令和4年2月定例市議会

令和4年2月定例市議会市長説明要旨

 

 

   本日ここに、令和4年甲斐市議会第1回定例会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、公私ともにご多忙のところご応招いただき、誠にありがとうございます。

   今定例会に提出いたしました、令和4年度一般会計当初予算、特別会計当初予算、公営企業会計当初予算をはじめ、令和3年度補正予算、条例議案等の案件につきまして、その概要をご説明申し上げますとともに、所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

   はじめに、年明け以降、猛烈な勢いで全国的に感染拡大が続いている新型コロナウイルスにつきましては、本市におきましても、連日多くの方の感染が報告されております。

   まずは、感染された皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、コロナ対応にあたる医療従事者の皆様をはじめ、感染対策にご協力いただいております市民の皆様に対し、心より感謝申し上げます。

   本市では、この感染拡大を食い止め、皆様の暮らしを守っていくため、引き続き希望される方全員に対する3回目のワクチン接種を進めていくとともに、3月以降に開始予定である5歳から11歳以下の子どもへの接種につきましても、安全面に最大限の配慮をしながら取り組んで参ります。

   また、第6波とされる今回の感染拡大では、本市の社会経済活動にも大きな影響が及んでいることから、感染予防対策と併せ、国からの交付金等も活用しながら、より効果的な経済対策を速やかに講じて参ります。

   一方、本年1月に発表された内閣府の「月例経済報告」によりますと、「景気は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きがみられる」と、比較的明るい先行きが示されております。

 

   岸田文雄内閣総理大臣は、第208回通常国会における施政方針演説において、「コロナ後の新しい日本を創り上げていこう」と、持続可能な経済社会の実現に向けた変革を呼びかけ、成長と分配の好循環による「新しい資本主義」の実現を目指していくことを宣言いたしました。

   この「新しい資本主義」実現のための成長戦略に掲げられた「デジタルを活用した地方の活性化」、「気候変動問題への対応」につきましては、本市においても「甲斐市スマート化推進方針 スマート甲斐プロモーション」の推進や、「ゼロ・カーボンシティ」の実現に向けた取組として、ビヨンドコロナの時代を見据えながら現在重点的に進めているところでありますので、引き続き国や県との連携を図りながら、全力で取り組んで参ります。

   また、本市ではビヨンドコロナを見据えた新たな取組として、企業誘致につきましても強化を図って参ります。

   昨年、中部横断自動車道の山梨静岡間が全線開通いたしましたが、これにより、双葉スマートインターチェンジを有する本市は、首都圏、中部圏、東海圏の交通の結節点となりました。

   本市では、この恵まれた地勢条件を最大限活用し、雇用の拡大や地域経済の活性化を図っていくため、令和4年度の組織機構の見直しにより、商工観光課商工労働係を商工労働・企業誘致係に改編いたします。

   今後、同係において候補地の調整や企業の誘致活動に積極的に取り組み、「活力あふれるまちづくり」の推進を図って参ります。

   次に、山梨県緑化センター跡地を活用した(仮称)篠原地区公園の整備につきましては、お寄せいただいた1680通、4250件の活用アイデアをもとに、市民参加による公園づくりを進め、これまで「こども」「大人」による市民ワークショップを開催し、整備基本計画の策定を進めて参りました。

   これらを踏まえ、緑化センター跡地の既存の樹木や緑を生かしながら、自然の中での遊びを通して学び、子どもたちの社会性と創造性を高め、「生きる力」や「郷土愛」を育むプレーパークとして、公園の基本コンセプトを「次世代へつなぐ創造の森」といたしました。

   この公園は、可能な限り市民の皆様のアイデアを採り入れ、遊具や芝生広場などを配置するとともに、子育てや学びなど、甲斐市版ネウボラ推進プロジェクトの拠点となる複合的施設を核に、防災面にも配慮し、誰一人取り残さない共生社会の実現に向けた、誰からも愛される公園を目指し整備を進めて参ります。

   引き続き、市民の皆様をはじめ、市議会議員の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 

   さて、本市におきましては、令和2年度から第2次甲斐市総合計画の後期基本計画に基づいた取組がスタートしております。

   本市の将来像として掲げる「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現を目指し、長期的視野に立ち将来を見据えた中で、市民の皆様が笑顔と元気で暮らせるまちづくりを進めて参ります。

   今後も本計画に基づき、施策の展開と検証を着実に行いつつ、更なる市政発展のため尽力して参りますので、ご理解、ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

