令和元年12月定例議会


 

令和元年12月定例市議会市長説明要旨

 

本日ここに、12月定例市議会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、ご多忙のところ、ご応招いただき、誠にありがとうございます。

まず冒頭に、令和元年10月22日、皇居におきまして、「即位礼正殿の儀」が執り行われ、天皇陛下がご即位を公に宣明されました。改めて、令和という新しい時代の始まりを実感し、大変喜ばしく感じるとともに、新たな時代に大きな期待を抱いたところであります。併せまして、令和元年10月の台風19号による被害等に配慮し延期されておりました、平成2年11月以来、29年ぶりとなる「祝賀御列の儀」が11月10日に執り行われ、国内外から多くの祝福を受ける中でつつがなく終了いたしました。令和の幕開けに相応しく、盛大かつ華やかな、素晴らしいものでありました。また、11月14日から18日にかけては、皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式である「大嘗祭」の中心儀式である「大嘗宮の儀」及び「大饗の儀」が滞りなく営まれたところであります。

これらのご即位に伴う儀式を報道等で見聞きするにつけ、私としましても、平成28年10月に陛下が来県され、本市の信玄堤をご視察された際に、お会いできました時の記憶が鮮明に甦り、一層身近に感じられたところであります。

信玄堤の歴史的な価値、水防上の重要性はもちろんでありますが、陛下が直接ご覧になられたことで、信玄堤の意義は、ますます高まり、本市にとって非常に貴重な財産であるとの認識をするところであります。

信玄堤に関連いたしますが、冒頭の「祝賀御列の儀」の延期の原因ともなった台風19号は、本市にも少なからず被害をもたらしました。幸い、人的被害はなかったものの、双葉水辺公園が釜無川の増水によって被害を受け、大きく損傷したところであります。今更ながらに、自然の脅威を痛感させられるとともに、災害対策の重要性と、本市を守る信玄堤の偉大さを強く感じたところでもありました。

双葉水辺公園の復旧工事に関しましては、今定例会に補正予算を計上させていただいておりますが、公園機能の回復を早急かつ綿密に進めて参りたいと考えております。また、天皇陛下もご覧になられた、歴史と伝統を伝える聖牛も被害を受けておりますので、併せて復旧を目指して参ります。

甲斐市のみならず、台風19号及びそれ以後に続いた大雨等により、日本各地に大きな被害が発生いたしました。多くの方が犠牲となられ、また、多数の住居等の損壊や広範囲にわたる停電・断水なども発生し、未だに多くの方々が困難に直面しておられます。

本市といたしましても、去る10月15日から、福島県相馬市に対し、龍王源水や非常食の提供と併せ、給水支援を目的として、給水車及び職員の派遣を行ったところであります。地方自治体同士の連携は重要でありますが、災害対策における協力体制の必要性を一層強く感じたところであります。

犠牲となられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げ、加えて、被災地の復旧・復興が進展いたしますことを切に願うところであります。

続きまして、最近の市政の状況等につきまして申し述べます。

はじめに、10月10日から17日にかけて、本市の市制施行15周年記念事業の一つとして、「花の宮廷画家・ルドゥーテの世界展」と題した、ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテの版画、肉筆画の企画展を実施いたしました。

残念ながら、台風19号の襲来と開催日程が重なりましたが、市内外から2千人を超える来館者をお迎えし、盛会のうちに閉幕いたしました。議員各位をはじめ、来館された皆様に心から御礼申し上げますとともに、この企画展が市制施行15周年にまさに花を添える記念イベントとして、いつまでも皆様の心に残ることを願うところであります。

また、11月2日には、同じく市制施行15周年記念事業の一つとして、双葉ふれあい文化館において、NHKラジオ番組「ラジオ深夜便」の公開録音が行われ、俳優で、日本野鳥の会名誉会長でもあります柳生博先生が講演をされました。私も会場において拝聴したところでありますが、北は宮城県、南は鹿児島県と、非常に遠方からの来場者もおられ、大変盛況でありました。

本市としましても、市制施行15周年を記念する事業を展開しておりますが、これらをきっかけとし、市民の一体感の醸成が更に図られることを願うとともに、今後も一層、甲斐市が発展を続けることができますよう、私も更に尽力して参りたいと考えております。

本市の市政運営の総合的な指針であり、まちづくりを推進する上で非常に重要な計画となる第2次甲斐市総合計画後期基本計画及び第2期甲斐市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定につきましては、市民アンケート、市民ワークショップ、タウンミーティングなどを実施し、市民の皆様の意見を幅広く聞きつつ、職員による作業部会等を進め、現在、素案の作成に至ったところであります。本年12月16日からパブリックコメントに付する予定でありますが、それに先駆け、議員各位に意見・提言をいただきたいと考えておりますので、ご協力をお願い申し上げます。

また、教育基本法に基づく本市教育振興の基本計画であり、本市にとって総合計画と同じく非常に重要な計画であります創甲斐教育推進大綱につきましても、第2次大綱の策定に向け準備を進めており、関係課の職員及び学校関係者で組織するプロジェクトチームや、教育関係者、有識者等で構成する策定会議で検討を重ね、素案の作成を行ったところであります。総合計画と同様、パブリックコメントに先立ちまして、議員各位に意見・提言の提出を依頼しておりますので、併せてご協力をお願い申し上げます。甲斐市の将来を担う子どもたちのため、一層の取り組みを推進して参りたいと考えております。

