平成29年9月定例市議会

 本日ここに、9月定例市議会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、ご多忙のところ、ご応招いただき、誠にありがとうございます。

 9月3日に実施いたしました甲斐市総合防災訓練には、議員各位をはじめ、市民のみなさんなど約1万5,000人の方々に参加していただいたところであり、改めて感謝申し上げます。
 指定避難所の一つである敷島南小学校では、避難対象自治会の自主防災組織、施設管理者、避難所開設担当職員等による指定避難所開設・運営訓練、陸上自衛隊による炊き出し訓練、山梨県防災安全センターによる起震車体験訓練、甲府西消防署による倒壊家屋からの救出訓練、NTT東日本による災害時有線電話使用訓練、また甲斐市消防団敷島分団による煙体験訓練などを行ったところであります。
災害時に、被害を最小限に抑えるには、日頃からの自助・共助による備えや訓練が重要でありますので、毎年開催されますこれらの訓練を機会として、地域での連携を更に深めていただきたいと思います。

 また、先月8月22日に、甲府市平瀬町の住民が、吉沢地域ふれあい館を短期間の避難所として共同利用が行える協定を締結したところであります。
市の境界を越えて住民が避難所を利用できるようにするのは、富士山噴火時の広域避難計画を除き、両市にとって初めてのことであります。
今後も気を緩めることなく、各地域住民の生命、財産を守るため、有事への対策や備えを、万全にして参りたいと考えております。

 6月定例市議会におきまして、北朝鮮の弾道ミサイルの対策についてお話をさせていただきましたが、その後もミサイルは発射されており、この緊迫した状況下におきまして、8月29日の早朝には、事前通告なしで北朝鮮の西岸から北東に向けて弾道ミサイルが発射され、北海道の上空を通過し、太平洋上に落下したところであります。
 また、9月3日には核実験を行うなど、これらの行為は、これまでにない深刻かつ重大な脅威であると感じたところであります。
この北朝鮮情勢につきましては、平和的で外交的な解決を切に望むところであります。
今後、ミサイルが発射され、日本に落下する可能性がある場合、甲斐市に全く影響がないとは言えませんので、市民のみなさんには、繰り返しになりますが、事前に内閣官房の国民保護ポータルサイトや甲斐市のホームページなどにおいて、行動等の内容の確認をしていただきたいと思います。

 さて、国におきましては、去る8月3日に第3次安倍第3次改造内閣が発足いたしました。
安倍首相は、経験豊富な閣僚を多く起用して、「結果本位の仕事人内閣」と名付けたところでありまして、政策の着実かつ迅速な実行を最重視した布陣との評価もあるところであります。
 政府が発表した8月の月例経済報告では、「景気は、緩やかな回復基調が続いている」との基調判断が示されたところであります。
 また、先行きにつきましては、「雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」とされております。
 こうした中、現在、国におきましては、平成30年度の予算編成に伴う各省庁からの概算要求が大枠固まったところであります。
地方創生の深化のための交付金をはじめ、各補助金・交付金の内容・規模につきましては、地方の意見・要望等を十分踏まえる形で編成がなされることを期待するとともに、今後の動向を注視して参ります。

 次に、先般の報道により既にお聞き及びのことと存じますが、山梨県は、第2次ごみ処理広域化計画において、Aブロックの旧中巨摩郡、峡南地域及び峡北地域にある3施設を2施設に集約し、広域化の推進を図って参りましたが、Aブロック内におけるごみ処理施設を新たに整備する1施設に集約し、平成43年4月までに共同してごみ処理を行う計画を公表したところであります。
 今後、構成市町の担当課長及び組合事務局長等で構成するAブロックごみ処理広域化推進検討委員会を設置し、事務局を中巨摩地区広域事務組合内に置かれまして、ごみ処理広域化の推進に関する具体的な事項について検討が行われて参りますので、広域化を推進して参る所存であります。

