令和7年2月定例市議会
令和7年2月定例市議会市長施政方針
本日ここに、令和7年甲斐市議会第1回定例会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、公私ともにご多忙のところ、ご応招いただき、誠にありがとうございます。
今定例会に提出いたしました「令和7年度一般会計当初予算」、「特別会計当初予算」、「公営企業会計当初予算」をはじめ、「令和6年度補正予算」、「条例議案等」の案件につきまして、その概要をご説明申し上げますとともに、所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
はじめに、先月、ドナルド・トランプ氏がアメリカ合衆国の第47代大統領に就任しましたが、就任早々、様々な政策変更を示唆し、世界各国が予測不能なトランプ大統領の一挙手一投足に振り回される不安定な状況が続いております。
また、アメリカと中国による覇権争いや、ウクライナ情勢、中東情勢など、世界はかつてないほど、混沌とした状況となっており、今まさに、時代の大きな転換期に差し掛かっていると感じているところであります。
一方で、国内に目を向けますと、急激な人口減少、気候変動に伴う自然災害の激甚化や頻発化、急激な物価上昇、また、生成AI等の登場による産業構造の変化、食糧自給率やエネルギー自給率低下の問題など様々な課題を抱えており、世界の状況と同様に、大きな時代の変化に直面しているところであります。
このような中、1月24日に行われた第217回国会における施政方針演説の中で、石破茂内閣総理大臣は、「全ての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦し、“今日より明日はよくなる”と実感できる」、すなわち、「楽しい日本」を政府として目指していくことを宣言し、その政策の核心として「地方創生2.0、令和の日本列島改造」を強力に押し進めると明言したところであります。
この「地方創生2.0」の理念である「官民が連携して地域の拠点をつくり、地域の持つ潜在力を最大限に引き出し、ハードだけでないソフトの魅力が新たな人の流れを生み出していく。新技術を活用し、一極集中を是正し、多極分散型の多様な経済社会を構築していく」という考え方には、大いに共感するところでありますので、国や県と協力し、また、民間の力も取り入れながら、国が目指す「一人ひとりの多様な幸福実現を可能にする魅力あふれる地域づくり」に取り組んでまいりたいと考えております。
さて、令和7年4月からは、本年度策定に取り組んできた「第3次甲斐市総合計画(前期基本計画)」と、「第3次創甲斐教育推進大綱」が新たにスタートいたします
「第3次甲斐市総合計画(前期基本計画)」につきましては、本市の市政運営の総合的な指針であり、まちづくりを推進する上で最も重要な計画でありますが、「緑と活力あふれる生活快適都市」を目指すべき市の将来像として前計画から継承しながら、引き続き、「まちづくりは人づくり、生涯にわたる、学びのまち」、「健やかで、心ふれあう安心に暮らせるまち」、「美しい景観と、快適で安全な都市機能を築くまち」、「自然と生活が調和した環境を築くまち」、「交流と協働による、未来を拓く活力のあふれるまち」の5つを基本目標として掲げたところであります。
なお、この総合計画策定に当たっては、本市を取り巻く状況の変化に対する的確な対応を図るとともに、人口減少対策や地方創生を目的とした「甲斐市デジタル田園都市構想総合戦略」を重点戦略として組み入れたところであります。
本市の教育振興基本計画であり教育推進のための基本指針である「第3次創甲斐教育推進大綱」につきましては、教育を取り巻く社会環境の変化や、多様なニーズに対応した教育の重要性も高まっていることから、現在の甲斐市に求められる教育行政のあり方や施策の基本的方向を明確にするとともに、創甲斐教育のスタート当初から取り組んできた「国語力の向上」、「自己表現力の向上」、「体力の向上」の推進と併せ、「心豊かにたくましく、未来を生きる甲斐っ子づくり」、「未来への可能性を拓く学びとスポーツの推進」、「誰もが安心して学べる快適な教育環境づくり」の3つの基本目標を達成するための施策を掲げたところであります。
本市では今後も、これら計画に基づき、施策の展開と検証を着実に行いつつ更なる市政発展を目指し、市民の皆様が笑顔と元気で暮らせるまちづくりに努めてまいりますので、ご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、令和7年度当初予算の概要をご説明申し上げます。