ふるさと応援寄附金事業につきましては、寄附金額、寄附件数とも前年度を大幅に上回るペースで推移しております。10月末時点で寄附総額は2億3千617万6千円となっており、当初予算額の4億円を上回る見込みであることから、今定例会におきまして、歳入及び歳出を増額補正させていただきますので、ご理解をお願いいたします。

ふるさと応援寄附金は、本市にとって貴重な財源となるだけでなく、事業実施に伴い、特産品のPRや本市の魅力発信に非常に有効であるとともに、市内商工業者の振興にも大きな効果があるものと考えておりますので、今後も積極的に展開を図って参ります。

また、峡北・中巨摩・峡南地域におけるごみ処理広域化に関しましては、将来的なごみ処理施設の一元化に向け、平成30年2月に、関連する11市町による協議会が設置されて以降、建設地の選定に向けた協議を進めておりましたが、本年10月30日、中央市浅利地区を建設候補地とすることに決定されたところであります。

今後につきましては、建設地の地元及び近隣の住民の皆様との合意形成が早期に図られ、着実に計画が前進するよう期待するところであります。

また、目標とする令和13年4月の新ごみ処理施設稼働に向けて円滑に事務を進めるため、新たに一部事務組合を設置する方針としております。このため、一部事務組合設置に関する協議及び関連予算の増額補正について今定例会に上程しておりますので、事業の一層の進捗のため、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

そのほか、令和元年度も仕上げの時期を迎え、主要事業をはじめとする諸施策につきましては、議員各位及び市民の皆様のご支援、ご協力をいただき順調に進捗しているところであります。また、現在、新年度予算の編成作業を行っているところでありますが、厳しい財政状況が続く中、財政の健全化を維持しつつ、行政サービスの維持向上を確保するよう鋭意努力しているところであります。

それでは、今定例市議会に提出いたしました24議案につきまして、概要をご説明申し上げます。

議案第79号「甲斐市いじめ問題対策委員会等設置条例の制定の件」につきましては、「甲斐市いじめ防止基本方針」の改定により、いじめの重大事態発生時に速やかに調査を実施し、解決を図る即応性を備えた調査組織を設置するため、必要な事項を定めるものであります。

議案第80号「甲斐市一般職非常勤職員等の任用、勤務条件等に関する条例の一部改正の件」から、議案第84号「甲斐市下水道条例の一部改正の件」までの5議案につきましては、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律の制定に伴い、所要の改正を行うものであります。

議案第85号「甲斐市上水道給水条例の一部改正の件」につきましては、水道法の一部を改正する法律の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。

議案第86号「甲斐市消防団員の定員、任免、給与、服装等に関する条例の一部改正の件」につきましては、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律の制定に伴い、所要の改正を行うものであります。

議案第87号「字の区域の変更の件」につきましては、県営中山間地域総合整備事業双葉北部地区の区画整理の実施に伴い、所要の変更を行うものであります。

議案第88号「令和元年度甲斐市一般会計補正予算(第4号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、11億2千739万9千円の追加補正をお願いするものであります。

歳入につきましては、市税、寄附金、繰越金などの増額等が主なものであります。

歳出につきましては、企画管理費、バイオマス産業都市推進事業、広域事務組合負担金、一般農業振興費、双葉水辺公園災害復旧費、財政調整基金積立金の増額などであります。

議案第89号「令和元年度甲斐市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、5千199万5千円の追加補正をお願いするものであります。

議案第90号「令和元年度甲斐市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、43万4千円の追加補正をお願いするものであります。

議案第91号「令和元年度甲斐市介護保険特別会計補正予算(第3号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、6千987万6千円の追加補正をお願いするものであります。

議案第92号「令和元年度甲斐市下水道事業特別会計補正予算(第2号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、300万円の追加補正をお願いするものであります。

議案第93号「令和元年度甲斐市合併浄化槽事業特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、8万3千円の追加補正をお願いするものであります。

議案第94号「令和元年度甲斐市水道事業会計補正予算(第3号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に、収入168万円、支出108万円の追加補正、たな卸資産購入限度額を393万4千円に改める内容の補正をお願いするものであります。

議案第95号「甲斐市都市公園条例の一部改正の件」につきましては、(仮称)上八幡公園の完成に伴い、所要の改正を行うものであります。

議案第96号「新市建設計画の一部変更の件」につきましては、東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律の一部を改正する法律において、地方債の特例に関する事項が定められたことに伴い、所要の変更を行うものであります。

議案第97号「山梨西部広域環境組合の設置に関する協議の件」につきましては、地方自治法第290条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

議案第98号及び議案第99号の「指定管理者の指定の件」につきましては、地方自治法第244条の2第6項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

議案第100号「市道路線認定の件」につきましては、新たに14本の市道路線を認定するため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

議案第101号「市道路線変更の件」につきましては、1本の市道路線について、道路法第10条第3項で準用される同法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

議案第102号「双葉西保育園建築主体工事(継続)請負契約締結の件」につきましては、甲斐市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例第2条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

以上、提出議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議のうえ、原案のとおり、議決くださいますようお願い申し上げます。

 

令和元年12月10日

 

甲斐市長 保 坂 武

 

更新日:2019年12月17日

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