   それでは令和4年度当初予算の概要をご説明申し上げます。

   令和4年度の予算編成にあたりましては、政策課題の着実な推進と健全財政の堅持を基本に「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現に向け、施策の選択と集中を図ったところであります。

   また、私が4期目の公約として掲げた5本の柱である「コロナに負けない住みやすいまちづくり」「水害に強いまちづくり」「すくすく育つ子育てしやすいまちづくり」「健やかに高齢者が安心できるまちづくり」「スマート甲斐市、新しいKAIスタイル、次世代につなぐまちづくり」の実現を目指し、予算等に反映いたしたところであります。

   併せまして、本定例市議会において、組織機構の再編に係る条例改正について上程させていただきますが、令和4年度から新たな組織・体制のもと、より効率的な行政運営を図り、多様化する行政需要に対応すべく、事務の執行に努めてまいりたいと考えております。

   予算総額は、一般会計278億1700万円、特別会計128億6112万6000円、水道事業会計12億9664万円、簡易水道事業会計1億7312万6000円、下水道事業会計32億6225万5000円、合わせた総額454億1014万7000円となっております。

 

   まず、一般会計の歳入予算であります。

   市税全体といたしましては、対前年比2.9%の増、2億5250万9000円の増額を見込んでおります。

   市民税につきましては、コロナ禍の影響を危惧しておりましたが、令和3年度の決算見込みを参考に増額、固定資産税につきましては、3年に1度の評価替えの中間年度となり、新築・増築家屋の増加分を見込み、増額、軽自動車税につきましては、近年の登録状況に鑑み、増額を見込んでいるところであります。

   地方譲与税、法人事業税交付金及び地方消費税交付金につきましては、国の地方財政計画及び実績を踏まえ、増額を見込んでおります。

   地方交付税につきましては、令和2年の国勢調査の結果に基づく人口増加や実績を踏まえ、増額を見込んでおります。

   また、各種事業の実施計画等に鑑み、国庫支出金は減額、県支出金は増額を見込んでおります。

   市債につきましては、今後もまちづくりの財源として、発行額を抑制しつつ、有効活用を図って参る所存であります。

 

   続きまして、歳出予算の主なものにつきましては、第2次甲斐市総合計画の後期基本計画の基本目標に沿ってご説明申し上げます。

   まず「まちづくりは人づくり生涯にわたる学びのまち」についての施策であります。

   学校教育の環境整備につきましては、学校施設の現状を見極め、選択と集中により順次行っていくとともに、甲斐市立学校施設長寿命化計画に基づき、財政負担の縮減や平準化を図りながら、より効率的かつ適切に進めて参ります。

   また、児童生徒に対しきめ細かい学習支援を行うとともに、教職員の負担軽減を図ることを目的として、各小中学校に学力向上支援スタッフを配置いたします。

   生涯学習関係では、本市の貴重な文化財を次世代へ確実に継承していくとともに、保存と活用を総合的に進めるため、「甲斐市文化財保存活用地域計画」について文化庁への認定申請を行い、歴史文化を生かしたまちづくりの一層の促進を図って参ります。

   また、経年劣化により将来的に閲覧が困難になる恐れがある旧町時代に発行した町村誌の電子化に取り組んで参ります。

   図書館関係では、家庭での絵本の読み聞かせを通じ、幼い頃から本に親しむ環境を作ることを目的としたブックスタート事業において、新たに2歳児健診の際にセカンドブックの配布を行って参ります。

   また、「甲斐・本の寺子屋」事業をはじめとする各種事業を実施し、魅力ある図書館づくりを目指して参ります。

   スポーツ活動の推進につきましては、生涯スポーツの振興を目的として実施する各種スポーツ教室やイベントなどにより、スポーツへの参加機会の拡充に努めるとともに、本年度はコロナ禍により中止といたしました「KAI SPORTS DAY」を実施するなど、スポーツを通じた健康で明るいまちづくりに取り組んで参ります。

   GIGAスクール構想の実現に向けては、Wi-Fiアクセスポイントの増設や、プログラミング教材の購入を行うなど、引き続き甲斐市ICT教育推進委員会と連携しながら環境整備を進めて参ります。

