令和6年8月定例市議会
令和6年8月定例市議会市長説明要旨
本日ここに、8 月定例市議会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、御多忙のところ御応招いただき、誠にありがとうございます。
今年は、連日猛暑日が続くなど、かつてない記録的な暑い夏となっております。
皆様方には、体調管理に十分ご留意され、今定例会が、より有意義なものとなりますようご協力をお願い申し上げる次第であります。
はじめに、8月7日夜の集中豪雨につきましては、市北部付近で、1時間あたり約100ミリの猛烈な雨が降り、気象庁から「記録的短時間大雨情報」が発出されました。
激しい音を立て勢いよく降る雨と鳴りやまない雷にこれまで感じたことのない恐怖を味わった方も多かったのではないかと推察いたします。
この雨の影響により、敷島地区、双葉地区を中心に、道路の破損や土砂の流入、河川護岸の破損などのインフラ被害があったほか、一般家屋における床上浸水や電気設備の故障等、多数の被災報告を確認しているところであります。
私も豪雨の翌日、いくつかの現場を視察いたしましたが、改めて災害の脅威を強く認識するとともに、全庁を挙げて対応に取り組むよう指示を出したところであります。
被災された市民の皆様に対しまして、心からお見舞い申し上げるとともに、復旧工事を迅速に進めていただいております工事関係者の皆様や、昼夜問わず対応にあたった市職員にも感謝申し上げます。
貢川の勧進橋周辺等、河川護岸の修復が必要な個所につきましては、所管であります山梨県とも連携しながら、速やかに復旧作業を進めるとともに、引き続き市内全域における被災対応に全力を尽くして参ります。
次に、同じく災害の話となりますが、豪雨の翌日、8月8日に宮崎県の日向灘を震源地とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宮崎県南部で最大震度6弱を観測いたしました。
この地震の発生に伴い気象庁は、「南海トラフ地震臨時情報」として「巨大地震注意」を史上初めて発表し、防災対策の推進地域に指定されている本市を含む29都府県の707市町村に、「地震への備えを改めて確認してほしい」と異例の呼びかけを行ったところであります。
この臨時情報につきましては、発表から1週間経過したところで解除されておりますが、南海トラフ巨大地震につきましては、今後30年以内に70%から80%の確率で発生するのではないかという政府の「地震調査委員会」の予想もあることから、今回の地震をきっかけとして、改めて市民に対し地震への警戒と日頃からの備えを呼びかけて参りたいと考えております。
本市では、この南海トラフ巨大地震に関し、より深く学んでいただくため、9月1日の市制施行20周年記念式典後の記念講演として、地震工学の専門家であり、南海トラフ巨大地震に関する著書も発表している「名古屋大学名誉教授」で、「あいち・なごや強靭化共創センター長」の福和伸夫先生による講演会を予定しております。
この講演会を機会として、ご参加の皆様には、防災の重要性を再確認していただくとともに、本市におきましても最新の情報を今後の防災対策や地震対策に活かして参りたいと考えております。
次に、先ほどの話でも少し触れましたが来る9月1日、甲斐市は市制施行20周年を迎えます。
本市が着実に発展して参りましたのも、歴代市議会議員の皆様を始め、関係各機関の皆様、そして何より市民の皆様方のご理解ご協力の賜物であり、改めて感謝申し上げます。
さて、私事となり恐縮でありますが、私が甲斐市長に就任し、市政を預かる身となってから、もうすぐ16年が経過しようとしております。
私はこれまで、「誠実な人となれ」を政治家としての信条に、長年にわたり培ってきた政治経験と能力の全てを注ぎ、甲斐市発展のため、創意工夫を重ねながら粉骨砕身の思いで市政運営にまい進して参りました。
今この場所に立ち、意気揚々と甲斐市の明るい未来を皆様にお話しすることができますのも、「良いまちをつくりたい」という共通の想いを抱く議員各位をはじめ、市民の皆様の長年にわたるご支援とご理解ご協力の賜物であると改めて感謝申し上げます。
この数年間を振り返りますと、令和2年初頭から3年半近くに及んだコロナ禍では、社会全体に不安と閉塞感が漂う中、感染症対策として、「安心・甲斐市民支援事業」に集中的に取り組み、市民の暮らしを支えて参りました。
また、コロナ禍における生活スタイルの変化に伴い、課題が浮き彫りとなったデジタル化への取組につきましては、「スマート甲斐プロモーション」に基づき、ICT技術を活用した施策を各分野において導入し、市役所庁内業務の改善や「地域DX」の促進を図るとともに、AIオンデマンド交通の実証運行など、市民の皆様の利便性の追求に努めて参りました。
脱炭素社会推進への取り組みにつきましては、昨年4月、本市が国から脱炭素先行地域に選定され、全国の重点モデル地域となりました。
現在、2030年度の目標及び2050年カーボンニュートラルの実現に向けた事業推進に動き出したところであります。
山梨県緑化センター跡地の活用につきましては、都市公園及び子育て支援拠点施設として、子育てや学びの場となる複合的な機能を有する施設を核に、防災面にも配慮した公園となるよう令和8年度の開園に向け、取り組んできたところであります。