予算規模につきましては、一般会計328億8千万円、特別会計142億8千299万5千円、水道事業会計17億5千462万円、簡易水道事業会計1億8千638万円、下水道事業会計32億277万4千円、戸別合併処理浄化槽事業会計3千496万7千円となり、合わせた総額は523億4千173万6千円となっております。
令和7年度の予算編成にあたりましては、政策課題の着実な推進と健全財政の堅持を基本に、本市が将来像として掲げる「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現に向け、施策の選択と集中を図ったところであります。
また、私が昨年9月の市長選挙において掲げた5つの公約につきましても、実現を目指し、予算に反映させたところであります。
はじめに、一般会計の歳入予算につきましては、昨年度と比較し、「市税」、「法人事業税交付金」、「地方交付税」、「国庫支出金」及び「県支出金」などは増額、「地方譲与税」及び「諸収入」は減額を見込んでおります。
次に、一般会計の歳出予算につきまして、まずは、公約に反映させた主なものから、順にご説明申し上げます。
公約1つ目、「毎日通いたくなる子育て支援パークの整備」につきましては、(仮称)篠原地区公園の整備基本コンセプト「次世代へつなぐ創造の森」の実現に向け、これまでの検討経緯を最大限生かした中で、子ども体験学習施設などの整備に取り組んでまいります。
次に、公約の2つ目、「すべての子どもへの学校給食の独自支援・学力向上支援」につきましては、物価高騰により経済的不安を抱える子育て世帯の中でも、特に経済的負担が大きい多子世帯に対し、市が独自に費用を負担することで、学校給食費、保育施設等副食費、また、児童発達支援等施設通所者昼食費を第2子半額、第3子以降無償としてまいります。
議会「決算審査特別委員会」から要望がありました「市単独学校教育支援員等配置事業」につきましては、学校教育支援員及び学力向上支援スタッフ等の適切な配置により、教職員の負担軽減と子どもたちの学習環境充実に繋げてまいります。
デジタル教育の充実につきましては、デジタル教材の円滑な活用を図るため、全11小学校にインターネット回線を増設いたします。
英語教育の充実につきましては、英語検定試験受験料の助成、タラマラハイスクールとの学校間交流に伴う受入事業を実施いたします。
次に、公約3つ目、「安心・安全なまちづくり、給水・空調に係る避難所整備、企業誘致、新産業の創造」につきましては、雨水排水対策に関して、議会「決算審査特別委員会」からもご要望いただいたところでありますが、ゲリラ豪雨などによる浸水被害などを防ぐため、引き続き水路の断面拡幅等により、道水路の維持及び改修に努めてまいります。
下水道事業につきましては、下水道事業経営戦略に基づき計画的な整備を続けてまいります。また、道路冠水や内水浸水などの抜本的な解消に向けては、雨水対策事業を加えた新たな「甲斐市公共下水道雨水全体計画」の策定を進めているところであります。
ドローンを活用した緊急時の物資輸送につきましては、消防団員や職員のドローンライセンスの取得と併せ、公民連携による輸送体制の整備を図ってまいります。
企業誘致につきましては、「双葉地区拠点工業団地開発事業」に係る予算の宅地開発事業特別会計への繰り出しを行うとともに、拡張整備の設計を進め、早期の工事着手を目指してまいります。
産業サポート体制の充実につきましては、「甲斐市若者定住促進奨学金返還支援事業補助金」制度を創設し、若者の就労初期における経済的負担を軽減することで、地域企業へのUターン就職やIターン就職を促すとともに、転出抑制と定住促進に繋げてまいります。
公約の4つ目、「人生100年時代に対応した健康・居場所づくりと公共交通の整備」につきましては、高齢者のフレイル予防の出張講座や戸別訪問相談など、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業」等に取り組むことで、健康の保持増進及び健康寿命の延伸に繋げてまいります。
「重層的支援体制整備事業」につきましては、相談体制の強化と複雑化した困難案件に対する「多機関協働事業」の推進に加え、社会福祉協議会とも連携し、地域における支援体制の整備に取り組んでまいります。