  教育施策の中心となる「創甲斐教育」につきましては、「第2次創甲斐教育推進大綱」に基づき、本市の更なる教育振興のため、目標として掲げている「国語力の向上」、「自己表現力の向上」、「体力の向上」の達成に向け、家庭、地域、学校及び関係機関と緊密に連携し、各施策に着実に取り組んで参ります。

   次に「健やかで心ふれあう安心に暮らせるまち」についての施策であります。

   福祉に関する施策につきましては、令和4年度を計画始期とする「第3次甲斐市地域福祉計画」に基づき、本市に暮らす全ての人が、支援の「支え手」「受け手」という関係を超えて繋がり、支え合いと助け合いの輪を広げることで、誰もが心豊かに暮らせるまちを目指して参ります。

   障がい者福祉につきましては、「甲斐市第6期障がい福祉計画・第2期障がい児福祉計画」に基づき、成果目標及びサービス等の見込量達成に向け、障がい福祉事業の推進を図るとともに、地域福祉の向上に努めて参ります。

   自殺防止対策につきましては、コロナ禍に伴い全国的に自殺者が増加傾向にあることから、「甲斐市自殺防止対策計画」に則り、国や県、関係機関との連携を強化するとともに、失業等により生活に困窮した方に対する包括的な支援に取り組んで参ります。

   高齢者福祉につきましては、令和3年度を計画始期とする「第9次高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画」に基づき、団塊の世代が75歳以上となる2025年、また、1.5人の現役世代が1人の高齢世代を支える2040年を見据えた中で、地域の支え合い体制づくりのための「通いの場」の設立や、「生活支援」への助成を実施して参ります。

   また、元気な高齢者を増やす施策の展開を図るとともに、認知症及びフレイル予防の啓発推進と支援の充実を図り、住まい・医療・介護・介護予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築に、引き続き取り組んで参ります。

   介護給付費につきましては、高齢化が一層進む中で、今後も増加傾向で推移していくことが見込まれますので、介護サービスの適切かつ効果的な提供を図り、介護保険制度の適正運営の推進に努めて参ります。

   次に、子育て支援についてであります。

   こども医療費助成事業につきましては、令和4年4月から、助成対象の拡大及び助成方法の変更を行い、高校生世代までを対象に入院、通院ともに窓口無料とし、コロナ禍による子育て世帯への経済的負担の軽減を図って参ります。

   子どもを安心して産み育てる環境づくりにつきましては、延長保育、病児・病後児保育などの保育サービスの提供と併せ、ファミリー・サポート・センター事業、子育て広場及び子育て教室など、ハード、ソフト両面の充実に努めるとともに、子どもの貧困問題にも取り組んで参ります。

   また、児童虐待や子育ての相談業務につきましては、「家庭児童相談室」を「子ども家庭総合支援拠点」に改め、相談体制の強化を図って参ります。

   公立保育園業務のICT化につきましては、園児の登園管理や保護者への連絡など、保育業務の効率化を図るためのシステムを導入して参ります。

   これにより、保護者との緊密な情報共有による信頼関係の向上を目指すとともに、保育士の負担軽減による保育の質の向上や、労働環境の改善に伴う保育士不足の解消にも繋げて参ります。

   また、保育園の入所選考につきましても、事務作業の効率化を図るため、AIやRPA等の活用を進めて参ります。

   第2期甲斐市まち・ひと・しごと創生総合戦略の施策の一つである「甲斐市版ネウボラ推進事業」につきましては、甲斐市子育て世代包括支援センターを中心に、女性が住みやすく、安心して子育てができるよう、きめ細かく切れ目のない子育て支援の充実を図って参ります。

   保健事業につきましては、生活習慣病の予防対策及び、疾病の早期発見・早期治療のため、総合健診及び人間ドックの充実を図って参ります。

   また、市民の健康意識の向上と健康づくりを応援する事業として取り組んでおります健康ポイント事業につきましては、引き続き多くの市民の皆様に参加していただけるよう努めて参ります。

   予防接種事業につきましては、各種定期予防接種の実施と併せ、風しんに関する追加的対策として、男性に対する抗体検査及び予防接種を引き続き実施いたします。

   また、子宮頸がんワクチンの接種につきましては、積極的な勧奨を中止したために接種を受けられなかった人に対する救済措置として、無料接種を実施いたします。

   その他、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計及び介護サービス特別会計への繰出金として、それぞれ所要の経費を計上し、安心して生活できる保険事業・保健福祉サービスを推進して参ります。

