令和6年12月定例市議会
令和6年12月定例市議会市長説明要旨
本日ここに、12月定例市議会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、ご多忙のところ、ご応招いただき、誠にありがとうございます。
議案の説明に先立ちまして、このたび、「山梨県市議会議長会」より感謝状を贈呈されました、赤澤厚議員、清水和弘議員に、心よりお祝いを申し上げます。皆様の長年のご尽力に対しまして、敬意を表するとともに、更なるご活躍をご期待申し上げる次第であります。
はじめに、本年10月から募集していた「甲斐市赤坂ソフトパーク内起業地市有財産活用事業」の不動産貸付事業者について、この度、「株式会社サンリオ」を最優先交渉権者に決定いたしましたので、本日ご報告いたします。
新たな関係人口の増加や地域経済の活性化、また、地方創生などにつながる事業展開ができる事業者を、提案型プロポーザル方式により募集したところ、株式会社サンリオ1社から応募があり、ご提案いただいた内容について、12月2日にプロポーザル審査を実施し、総合的な評価、判断のもと、株式会社サンリオを最優先交渉権者に決定したのが本事業のこれまでの経緯であります。
同社からは、「デジタル技術を活用したハローキティをはじめとする人気キャラクターの企画展示や、サンリオの原点となる歴史資料を展示するミュージアムなどとして活用したい」とのご提案をいただくとともに、「甲府盆地と富士山が一望でき、双葉スマートインターチェンジも近くにあって集客にも期待できるこの場所を、世界中のハローキティファンとつながる拠点にしていきたい」との熱く力強い思いを伝えていただいたところであります。
本施設が甲斐市の新たなランドマークとして、関係人口の増加や地域経済の活性化に大きく貢献してくれことを期待しているところであります。
今後、同社と早期に基本協定等を締結し、本市も協力した中で、令和7年度中の開業を目指し事業を推進してまいりたいと考えております。
次に、本市の公共交通の課題解決を目指す甲斐市AIオンデマンド交通「かいのり」につきましては、11月1日から12月22日までの間、市内全域において実証運行を実施しております。
この「かいのり」は、利用に際し会員登録が必要になりますが、その会員数は、昨年の実証運行の時と比べて大幅に増加しており、新たな公共交通システムとして、市民の高い関心と強い期待がうかがえる状況となっております。
また、利用実績につきましても、今回、将来的な実装を見据え利用料金の有料化を行いましたが、過去3回の実証運行の時と比較しても利用件数の減少は見られず、「かいのり」が有する利便性や経済性が利用者の皆様から、一定の評価を得ているのではないかと考えているところであります。
本市では、高齢者等の移動手段確保のため、平成24年度から「甲斐市民バス」を運行してまいりましたが、「運行日時、運行本数の制限や、市内遠隔地への連結が難しい」といった課題があり、利用される方の多種多様なニーズに応えることが難しい状況でありました。
予約に応じて運行し、停留所の数も各段に多い「かいのり」が、それら課題の解決につながっていくことを期待するとともに、残りわずかな期間となった実証運行について、より多くの方に実際に利用していだくことができるよう、引き続き周知に努めてまいります。
また、併せて年明けには、自動運転運行レベル2の自動運転EVバスの実証運行も実施し、運転手不足など2024年問題と言われる問題にも取り組んでまいります。
公共交通を取り巻く環境は厳しさを増しておりますが、これら二つの実証運行によって得られた様々な知見を、今年度作成する「甲斐市地域公共交通計画」に反映させ、持続可能かつ甲斐市の特性や利用者のニーズに合わせた新しい公共交通の実現につなげて参りたいと考えております。
さて、10月の臨時市議会において、私の市長5期目就任に当たっての市政運営に関する考え方について、簡単に述べさせていただいたところでありますが、本定例会の開会に当たり、あらためて私の思いと考えを、立候補に際して挙げた5つの公約に沿って述べたいと思います。
はじめに、公約の一つ目として挙げた、「毎日通いたくなる子育て支援パーク」の整備につきましては、篠原地区公園内に、災害時の一時避難所としての機能も併せ持つ「子育て支援拠点施設」の整備を進めてまいります。
公園内に大型遊具を備えた屋内施設や、体験学習、子育て相談、子どもの一時預かりができる設備を作ることで、お子様とそのご家族が毎日通いたくなるような楽しく快適な子育て拠点づくりに取り組んでまいります。
これまでも議員各位や市民の皆様から、様々な声をいただいておりますので、慎重かつ丁寧により良いものを造ってまいりたいと考えております。
二つ目の公約として挙げた「すべての子どもへの学校給食費の独自支援及び学力向上支援」につきましては、第2子の小中学校給食費、保育園の副食費については半額支援、第3子以降の無償化に向けて市独自の支援策に取り組んでまいります。
給食費等の完全無償化につきましては、市の財源に限りがあるため、子育て支援対策の一環として全国一律で実施するよう、国に対して要望を続けてまいります。
なお、先般開催された全国市長会におきましても、山梨県市長会の会長として、国に対し、直接意見と要望を申し上げたところであります。
また、併せて学力向上支援策として、学習サポートやデジタル教育の充実のほか、グローバル社会において活躍できる人材を育てるため、市の独自施策により英語教育の充実に取り組んでまいります。
三つ目の公約として挙げた「安心・安全なまちづくり、避難所整備、企業誘致及び新産業の創造」につきましては、災害から市民の命や暮らしを守るため、抜本的な雨水排水対策の推進や、災害時における避難所の給水体制確保と空調設備の早期整備に取り組んでまいります。
また、災害対策として、ドローンを活用した緊急時の物資輸送にも取り組みます。
企業誘致については、下今井工業団地の拡張による企業誘致に取り組むほか、市内立地を希望する企業へのサポート体制強化に取り組んでまいります。
四つ目の公約として挙げた「人生100年時代に対応した健康で豊かな人生を送るための居場所づくりと公共交通の整備」につきましては、人生100年時代を見据えた中で、高齢者の居場所づくりと医療介護体制の充実、また、新たな地域公共交通計画を策定しながら、利便性の高い公共交通の整備により、高齢者の外出支援を行ってまいります。
最後の五つ目の公約である「新たな価値を創造するエコシティーKAIへの挑戦」につきましては、本市では、ゼロカーボンシティ宣言を行うとともに、脱炭素先行地域として、環境課題の解決及びエネルギーの効率的かつ効果的な循環を目指し取り組んでいるところでありますが、引き続きエネルギーの地域内循環や、交流人口の増加をはじめとする人の循環を活発にしていくことで、地域経済の更なる発展を目指してまいります。