高齢者の外出支援につきましては、持続可能な公共交通を実現するためのマスタープランである「甲斐市地域公共交通計画」に基づき、新たな公共交通システムの導入に向けた自動運転EVバスの実証運行に取り組んでまいります。また、「高齢者福祉タクシー・バス利用料助成事業」につきましては、利用希望者の実情に合わせ、対象となる要件を緩和いたします。
公約の5つ目、「新たな価値を創造するエコシティーKAIへの挑戦」につきましては、脱炭素先行地域の事業として、引き続き公共施設、民間施設への脱炭素化設備の導入を進めるとともに、全国自治体の脱炭素化モデルとなるよう各種事業の遂行に注力してまいります。
続きまして、歳出予算の主なものと令和7年度に実施する重要施策につきまして、「第3次甲斐市総合計画」の基本目標に沿ってご説明申し上げます。
始めに、「まちづくりは人づくり生涯にわたる学びのまち」についての施策であります。
学校施設の環境整備につきましては、令和5年度から計画的に進めてきた小中学校の屋外トイレ改修工事を実施いたします。
その他整備につきましても、「甲斐市立学校施設長寿命化計画」に基づき、財政負担の縮減や平準化を図りながら、効率的かつ適切に進めてまいります。
生涯学習関係では、本市の貴重な文化財の保存と活用を総合的に進めるために作成した「甲斐市文化財保存活用地域計画」に基づき、歴史文化資産の魅力発信に努めてまいります。
図書館関係では、引き続き「甲斐・本の寺子屋」事業や乳幼児を対象としたブックスタート事業など、魅力ある図書館づくりや本に親しむ環境づくりに取り組んでまいります。
スポーツ活動の推進につきましては、「市民一人1スポーツ」を目標に、年間を通じて各種スポーツ教室やイベントを実施し、スポーツへの参加機会の拡充に努めてまいります。
玉幡公園総合屋内プールにつきましては、引き続き公民連携手法による再整備を検討してまいります。併せて、釜無川レクリエーションセンターとの温浴機能の集約・複合化についても検討してまいります。
次に「健やかで心ふれあう安心に暮らせるまち」についての施策であります。
福祉に関する施策につきましては、「第3次甲斐市地域福祉計画」の基本理念である「一人ひとりが手をつなぎ、ぬくもりあふれる福祉のまちづくり」に基づき、本市に暮らす全ての人が、支援の「支え手」、「受け手」という関係を超え、支え合いと助け合いの輪を広げることで、「誰もが心豊かに暮らせるまち」を目指してまいります。
障がい者福祉につきましては、「甲斐市第7期障がい福祉計画・第3期障がい児福祉計画」に基づき、成果目標の達成を目指すことで、地域福祉の向上に努めてまいります。
自殺防止対策につきましては、「甲斐市第2期自殺防止対策計画」に基づき、引き続き関係機関との連携を強化しながら、包括的な支援に取り組んでまいります。
高齢者福祉につきましては、2025年中に「団塊の世代」と呼ばれる世代の方全員が75歳以上の後期高齢者となりますが、「第10次高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画」の基本理念である「住み慣れた地域でいつまでも笑顔で元気に安心して暮らせるまちづくり」の実現に向け、各施策に取り組んでまいります。
介護給付費につきましては、少子高齢化が進む中で、今後も増加が見込まれることから、介護サービスの適切かつ効果的な提供を図り、介護保険制度の適正な運営に努めてまいります。
次に、子育て支援につきましては、令和7年度を始期とする「第1期甲斐市こども計画」に取り組むことで、子育て施策の一層の強化を図ってまいります。また、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへの一体的な相談支援を行う機関として、子育て健康部内に「甲斐市こども家庭センター」を設置し、関係機関との連携を図ってまいります。
「子どもを安心して産み育てる環境づくり」につきましては、議会「決算審査特別委員会」からも要望がありました「日帰り産後ケア事業」を拡充し、心身ともに不安定になりやすい出産後の母親の育児負担軽減に努めてまいります。また、延長保育、病児・病後児保育などの保育サービスの提供、ファミリー・サポート・センター事業、子育て支援アプリなど、子育て支援の充実に努めるとともに、子どもの貧困問題や、ひとり親家庭の支援にも取り組んでまいります。
甲斐市版ネウボラ推進事業につきましては、甲斐市子育て世代包括支援センターを中心に、女性が住みやすく安心して子育てができるよう、きめ細かく切れ目のない子育て支援の充実を図ってまいります。また、新たに、歯周病菌の影響による早産等のリスク低減を図るため、「妊婦歯科健康診査事業」を実施いたします。