   次に「美しい景観と快適で安全な都市機能を築くまち」についての施策であります。

   甲斐市都市計画マスタープランにつきましては、社会情勢の変化への対応や、新たに作成された関連計画との整合性を図る中で、集約型都市構造の形成や脱炭素型都市を実現する内容を加え、本年度改定を行ったところであります。

   今後も長期的な視点に立って本市の将来像を見据えながら、豊かな自然環境と利便性の高い都市機能を有する持続可能な都市の形成を目指し、取り組んで参ります。

   市内の緑化推進につきましては、潤いのある水と緑に囲まれたまちづくりのため、市民・企業・行政の連携を図りつつ、啓発活動、花壇等の維持管理、生垣設置等の補助を継続いたします。

   河川改修事業につきましては、これまで大雨により浸水被害が発生する水路の雨水対策調査を実施し、水路の新設や断面拡幅等を実施して参りましたが、国土強靭化地域計画に盛り込んだ雨水関連施策に係る補助金の確保等を検討し、引き続き対策を強化して参ります。

   道路整備につきましては、幹線道路の整備をはじめ、市道の改良及び維持管理などを行って参ります。

   なお、市道及び水路等の整備につきましては、甲斐市議会決算審査特別委員会から要望をいただき、本年度と同様に予算を増額しておりますので、安全性・利便性の向上を目指しながら引き続き整備を進めて参ります。

   橋梁の長寿命化につきましては、長寿命化修繕計画に基づき、引き続き維持補修などに計画的に取り組んで参ります。

   その他、市営住宅管理事業、木造住宅耐震化支援事業、空家等対策補助事業につきましても、取組を進めて参ります。

   次に、上水道・下水道の整備についてであります。

   上水道事業につきましては、甲斐市第2次水道ビジョンに基づき、基幹管路の耐震化などに計画的に取り組み、引き続き災害に強い、安全で安心な水の供給に努めるとともに、より適切な財政運営、効果的な施設整備を目指して参ります。

   簡易水道事業につきましては、昨年度から公営企業会計に移行しておりますが、経営の更なる健全化を目指しつつ、対象地域に対しては、引き続き安全・安心かつ安定した水道水の供給を行って参ります。

   また、下水道事業につきましても、簡易水道事業と同様に公営企業会計に移行しておりますが、本年度策定している下水道事業経営戦略に基づき、経営の更なる健全化を目指すとともに、住民ニーズへの適切な対応とサービスの向上を図って参ります。

   次に、消防・防災の充実についてであります。

   常備消防費では、消防及び救急業務等の運営費として、甲府地区広域行政事務組合及び峡北広域行政事務組合への負担金を計上しております。

   災害対策整備事業におきましては、甲斐市地域防災計画の改定を行い、非常用食料等の備蓄量見直しなど、安全・安心のための施策に、引き続き計画的に取り組んで参ります。

   また、災害対応力の一層の向上を目指し、本年度、国土強靱化基本法に基づく国土強靱化地域計画の策定、甲斐市洪水ハザードマップの改定及び広域避難計画の策定を行っておりますので、市民の皆様がいざという時に、落ち着いて命を守る行動が取れるよう、積極的な周知を図って参ります。

   消防団関係につきましては、消防団車両の更新計画に基づき、可搬消防ポンプ積載車等の購入を行うなど、適切な車両管理に努めるとともに、引き続き消防装備の充実・強化、消防の拠点となる施設の整備を進めて参ります。

   次に、防犯・交通安全の推進についてであります。

   防犯対策につきましては、犯罪を抑止するため、引き続き防犯灯の設置や青色防犯パトロールカーによる巡視の実施などに努めて参ります。

   交通安全対策につきましては、カーブミラーなど交通安全施設の整備を図って参ります。

   また、市内の交通安全各種団体を支援するとともに、警察など関係機関と連携し、交通事故の無い、安全な環境づくりを推進して参ります。

   次に「自然と生活が調和した環境を築くまち」についての施策であります。

   環境への取組につきましては、本年4月を計画始期とする「第2次甲斐市環境基本計画」に基づき、地域の特性を生かしたバイオマスの活用や木質バイオマス発電施設の稼働など、各種施策を計画的に推進するとともに、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを達成する、ゼロ・カーボンシティの実現及び環境にやさしいグリーン社会の実現に向け取り組んで参ります。