現在、県内の多くの自治体において人口減少が続いておりますが、本市の人口は微増傾向にあり、民間で調査を行っている「まちの魅力度」でも本市は上位に位置しております。
これまで取り組んできた様々な政策がこうした結果にも繋がっているものと感じているところであります。
市制20周年を迎える本年度は、総合的なまちづくりの方針である「第3次甲斐市総合計画」、デジタルの実装を通じて全国どこでも誰でも快適に暮らせる社会を目指す「甲斐市デジタル田園都市国家構想総合戦略」、また、「甲斐市で育ち、甲斐市を育てる人づくり」を基本理念とし、本市の目指す教育のあり方を示した「第3次創甲斐教育推進大綱」など、本市の進むべき道を示す3つの主要な計画を策定いたします。
少子高齢化に伴う人口減少社会の中でも、本市がますます発展し続けていくことができますよう、多くの皆様からのご意見を取り入れながら取り組んで参りますので、ご協力をお願い申し上げます。
それでは、今定例市議会に提出致しました、30議案につきまして、概要を御説明申し上げます。
はじめに、報告議案について、であります。
報告第8号「和解及び損害賠償額の決定の件」につきましては、施設管理瑕疵による衣服破損事故に係る和解及び損害賠償の額について、「地方自治法」第180条第1項の規定により、専決処分したので、同条第2項の規定により報告するものであります。
報告第9号「令和5年度甲斐市 財政健全化判断比率及び、資金不足比率の報告の件」につきましては、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」の規定により、監査委員の意見を付けて報告するものであります。
次に、一般議案であります。
議案第72号「山梨県 後期高齢者医療 広域連合規約の変更に関する協議の件」につきましては、「地方自治法」第291条の11の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
議案第73号「第3次 甲斐市総合計画 基本構想の策定の件」につきましては、「甲斐市まちづくり基本条例」第15条第1項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
議案第74号「甲斐市税条例の一部改正の件」につきましては、「地方税法等の一部を改正する法律」、「公益信託に関する法律」の公布及び「私立学校法の一部を改正する法律」の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。
議案第75号「令和6年度 甲斐市 一般会計補正予算 第3号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、840万3千円の追加補正をお願いするものであります。
歳入につきましては、「国庫支出金」の減額、「県支出金」、「寄附金」、「市債」の増額であります。歳出につきましては、「職員費」の減額、「市民相談費」、「民間保育所整備事業」、「特別保育事業」、「脱炭素推進事業」、「財政調整基金積立」等の増額であります。
繰越明許費につきましては、「消防施設整備費」2千372万8千円の追加補正、地方債につきましては、「合併特例事業」170万円の追加補正を行うものであります。
議案第76号「令和6年度 甲斐市 国民健康保険特別会計 補正予算 第2号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から、歳入歳出それぞれ、543万9千円の減額補正をお願いするものであります。
議案第77号「令和6年度 甲斐市 後期高齢者医療特別会計補正予算 第1号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から、歳入歳出それぞれ、230万3千円の減額補正をお願いするものであります。
議案第78号「令和6年度 甲斐市 介護保険特別会計 補正予算 第1号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、1千455万4千円の追加補正をお願いするものであります。
議案第79号「令和6年度 甲斐市 介護サービス特別会計 補正予算 第1号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、1万円の追加補正をお願いするものであります。
議案第80号「令和6年度 甲斐市 地域し尿処理施設特別会計 補正予算 第1号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ、5千円の追加補正をお願いするものであります。
議案第81号「令和6年度 甲斐市 水道事業会計補正予算 第1号」につきましては、「収益的収入及び支出」の既決予定額の総額から、収入は11万8千円の減額、支出は12万5千円の増額、「資本的収入及び支出」の既決予定額の総額に支出1千200万円の増額、「債務負担行為」の追加補正については、「片瀬増圧ポンプ場 電気設備工事」が448万6千円の増額、「片瀬増圧ポンプ場 機械設備工事」が1千348万1千円の増額、また、「議会の議決を経なければ流用することのできない経費」の既決予定額の総額に25万円の増額、「他会計からの補助金」の既決予定額の総額から、11万8千円の減額をお願いするものであります。
