け、各種事業に取り組んでおりますが、令和2年度は、令和3年度を計画始期とする「第4次甲斐ヒューマンプラン」の策定年度でありますので、社会情勢に的確に対応した計画となりますよう、準備を進めて参ります。
   地域の自治振興につきましては、自治会活動の支援や地域集会施設整備に係る補助金などを計上しております。
   行政改革の推進につきましては、4つの重点項目を柱とした「第3次行政改革大綱」に基づき、質の高い行政サービスの実現に向け、より一層努力するとともに、新たに「第4次行政改革大綱」を策定いたします。
   また、人事評価制度の運用を通して、職員が自律的に地方分権、地方創生を担う人材へと成長できるよう、取り組んで参ります。
   これらの取組を継続いたしまして、常に市民の声に耳を傾け、より質の高い行政サービスの提供に努めて参りたいと考えております。
   以上、主な事業の概要を申し上げたところであります。
   続きまして、特別会計、企業会計の当初予算につきまして御説明申し上げます。
国民健康保険特別会計予算につきましては、保険給付費、国民健康保険事業納付金など、68億7千201万4千円を計上しております。
   後期高齢者医療特別会計予算につきましては、後期高齢者医療広域連合納付金など、8億5千395万6千円を計上しております。
   介護保険特別会計予算につきましては、保険給付費など、47億5千119万9千円を計上しております。
   介護サービス特別会計予算につきましては、居宅介護支援事業費など、1千246万9千円を計上しております。
住宅新築資金等貸付事業特別会計予算につきましては、償還金などとして、93万円を計上しております。
   地域し尿処理施設特別会計予算につきましては、1千828万6千円、農業集落排水事業特別会計予算につきましては、1千364万6千円をそれぞれ、計上しております。
合併浄化槽事業特別会計予算につきましては、合併浄化槽設置工事費など、2千668万9千円を計上しております。
   水道事業会計予算につきましては、収益的支出7億5千105万5千円、資本的支出5億5千602  万9千円を計上しております。
   簡易水道事業会計予算につきましては、収益的支出1億693万4千円、資本的支出5千544万6千円を計上しております。
   下水道事業会計予算につきましては、収益的支出17億778万8千円、資本的支出15億3千993万4千円を計上しております。
   続きまして、令和元年度補正予算につきまして、御説明申し上げます。
一般会計補正予算(第7号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ3千962万4千円の追加補正をお願いするものであります。
   歳入につきましては、地方交付税、分担金及び負担金、財産収入、寄附金、繰入金の増額と国庫支出金、県支出金、諸収入、市債の減額であります。
   次に歳出でありますが、主なものとしましては、都市計画費、基金費の増額などであります。
   繰越明許費といたしまして、農林水産業費の県営土地改良事業、土地改良区施設改修事業及び土木費の都市計画諸費等につきまして、年度内の事業完了が見込めないことから、それぞれ令和2年度へ繰り越すものであります。
   地方債につきましては、合併特例事業の限度額を変更するものであります。
   続きまして、特別会計の補正予算につきまして、御説明申し上げます。国民健康保険特別会計補正予算(第5号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ61万2千円の追加補正をお願いするものであります。
   介護保険特別会計補正予算(第5号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ9千655万円の減額補正をお願いするものであります。
   介護サービス特別会計補正予算(第1号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、26万3千円の追加補正をお願いするものであります。
   住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算(第1号)につきましては、予算の総額は変更せず、財源更正をお願いするものであります。
   簡易水道事業特別会計補正予算(第3号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ273万7千円の減額補正をお願いするものであります。
   地方債の補正といたしまして、簡易水道事業の限度額を変更するものであります。
   地域し尿処理施設特別会計補正予算(第3号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ千円の追加補正をお願いするものであります。
農業集落排水事業特別会計補正予算(第1号)につきましては、予算の総額は変更せず、財源更正をお願いするものであります。
   下水道事業特別会計補正予算(第4号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ2千67万7千円の減額補正をお願いするものであります。
地方債の補正といたしまして、流域下水道整備事業及び公共下水道整備事業の限度額を変更するものであります。
   水道事業会計補正予算(第5号)につきましては、収益的支出の既決予定額の総額に、550万円の追加補正をお願いするものであります。
   続きまして、条例議案等につきまして、御説明申し上げます。
   「辺地に係る総合整備計画の承認を求める件」につきましては、福沢辺地における、公共的施設の総合整備を行うにあたり、辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律により、辺地対策事業債の適用を受けるため議会の議決をお願いするものであります。
   「甲斐市印鑑条例の一部改正の件」につきましては、性的少数者への配慮による、性別記載の削除及び成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図ることに伴い、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市固定資産評価審査委員会条例の一部改正の件」につきましては、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市職員給与条例の一部改正の件」につきましては、県外の地域手当支給対象地域に派遣する職員に対し、地域手当を支給するため、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市職員等の旅費に関する条例の一部改正の件」につきましては、県外の在勤地に赴任する職員に対し、移転に要する費用を支給するため、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市手数料条例の一部改正の件」につきましては、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正の件」につきましては、災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律等の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。
   「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定の件」につきましては、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴い、関係条例の整備を行うものであります。
   「甲斐市職員の育児休業等に関する条例の一部改正の件」につきましては、国家公務員の育児休業等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市恩賜県有財産保護財産区管理会条例の一部改正の件」につきましては、委員を選任する要件を変更する必要があることから、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市歴史民俗資料館条例の一部改正の件」につきましては、甲斐市竜王歴史民俗資料館の閉館に伴い、所要の改正を行うものであります。
   「甲斐市営住宅条例の一部改正の件」につきましては、民法の一部を改正する法律の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。
   「市道路線認定の件」につきましては、新たに12本の市道路線を認定するため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
   以上、令和2年度の主要施策及び予算等に係る基本的な考え方並びに令和元年度補正予算及び条例議案等につきまして、御説明申し上げましたが、何卒、よろしく御審議の上、議決くださいますようお願い申し上げます。

   令和2年3月2日

                                                                                                               甲斐市長    保   坂       武

更新日:2020年03月12日

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