   また、全国屈指の脱炭素社会先進地となることを目指し、来年度新たに脱炭素社会推進室、エネルギー政策係を新設いたします。

   次に、資源の循環利用や地球温暖化防止への意識向上のための環境教育や啓発活動につきましては、環境副読本の作成、環境講座や親子環境ツアーの実施などにより、リサイクルや生ごみの削減など、環境問題に対する意識の醸成を図って参ります。

   新たなごみ処理施設の整備につきましては、本市を含む5市6町で構成する山梨西部広域環境組合において、現在、令和13年度からの本格稼働を目指し、環境影響調査等を進めているところでありますが、円滑に事務が進められますよう、引き続き構成市町との連携を図って参ります。

   甲斐市バイオマス産業都市構想に位置付けております、木質バイオマス発電事業につきましては、昨年7月に発電事業者と協定締結を行い、造成工事を開始しておりますが、令和4年度より事業者による発電設備の工事が開始されることとなっております。

   また、同じく構想の一つである、発電所の排熱を活用した公共施設等への熱供給事業につきましても、事業者と調整を行いながら、引き続き推進して参ります。

   次に「交流と協働による未来を拓く活力のあふれるまち」についての施策であります。

   本市の情報通信技術を活用したデジタル化の推進につきましては、令和3年4月にスマートプロジェクト推進課を新設し、SMART甲斐プロモーションに基づいてスマート化の取組を計画的に推進しております。

   窓口申請のデジタル化をはじめとする行政手続きのオンライン化及びAIやRPAの活用や、行政地図台帳等のデジタル化など、業務のスマート化はウィズコロナ、アフターコロナ時代の到来に向け必要不可欠であり、また、市民サービスの一層の向上を目指す上で、非常に重要な取組でありますので、引き続き甲斐市スマートプロジェクト推進本部等で協議を重ね、国との連携も図りながら着実に進めて参ります。

   健康保険証など、多目的利活用が進むマイナンバーカードの普及促進につきましては、市民戸籍課にマイナンバーカード係を新設し、積極的な普及に注力して参ります。

   本年度実施した庁舎及びラザウォーク甲斐双葉での申請サポートを継続するとともに、マイナンバーカードを図書館利用カードとして使用した中学3年生を対象にした「甲斐っ子卒業プレゼント事業」などに取り組んで参ります。

   男女共同参画事業の推進につきましては、「第4次甲斐ヒューマンプラン」に基づき、男女が互いに個性や能力を認め合い発揮し合いながら、様々な分野で活躍できる男女共同参画社会の実現を目指し、各種施策を展開して参ります。

   地域の自治振興につきましては、地域集会施設整備に係る補助金などに加え、コロナ禍でも安心して自治会活動が行えるよう、新たに自治会事業応援補助金を計上し、自治会活動等の支援を進めて参ります。

   農業振興につきましては、農業従事者の高齢化や後継者不足等に伴う耕作放棄地の解消と、収益性を重視した魅力ある農業の確立を目指し、甲斐市農業活性化事業におきまして、引き続き「赤坂とまと」、本格芋焼酎「大弐」の原料となる「黄金千貫」の栽培を行って参ります。

   また、JA梨北ネギ部会が双葉地区で栽培している「甲斐のぎゅぎゅっとねぎ」につきましては、新たな特産品として認知度が向上するよう引き続き情報発信に努めて参ります。

   その他、県が進めております中山間地域総合整備事業及び楯無堰の長寿命化を図るための県営かんがい排水事業をはじめ、農道や用排水路など生産基盤の適切な維持管理について、県と連携を一層密にし取り組んで参ります。

   商工業の振興につきましては、甲斐市商工会をはじめとする関係機関との連携強化を図り、地域経済の担い手である中小企業・小規模企業への支援を通じて、地域の活性化や商工業の発展を目指すとともに、コロナ禍により影響を受けた事業者の支援につきましては、本年度と同様、国、県の動向を踏まえ、適切に対応して参ります。

   観光振興につきましては、市内の観光資源を巡り旬の魅力が楽しめる観光巡回バスの運行や、甲斐市ちいさな旅などを実施するとともに、桜の開花時期に家族で楽しめるイベントとして、甲斐市サクラまつりを開催いたします。

   また、山梨県、甲府市と一層の連携を図る中で、山梨の誇る御嶽昇仙峡の活性化を推進するとともに、御嶽古道の整備と魅力発信に努めて参ります。

   その他、おみゆきさん、大弐学問祭につきましても、本市の歴史、文化、伝統を伝える重要な行事でありますので、これまで同様に支援して参ります。

   国際交流の推進につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により影響を受けておりますが、キオカック市及びタラマラハイスクールとの交流事業の再開に向け準備を進めるとともに、甲斐国際交流協会の活動を引き続き支援して参ります。