健康推進事業につきましては、生活習慣病の改善、疾病予防、重症化予防のため、総合健診及び人間ドックの充実を図ってまいります。また、新たに、骨髄等移植の推進とドナー登録の増加を図るため、「骨髄バンクドナー支援推進事業」を実施いたします。
休日夜間における急患診療体制の確保につきましては、初期救急医療センターの運営に係る負担金を予算計上するとともに、引き続き市民の皆様に対する周知に努めてまいります。
予防接種事業につきましては、各種定期予防接種に、新たに帯状疱疹予防接種を加えるとともに、骨髄移植手術等に伴い低下した免疫機能の回復を図るため、「造血幹細胞移植後予防接種支援事業」を実施いたします。
その他、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計及び介護サービス特別会計への繰出金として、それぞれ所要の経費を計上し、安心して生活できる保険事業や保健福祉サービスを推進してまいります。
市民温泉につきましては、3つの施設を集約・複合化し、再整備することで幅広い年齢層の利用を促すとともに、新たな賑わいを創出し、住民福祉の向上と地域活力の活性化に繋げてまいります。
次に、「美しい景観と快適で安全な都市機能を築くまち」についての施策であります。
赤坂台総合公園の防災機能拡充に係る公園整備につきましては、災害時に避難場所等として活用可能な「防災機能を有する公園」となるよう駐車場の新設に取り組んでまいります。
市内の緑化推進につきましては、潤いのある水と緑に囲まれたまちづくりのため、市民・企業・行政の連携を図りつつ、啓発活動、花壇等の維持管理、生垣設置等の補助を継続いたします。
道路整備につきましては、幹線道路の整備をはじめ、市道の改良及び維持管理などを行ってまいります。
橋梁の長寿命化につきましては、長寿命化修繕計画に基づき、引き続き維持補修などに計画的に取り組んでまいります。
少子高齢化に伴い増加が見込まれる空き家等の対策につきましては、令和7年度を始期とする「第3期甲斐市空家等対策計画」に基づき、適切な管理ができるよう努めてまいります。
水道事業につきましては、地震対策の更なる強化及び施設の老朽化対策等、水道事業を取り巻く環境の変化に対応し、安全な水道水を安定して供給するため、「甲斐市第3次水道ビジョン」の策定に取り組んでまいります。また、片瀬配水場の増圧ポンプ場の増設工事により、一部地域で生じていた水圧不足及び水量不足の解消を図ってまいります。
簡易水道事業につきましては、経営の更なる健全化を目指しつつ、引き続き安全・安心かつ安定した水道水の供給に努めてまいります。
消防・防災の充実に関する施策のうち、災害対策整備事業につきましては、引き続き非常用食料や飲料水の備蓄と併せ、避難所で使用する資機材の購入を計画的に進めてまいります。また、災害をはじめとする不測の事態に対応できるよう、新たに1,100リットルの給水車を購入いたします。
消防団関係につきましては、消防団車両の計画的な更新と適正な管理に努めるとともに、消防装備の充実・強化を進めてまいります。
防犯対策につきましては、引き続きLED防犯灯の設置や青色防犯パトロールカーによる巡視の実施などに努めてまいります。また、高齢者を狙った不審な電話や訪問に対し、防災行政無線やSNSを活用した情報発信に努めてまいります。
交通安全対策につきましては、カーブミラーなど交通安全施設の整備を行ってまいります。また、登下校中における児童生徒の安全確保のため、関係機関と実施する通学路合同点検に基づき、グリーンベルト等の補修工事を実施いたします。
次に、「自然と生活が調和した環境を築くまち」についての施策であります。
家庭から排出される植木の剪定枝処理については、現在、剪定枝粉砕処理場においてチップ化処理を行っておりますが経年劣化により処理機に不具合が生じているため、新たに1台を入れ替えます。
新たなごみ処理施設の整備につきましては、本市を含む5市6町で構成する「山梨西部広域環境組合」において、現在、令和13年度からの本格稼働を目指し、準備を進めているところであります。
敷島地区、双葉地区の「し尿」等処理につきましては、峡北広域行政事務組合において「し尿処理施設」の建設を検討しておりましたが、竜王地区の「し尿」を搬入している中巨摩地区広域事務組合衛生センターにおいて処理量に余力が生じたことから、敷島地区、双葉地区のし尿等についても搬入が可能かどうか協議を進めてまいります。