 次に長年、県はもとより市の環境緑化推進の中心的な役割を担ってきた山梨県緑化センターの跡地活用につきましては、地域から既存施設の機能や役割を残した中で存続の要望があったことなどを踏まえ、活用方法についてのアイデア募集を行い、市民のみなさんからご意見をいただいたところであります。
人口減少と地域経済縮小の克服と、まちの賑わいを創出するため、甲斐市まち・ひと・しごと創生総合戦略へ、地方創生に向けた戦略的な取組みとしての位置づけを行い、人がつながり、活力を生み出すまちづくりに向けた、市内外から人が集まる交流拠点として、地域の活性化に寄与することを目指しているところであります。
 また、施設の整備手法として、民間の資金やノウハウを活用した公民連携事業、いわゆるPPP・PFIの導入の可能性を検討しながら、基本計画の策定を行って参ります。
 今後、山梨県と用地取得に向けた協議を進めて参りますので、議会の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 はじめに、本年度の上半期における主な事業に対する取組み状況につきましてご説明申し上げます。

 塩崎駅周辺整備事業につきましては、駅南口で進めて参りました歩道上屋整備等の工事が9月に完了し、南口駅前広場に係る主な工事が完了いたします。また、市道新町山本線につきましては、平成30年3月末の完成に向け、アンダーガード排水ポンプ等の整備工事に着手いたします。

 次に、竜王中部公民館は、経年に伴う老朽化や耐震上の問題から平成28年度に取り壊しを行いました。取り壊し後、竜王中部公園を防災公園として位置づけを行い、公園整備に併設する体験学習施設の竜王中部公園セミナーハウスにつきましては、平成30年4月の供用開始を目指し、基礎工事を進めているところであります。

 「赤坂とまと」につきましては、先月、種の植え付けを行い、その後ハウスへの定植を終えたところであります。
今年は、今までの「フルティカ」「レッドアイコ」「イエローアイコ」「トマトベリー」「豊作祈願」に加え、試験的に「アンジェレ」という新しい品種も取り入れました。
順調に生育して、豊作となるよう願っているところであります。
 焼酎「大弐」につきましては、すべての在庫が7月末までに各販売店に卸されたところであり、商品は店頭販売分を残すのみとなりました。
この要因といたしましては、国の補助事業を活用した甲斐の本格芋焼酎大弐プロモーション映像による、戦略的な取組みとして、世界的ダンサーで俳優の田中泯さん出演によるCMをテレビ、ラジオなどで放送し、併せてポスターの作製や、予約に合わせた新聞広告などのPR展開を行った効果による店頭販売の伸びに加え、飲食店への販売が増えたことが要因と思われます。
ご購入いただいた方々や関係各位の皆さまには、感謝申し上げる次第であります。

 次に、学校施設整備につきましては、竜王地区、敷島地区の小中学校への空調設備工事に着手したところであります。夏休みの期間に、普通教室などの合計318教室に室内機の取付けが完了し、現在、室外機設置及び配管工事を行っており、年内中の完成を予定しているところであります。

 また、敷島小学校、竜王北小学校の大規模改修工事、玉幡中学校給食室改築工事につきましては、安全に十分配慮しながら、工事の施工を行って参ります。
「創甲斐教育」につきましては、「後期甲斐市創甲斐教育推進大綱」に基づき、時代に沿った適正な目標を掲げ、学校だけに留まらず、地域や関係機関と連携して、引き続き各事業に取り組んでおります。これまで同様、情報通信技術を活用したわかりやすい授業推進事業、英語ふれあい教室、中学生自学講座、昨年度からの甲斐っ子応援教室などの実施、そのほか、子どもふれあい教室事業、子ども水泳教室など、これら創甲斐教育推進の関連事業として、今年度は38の事業に取り組んでいるところであります。
 また、「他人の子もほめて叱る運動」につきましても、引き続き展開を図り、家庭・学校・地域社会が手をつなぎ、連携を深め、一体となり、次代を担う青少年の健全育成に取り組んで参ります。

 それでは、今定例市議会に提出いたしました23議案につきまして、概要をご説明申し上げます。

 はじめに、報告議案についてであります。

 報告第6号、「平成28年度甲斐市財政健全化判断比率及び資金不足比率の報告の件」につきましては、監査委員の意見を付けて報告するものであります。

 次に、一般議案であります。

 議案第52号、「甲斐市工場立地法に基づく緑地面積率等に係る準則を定める条例の制定の件」につきましては、工場立地法第4条の2第1項の規定に基づき、緑地面積率等に係る準則を定めるため、この条例を制定するものであります。

 議案第53号、「甲斐市介護保険条例の一部改正の件」につきましては、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律が公布され、介護保険法の一部改正が施行されたことに伴い、所要の改正を行うものであります。