   公共施設長寿命化計画による竜王庁舎の維持管理につきましては、建築基準法に基づく適合改修を進めるとともに、浸水の恐れがある電気設備等の移設について協議を行って参ります。

   次に、行政改革につきましては、令和3年度を計画始期とする「第4次行政改革大綱」に示された、新たな行政課題に対応する行政改革の取組方針に従いながら社会情勢の変化に的確に対応するため、引き続き推進して参ります。

   また、機構改革により新たにふるさと納税推進係を新設し、自主財源の積極的な確保に努めるとともに、地域ブランドを特典として活用した本市のPRを行って参ります。

   職員の人材育成につきましては、「第2次甲斐市人材育成基本方針」に基づき、人事評価制度の運用を通して、職員が自律的に地方分権、地方創生を担う人材へと成長することを促し、更なる住民サービスの向上に繋げて参りたいと考えております。

   これらの取組を継続いたしまして、常に市民の声に耳を傾け、より質の高い行政サービスの提供に努めて参りたいと考えております。

   以上、主な事業の概要を申し上げたところであります。

 

   続きまして、特別会計、企業会計の当初予算につきましてご説明申し上げます。

   国民健康保険特別会計予算につきましては、保険給付費、国民健康保険事業費納付金など、67億9788万9000円を計上しております。

   後期高齢者医療特別会計予算につきましては、後期高齢者医療広域連合納付金など、9億9220万7000円を計上しております。

   介護保険特別会計予算につきましては、保険給付費など、50億1499万円を計上しております。

   介護サービス特別会計予算につきましては、居宅介護支援事業費など、1579万3000円を計上しております。

   住宅新築資金等貸付事業特別会計予算につきましては、公債費などとして、93万円を計上しております。

   地域し尿処理施設特別会計予算につきましては、1057万円、農業集落排水事業特別会計予算につきましては、1039万9000円をそれぞれ計上しております。

   合併浄化槽事業特別会計予算につきましては、合併浄化槽設置工事費など、1834万8000円を計上しております。

   水道事業会計予算につきましては、収益的支出7億5870万8000円、資本的支出5億3793万2000円を計上しております。

   簡易水道事業会計予算につきましては、収益的支出9404万2000円、資本的支出7908万4000円を計上しております。

   下水道事業会計予算につきましては、収益的支出16億4455万円、資本的支出16億1770万5000円を計上しております。

   続きまして、令和3年度補正予算につきまして、ご説明申し上げます。

   一般会計補正予算(第10号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ10億8309万9000円の追加補正をお願いするものであります。

   歳入につきましては、地方譲与税、地方特例交付金、地方交付税、分担金及び負担金、国庫支出金、財産収入の増額と、使用料及び手数料、県支出金、繰入金、諸収入、市債の減額であります。

   次に歳出でありますが、主なものとしましては、衛生費、諸支出金の増額、総務費、民生費、商工費、土木費、教育費などの減額であります。

   繰越明許費といたしましては、子育て世帯臨時特別給付金支給事業など、23事業の追加、バイオマス産業都市推進事業の変更を行うものであります。

   地方債につきましては、防災・減災・国土強靭化緊急対策事業など、4事業の変更を行うものであります。

   次に、一般会計補正予算(第11号)につきましては、新型コロナウイルス地方創生臨時交付金を活用したプレミアム付商品券事業などの「安心甲斐・市民支援事業」の実施と、学校施設の整備に対する補助金の内示があったことに伴う補正であり、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ16億5475万2000円の追加補正をお願いするものであります。

   歳入につきましては、国庫支出金、繰入金、諸収入及び市債の増額であります。

歳出につきましては、主なものとしまして、総務費、民生費、商工費、教育費の増額であります。

   繰越明許費といたしましては、竜王庁舎維持管理事業など、23事業の追加及び中学校施設整備費の変更を行うものであります。

   地方債につきましては、学校施設整備事業の変更を行うものであります。

   続きまして、特別会計の補正予算につきまして、ご説明申し上げます。

   国民健康保険特別会計補正予算(第4号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から、歳入歳出それぞれ399万9000円の減額補正をお願いするものであります。