次に「交流と協働による未来を拓く活力のあふれるまち」についての施策であります。
本市の「自治体業務のスマート化」につきましては、「甲斐市デジタル田園都市構想総合戦略」の重点戦略達成に向けたデジタル施策である「甲斐市DXアクションプラン」に取り組むことで、更なるDXの推進と、利便性、快適性を備えた質の高い行政サービスの実現を目指してまいります。
市ウェブサイトにつきましては、利便性の向上を図るため、生成AIを採り入れた中で再構築を行ってまいります。
国が令和8年3月までに「標準準拠システム」への移行を義務付けた住民基本台帳や税など、20業務の基幹系システムにつきましては、介護認定審査会システムを除き令和7年9月に移行を行います。
市民戸籍課の窓口業務につきましては、持続可能な行政運営を目指すとともに、業務の効率化を図る取組として、民間活力導入によるサービス向上を視野に入れた業務改善調査を実施してまいります。
男女共同参画事業の推進につきましては、性別を問わず、誰もが個性や能力を発揮し、自分らしく暮らすことができる社会づくりに取り組んでまいります。
地域の自治振興につきましては、「地域集会施設整備」に係る補助金などにより、自治会活動等の支援を進めてまいります。
農業振興につきましては、耕作放棄地の解消と、収益性を重視した魅力ある農業の確立を目指し、「甲斐市農業活性化事業」に取り組むとともに、学校給食米生産者への支援など、新鮮で安全な農産物の地産地消に取り組んでまいります。また、農業従事者の高齢化や後継者不足が課題となっていることから、新たに「甲斐市新規就農アシスト事業」を実施し、新規就農者の確保と初期費用の負担軽減による経営安定化支援に努めてまいります。
林業の振興につきましては、森林経営管理制度に基づき、森林環境譲与税などを活用した森林整備や未利用材の活用を図るとともに、林業に携わる人材の育成に取り組んでまいります。
商工業の振興につきましては、地域経済の担い手である中小企業・小規模企業への支援を通じて、地域の活性化や商工業の発展を目指すため、創業融資や小規模企業者の経営改善融資に対する利子補給を継続するとともに、「小規模企業者持続化補助金」の事業実施期限の延長を行います。
観光振興につきましては、県、甲府市と一層の連携を図る中で、山梨の誇る御嶽昇仙峡の活性化を推進するとともに、御嶽古道の整備と魅力発信に努めてまいります。また、甲斐市サクラまつりを実施する他、おみゆきさん、大弐学問祭など、本市の歴史、文化、伝統を伝える重要な行事について、これまで同様に支援してまいります。
国際交流の推進につきましては、引き続き甲斐国際交流協会の活動を支援してまいります。
高速インターネット通信網が行き届いていない敷島地区北部地域における情報インフラ整備につきましては、通信事業者と協力しながら光ファイバー等の敷設を行い、地域間における情報格差の是正を図ってまいります。
ふるさと応援寄附金事業につきましては、多くの方に本市を応援していただけるよう特産品のラインナップ強化や協力事業者の発掘に取り組むとともに、企業版ふるさと納税やクラウドファンディングの活用を図ることで、更なる自主財源の確保に努めてまいります。
竜王庁舎の維持管理につきましては、水害発生時の業務継続性を確保するため、電気設備の地上化工事を進めてまいります。
次に、行政改革につきましては、これまでの事務事業評価を中心とした「甲斐市行政改革大綱」を、組織の最適化に着目した「甲斐市組織マネジメントプランチェンジ」に刷新し、限られた人材・財源の最適配分を考慮した中で、組織マネジメントに取り組んでまいります。
組織機構の見直しにつきましては、令和6年12月議会において条例改正の議決をいただきましたが、少子化及び人口減少に伴い行政職員が減少する状況下においても、新たな組織、体制のもと、多様化する市民ニーズに迅速かつ的確に対応できるよう事務の執行に努めてまいります。
職員の人材育成につきましては、「第2次甲斐市人材育成基本方針」に基づき、職員が自律的に地方分権、地方創生を担う人材へと成長することを促し、更なる住民サービスの向上に繋げてまいります。また、「甲斐市特定事業主行動計画(第5期)」に基づき、子育てや女性が活躍しやすい職場環境づくりを進めてまいります。
これらの取組を継続いたしまして、常に市民の声に耳を傾け、より質の高い行政サービスの提供に努めてまいりたいと考えております。
以上、主な事業の概要を申し上げたところであります。
続きまして、特別会計、企業会計の令和7年度当初予算につきまして、御説明申し上げます。