議案第82号「令和6年度 甲斐市 簡易水道事業会計 補正予算 第1号」につきましては、「収益的収入及び 支出」の既決予定額の総額に対し、収入支出それぞれ31万円の増額、「議会の議決を経なければ、流用することのできない経費」の既決予定額の総額に、19万円の増額、「他会計からの補助金」の既決予定額の総額に、31万円の増額をお願いするものであります。
議案第83号「令和6年度 甲斐市 下水道事業会計補正予算 第1号」につきましては、「収益的収入及び 支出」の既決予定額の総額から、収入は290万7千円の減額、支出は49万3千円の増額、「資本的収入及び支出」の既決予定額の総額に、収入支出それぞれ7万1千円の増額、「議会の議決を経なければ、流用することのできない経費」の、既決予定額の総額に、56万4千円の増額、「他会計からの補助金」の既決予定額の総額に、536万4千円の増額をお願いするものであります。
議案第84号「令和6年度 甲斐市 戸別合併処理浄化槽事業会計 補正予算 第1号」につきましては、「収益的収入及び 支出」の既決予定額の総額に、収入支出それぞれ7千円の増額、「議会の議決を経なければ、流用することのできない経費」の、既決予定額の総額に、7千円の増額、「他会計からの補助金」の既決予定額の総額に、7千円の増額をお願いするものであります。
議案第85号「篠原地区公園整備工事(1工区)請負契約締結の件」につきましては、「議会の議決に付すべき契約及び 財産の取得又は処分の範囲を定める条例」第2条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
議案第86号「双葉西小学校 校舎長寿命化改修工事(2工区)(明許)請負契約締結の件」につきましては、「議会の議決に付すべき契約及び 財産の取得又は処分の範囲を定める条例」第2条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
議案第87号「市道路線認定の件」につきましては、新たに7本の市道路線を認定するため、「道路法」第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。
次に、認定第1号から認定第12号までにつきましては、令和5年度における、各会計の決算認定の件であります。
続きまして、一般会計における令和5年度実施の主な事業について、概要を申し上げます。
はじめに、歳入につきましては、「個人住民税の増」に伴う市税の増額や、「地方交付税」の増額などにより、前年度と比較し、歳入全体としては増額となりました。
次に歳出でありますが、保育サービスの向上につきましては、公立保育園5園において「使用済み紙おむつの自園処理」を開始するとともに、民間事業者に対し「保管用ごみ箱の購入等の補助」を行うことで、保護者及び保育士の負担軽減を図ってきたところであります。
旧山梨県緑化センター跡地の活用につきましては(仮称)篠原地区公園の整備基本コンセプトである「次世代へつなぐ創造の森」の実現を目指し、市民から寄せられたアイデアも活かした中で実施設計を行いました。
ゼロカーボンシティの実現に向けた取組につきましては、県内で初めて選定された「脱炭素先行地域」に関する事業推進と併せ、「ゼロカーボンモデル事業 取組拠点エリアビジョン」及び「地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を策定したところであります。
DXの推進につきましては、新たなデジタル技術に親しむ「KAIデジタルトライアル事業」及びデジタルを介した新しいコミュニケーション手段の普及促進と学習意欲の向上を目指した「KAIメタバーススクール事業」を実施いたしました。
スマート甲斐プロモーション事業につきましては、市役所業務における文書管理業務のデジタル化など、事務の効率化に努めるとともに、統合型GIS「デジマップ甲斐」の一般公開や「書かない窓口」の導入、また、「オンライン申請手続き」や「市税等のキャッシュレス決済」の拡大に取り組んだところであります。
公共交通の空白地帯の解消や交通弱者の移動手段の確保を目的とした甲斐市民バス運行事業につきましては、利用者の更なる利便性向上を目指し「AIオンデマンド交通の実証運行」及び「自動運転実証運行」を実施いたしました。
次に、学校教育の環境整備につきましては、「長寿命化改修工事」や「内部改善環境工事」など、各学校施設の現状を見極めながら、財政負担の縮減や平準化を図り、効率的かつ適切な整備を進めてきたところであります。
また、甲斐市 国民健康保険 特別会計をはじめとする8つの特別会計、甲斐市水道事業会計の他、公営企業会計であります甲斐市簡易水道事業会計、甲斐市下水道事業会計につきましても、一般会計同様に住み良い快適なまちづくりを目指し、複雑多様化する地域の諸課題に取り組んで参ったところであります。
以上、提出議案について、ご説明申し上げましたが、本日提出いたしました議案につきましては、何卒、慎重審議の上、原案のとおり、議決くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和6年8月20日
甲斐市長 保坂 武
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山梨県甲斐市篠原2610
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更新日:2024年09月05日