   後期高齢者医療特別会計補正予算(第4号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ1570万円の追加補正をお願いするものであります。

   介護保険特別会計補正予算(第4号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から、歳入歳出それぞれ6674万9000円の減額補正をお願いするものであります。

   介護サービス特別会計補正予算(第2号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ113万5000円の追加補正をお願いするものであります。

   住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算(第1号)につきましては、予算の総額は変更せず、財源更正をお願いするものであります。

   地域し尿処理施設特別会計補正予算(第3号)につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ5000円の追加補正をお願いするものであります。

   農業集落排水事業特別会計補正予算(第1号)につきましては、予算の総額は変更せず、財源更正をお願いするものであります。

   簡易水道事業会計補正予算(第3号)につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入121万9000円、支出56万7000円の減額補正、資本的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入40万5000円、支出102万9000円の減額補正をお願いするものであります。

   下水道事業会計補正予算(第4号)につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に、収入282万5000円、支出650万円の減額補正、資本的収入及び支出の既決予定額の総額に収入402万6000円の追加補正、支出274万5000円の減額補正をお願いするものであります。

 

   続きまして、「専決処分の報告の件」についてご説明申し上げます。

   「和解及び損害賠償額の決定の件」につきましては、甲斐市立竜王北中学校の授業参観で発生した事故に係る和解及び損害賠償の額について、地方自治法第180条第1項の規定により専決処分したので、同条第2項の規定により報告するものであります。

 

   続きまして、条例議案等につきまして、ご説明申し上げます。

   「甲斐市洪水ハザードマップ検討委員会設置条例の制定の件」、「甲斐市創甲斐教育推進大綱策定会議設置条例の制定の件」、「甲斐市学校給食運営委員会設置条例の制定の件」、「甲斐市保健福祉推進協議会設置条例の制定の件」、「甲斐市自殺防止対策協議会設置条例の制定の件」、「甲斐市地域包括支援センター運営協議会設置条例の制定の件」、「甲斐市老人ホーム入所判定委員会設置条例の制定の件」、「甲斐市在宅医療・介護連携推進協議会設置条例の制定の件」及び「甲斐市認知症地域支援ネットワーク推進会議設置条例の制定の件」につきましては、いずれも附属機関の設置について見直しを行い、要綱または規則により設置している各機関が、地方自治法第138条の4第3項に規定する附属機関に該当するため、必要な事項を定めるものであります。

   「甲斐市成年後見制度利用促進協議会設置条例の制定の件」につきましては、成年後見制度の利用の促進に関する法律第14条第2項の規定に基づき、甲斐市成年後見制度利用促進協議会の設置に必要な事項を定めるものであります。

   「甲斐市予防接種健康被害調査委員会設置条例の制定の件」及び「甲斐市農業振興地域整備推進協議会設置条例の制定の件」につきましては、附属機関の設置について見直しを行い、要綱により設置している各機関が、地方自治法第138条の4第3項に規定する附属機関に該当するため、必要な事項を定めるものであります。

   「甲斐市行政組織条例の一部改正の件」につきましては、甲斐市行政機構の見直しに伴い、所要の改正を行うものであります。

   「甲斐市個人情報保護条例の一部改正の件」につきましては、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴い、所要の改正を行うものであります。

   「甲斐市固定資産評価審査委員会条例等の一部改正の件」につきましては、行政手続における押印の見直しに伴い、所要の改正を行うものであります。

   「甲斐市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正の件」につきましては、人事院規則15の14の一部を改正する人事院規則が施行されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。

   「甲斐市国民健康保険税条例の一部改正の件」につきましては、新型コロナウイルス感染拡大が長期化する中、経済的負担の軽減を図る観点から、税率を引き下げるとともに、子育て世帯の未就学児の均等割保険税の5割を軽減するため、所要の改正を行うものであります。

   「甲斐市温泉施設事業運営検討委員会設置条例の一部改正の件」につきましては、温泉施設の新たな活用方策及び存廃等を検討するため、所要の改正を行うものであります。

   「市道路線認定の件」につきましては、新たに8本の市道路線を認定するため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

 

   以上、令和4年度の主要施策及び予算等に係る基本的な考え方、並びに令和3年度補正予算及び条例議案等につきましてご説明申し上げましたが、何卒、よろしくご審議の上、議決くださいますようお願い申し上げます。

 

 

令和4年2月24日

 

                                                                                                                             甲斐市長  保坂 武

更新日:2022年03月08日

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