国民健康保険特別会計予算につきましては、保険給付費など、68億4千889万1千円を計上しております。
後期高齢者医療特別会計予算につきましては、後期高齢者医療広域連合納付金など、13億8千272万8千円を計上しております。
介護保険特別会計予算につきましては、保険給付費など、57億2千368万4千円を計上しております。
介護サービス特別会計予算につきましては、居宅介護支援事業費など、1千629万8千円を計上しております。
地域し尿処理施設特別会計予算につきましては、地域し尿処理施設費など、1千86万5千円を計上しております。
農業集落排水事業特別会計予算につきましては、2千715万7千円を計上しております。
宅地開発事業特別会計予算につきましては、宅地開発費として、2億7千337万2千円を計上しております。
水道事業会計予算につきましては、収益的支出9億880万6千円、資本的支出8億4千581万4千円を計上しております。
簡易水道事業会計予算につきましては、収益的支出1億260万円、資本的支出8千378万円を計上しております。
下水道事業会計予算につきましては、収益的支出17億2千905万円、資本的支出14億7千372万4千円を計上しております。
戸別合併処理浄化槽事業会計予算につきましては、収益的支出2千868万5千円、資本的支出628万2千円を計上しております。
続きまして、令和6年度補正予算につきまして、御説明申し上げます。
一般会計補正予算(第8号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、2億8千22万1千円の追加補正をお願いするものであります。
歳入の主なものにつきましては、地方交付税、国庫支出金、県支出金などの増額と、繰入金、諸収入、市債などの減額であります。
次に歳出でありますが、主なものにつきましては、民生費、土木費、諸支出金などの増額、総務費、農林水産業費、教育費、公債費などの減額であります。
繰越明許費といたしましては、ふるさと応援寄附金事業など、8事業の追加を行うものであります。
債務負担行為につきましては、敷島B&G海洋センター及び双葉B&G海洋センターの指定管理の協定締結について、期間及び限度額を設定するものであります。
地方債につきましては、「防災・減災・国土強靭化緊急対策事業」など2事業の追加、「緊急自然災害防止対策事業」など3事業の限度額の変更、「合併特例事業(借換債)」の廃止を行うものであります。
一般会計補正予算(第9号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、1千724万円の追加補正をお願いするものであります。
歳入につきましては繰入金、歳出につきましては教育費の増額であります。
繰越明許費といたしましては、竜王西小学校用地取得費の追加を行うものであります。
続きまして、特別会計の補正予算につきまして、御説明申し上げます。
国民健康保険特別会計補正予算(第5号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ、4千458万9千円の減額補正をお願いするものであります。
後期高齢者医療特別会計補正予算(第4号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ、780万3千円の減額補正をお願いするものであります。
介護保険特別会計補正予算(第4号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、3億8千871万5千円の追加補正をお願いするものであります。
介護サービス特別会計補正予算(第3号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ、96万8千円の減額補正をお願いするものであります。
地域し尿処理施設特別会計補正予算(第3号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ、5千円の減額補正をお願いするものであります。
農業集落排水事業特別会計補正予算(第1号)につきましては、予算の総額は変更せず、財源更正をお願いするものであります。
水道事業会計補正予算(第3号)につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に、収入2千626万7千円の追加補正、支出2千173万3千円の減額補正、資本的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入支出それぞれ1億3千600万円の減額補正をお願いするものであります。