以上、5つの公約の実現につきましては、市民の皆様との固い約束であります。
約束を果たすため、議員各位、そして職員の皆様のお知恵も借りながら着実かつスピード感を持って政策を進めてまいりますので、積極的なご協力をお願い申し上げます。
少子高齢化に伴う人口減少社会の中でも、本市がますます発展していくことができますよう知恵と工夫を凝らして政治人生の「総仕上げ」に取り組み、甲斐市の将来像である「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現への道筋を確固たるものとしてまいりたいと考えております。
さて、令和6年度における、主要事業をはじめとする諸施策につきましては、仕上げの時期を迎える中、議員各位及び市民の皆様のご理解、ご協力をいただきながら、着実に進めているところであります。
また、現在、新年度予算の編成作業を行っているところでありますが、厳しい財政状況が続く中、財政の健全化を維持しつつ、行政サービスの更なる向上を目指し、鋭意努力しているところであります。
それでは、今定例市議会に提出いたしました報告議案及び一般議案につきまして、概要をご説明申し上げます。
はじめに、報告議案についてであります。
報告第11号「和解及び損害賠償額の決定の件」につきましては、道路施設の管理瑕疵による車両損傷事故に係る和解及び損害賠償の額について、「地方自治法」第180条第1項の規定により専決処分したので、同条第2項の規定により報告するものであります。
報告第12号「和解及び損害賠償額の決定の件」につきましては、道路除草作業による車両破損事故に係る和解及び損害賠償の額について、「地方自治法」第180条第1項の規定により専決処分したので、同条第2項の規定により報告するものであります。
議案第91号「山梨県市町村総合事務組合の共同処理する事務の変更に伴う山梨県市町村総合事務組合規約の変更の協議の件」につきましては、山梨県市町村総合事務組合の共同処理する事務及び組合規約を変更する協議に関し、「地方自治法」第290条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
議案第92号「山梨県市町村総合事務組合の共同処理する事務の変更に伴う財産処分の件」につきましては、山梨県市町村総合事務組合の共同処理する事務の住民の交通災害共済事業を廃止することに伴う財産処分の協議に関し、「地方自治法」第290条の規定により、議会の議決をお願いするものであります
議案第93号「甲斐市行政機構の改革に伴う関係条例の整備に関する条例の制定の件」につきましては、甲斐市行政機構の改革に伴い、関係条例について所要の改正を行うものであります。
議案第94号「甲斐市企業版ふるさと応援基金条例の一部改正の件」につきましては、「地域再生法の一部を改正する法律」が公布されたことに伴い、「条ずれ」が生じたため、所要の改正を行うものであります。
議案第95号「令和6年度甲斐市一般会計補正予算(第5号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、20億8千633万6千円の追加補正をお願いするものであります。
歳入につきましては、地方交付税、国庫支出金、県支出金、繰越金、市債などの増額が主なものであります。
歳出につきましては、自立支援給付事業、教育・保育給付事業、災害救助費、予防接種事業、体育館維持管理事業などの増額であります。
繰越明許費につきましては、「体育館維持管理事業」など、4事業について追加を行うものであります。
地方債については、「脱炭素化推進事業」の追加の他、「合併特例事業」及び「臨時財政対策債」の変更を行うものであります。
議案第96号「令和6年度甲斐市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、4千217万1千円の追加補正をお願いするものであります。
議案第97号「令和6年度甲斐市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、7千157万5千円の追加補正をお願いするものであります。
議案第98号「令和6年度甲斐市介護保険特別会計補正予算(第2号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、1億1千208万5千円の追加補正をお願いするものであります。
議案第99号「令和6年度甲斐市下水道事業会計補正予算(第2号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に、支出514万4千円の追加補正、資本的収入及び支出の既決予定額の総額に、収入2千200万円の追加補正をお願いするものであります。
議案第100号「甲斐市消防団消防ポンプ自動車購入売買契約締結の件」につきましては、「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例」第3条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
議案第101号及び第102号「指定管理者の指定の件」につきましては、「地方自治法」第244条の2第6項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
議案第103号「市道路線認定の件」につきましては、新たに53本の市道路線を認定するため、「道路法」第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
議案第104号「篠原地区公園子ども体験学習施設及び多目的棟・南トイレ棟建設工事請負契約締結の件」並びに、議案第105号「篠原地区公園整備事業(2工区)請負契約締結の件」につきましては、それぞれ「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例」第2条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
議案第106号「不動産購入の件」につきましては、「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例」第3条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
以上、提出議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議のうえ、原案のとおり、議決くださいますようお願い申し上げます。
令和6年12月10日
甲斐市長 保 坂 武
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更新日:2025年03月28日