 議案第54号、「平成29年度甲斐市一般会計補正予算(第3号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、2億3,728万9千円の追加補正をお願いするものであります。
歳入につきましては、国庫支出金、県支出金、繰入金などの増額が主なものとなっております。
歳出につきましては、敷島小学校大規模改修工事に要する経費、避難路沿道の不適格建築物について、除却に係る災害時避難路通行確保対策事業補助金の増額、しきしま幼稚園跡地の埋蔵文化財調査に係る経費などであります。

 議案第55号、「平成29年度甲斐市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ、275万円の減額補正をお願いするものであります。

 議案第56号、「平成29年度甲斐市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、168万5千円の追加補正をお願いするものであります。

 議案第57号、「平成29年度甲斐市介護保険特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、739万円の追加補正をお願いするものであります。

 議案第58号、「平成29年度甲斐市簡易水道事業特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、99万5千円の追加補正をお願いするものであります。

 議案第59号、「平成29年度甲斐市地域し尿処理施設特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額から歳入歳出それぞれ、224万7千円の減額補正をお願いするものであります。

 議案第60号、「平成29年度甲斐市下水道事業特別会計補正予算(第1号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ、225万1千円の追加補正をお願いするものであります。

 議案第61号、「平成29年度甲斐市水道事業会計補正予算(第2号)」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額に、収入170万7千円、支出300万8千円の追加補正をお願いするものであります。

 続きまして、認定議案についてであります。

 認定第1号から認定第12号までにつきましては、平成28年度における各会計の決算認定の件であります。

 一般会計の平成28年度実施の主な事業につきましては、まず、地方創生事業としまして、地方創生加速化交付金を活用した、焼酎「大弐」CM制作をはじめ、首都圏に向けた広告塔事業及び移住定住・魅力発信拠点運営委託業務などを実施したものであります。
 また、ふるさと応援寄付金事業につきましては、民間のウェブサイトの活用や、様々な返礼品の特典を用意した成果といたしまして、前年度を7,992万5,600円上回る、1億4,534万6,002円の寄付があったところであります。

 行政改革推進事業につきましては、公共施設等の老朽化の進行、人口減少に伴う税収の伸び悩みや、社会福祉関連経費の増大などを背景に、公共施設等を取り巻く現状や将来にわたる課題等を客観的に整理し、長期的な視点を持って、公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進を目的とし、公共施設等総合管理計画を策定いたしました。

 母子保健事業につきましては、女性に安心・安全な生活スタイルを確保するため、健康増進課を「子育て世代包括支援センター」と位置づけ、産前から子育てまで「きめ細やか」で「切れ目」のない子育て支援の実現を図る「甲斐市版ネウボラ推進プロジェクト」がスタートしたところであります。本市の取組みは、全国でも先進的であると評価をいただき、今般、厚生労働省の「子育て世代包括支援センター事例集」に取り上げられたことからも、他県からの視察や事例発表の依頼等が増えておりますので、この取組みが少しでも他の自治体の参考になり、全国的展開に繋がっていくことを期待しているところであります。

 また、市民のみなさんの健康寿命への意識向上と健康づくりへの取組みにつきましては、人間ドックなどの健康診断、食生活や運動不足改善及び軽スポーツなどの各種健康教室、そのほか各健康イベントが対象事業となった甲斐市健康ポイント事業に新たに取り組んだところであります。

 防災におきましては、新たに地域における啓発活動や訓練の実施、有事の際には避難所運営支援などを行っていただく地域防災リーダーを養成するため、甲斐市地域防災リーダー養成講習を3回開催し、72名の方が一般講習と応急手当等の実技講習などを受講いただき、修了者となったところであります。

 学校施設整備につきましては、竜王中学校の大規模改修工事、敷島南小学校普通教室増築工事など施工したところであります。

 また、甲斐市国民健康保険特別会計をはじめ11の各特別会計及び甲斐市水道事業会計につきましても、一般会計同様に「住み良い快適なまちづくり」を目指し、複雑多様化する地域の諸課題に取り組んで参ったところであります。

 以上、本年度の主な事業への取組み状況及び補正予算等につきましてご説明申し上げましたが、本日提出いたしました議案につきましては、何卒、よろしくご審議の上、原案のとおりご承認、ご可決くださいますようお願い申し上げます。

平成29年9月12日

甲斐市長 保坂 武

この記事に関するお問い合わせ先

秘書課 秘書係

〒400-0192
山梨県甲斐市篠原2610
電話:055-267-7223

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更新日:2019年04月01日

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