簡易水道事業会計補正予算(第3号)につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入支出それぞれ300万円の減額補正をお願いするものであります。
下水道事業会計補正予算(第4号)につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入625万円、支出6千700万円の減額補正、資本的収入及び支出の既決予定額の総額から収入20万円の減額補正をお願いするものであります。
続きまして、一般議案等につきまして、ご説明申し上げます。
「和解及び損害賠償額の決定の件」につきましては、道路施設の管理瑕疵による車両損傷事故に係る和解及び損害賠償の額について、「地方自治法」第180条第1項の規定により専決処分をしたので、同条第2項の規定により報告するものであります。
「辺地に係る総合整備計画の承認を求める件」につきましては、福沢辺地における公共的施設の総合整備にあたり、「辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律」により、辺地対策事業債の適用を受けるため、議会の議決をお願いするものであります。
「刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定の件」につきましては、「刑法等一部改正法」の施行に伴い、関係条例の一部改正及び字句の整理を行うために必要な事項を定めるものであります。
「甲斐市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の制定の件」につきましては、甲斐市行政機構の改革に伴い、関係条例について所要の改正を行うものであります。
「甲斐市布設工事監督者の配置基準及び資格基準並びに水道技術管理者の資格基準に関する条例の一部改正の件」につきましては、水道整備・管理行政が国土交通省に移管されることに併せ、布設工事監督者及び水道技術管理者の資格要件が改正されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。
「甲斐市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正の件」につきましては、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部を改正する内閣府令」により、「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」が改正されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。
「指定管理者の指定期間の変更の件」につきましては、指定管理者の指定期間の変更について、「地方自治法」第244条の2第6項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
「市道路線認定の件」につきましては、新たに3本の市道路線を認定するため、「道路法」第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
「市道路線変更の件」につきましては、3本の市道路線変更について、「道路法」第10条第3項で準用される同法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
「甲斐市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正の件」、「甲斐市の市長等の給与等に関する条例の一部改正の件」、「甲斐市職員給与条例等の一部改正の件」につきましては、国家公務員の給与改定等にかんがみ、期末手当の支給率を改定するため、所要の改正を行うものであります。
以上、令和7年度の主要施策及び予算等に係る基本的な考え方並びに令和6年度補正予算及び条例議案等につきまして、ご説明申し上げましたが、何卒、よろしくご審議の上、議決くださいますようお願い申し上げます。
令和7年2月27日
甲斐市長 保 坂 武
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更新日:2025年06月05日