令和3年12月定例市議会

令和3年12月定例市議会市長説明要旨

 

    本日ここに12月定例市議会を開会するにあたり、議員各位におかれましては、ご多忙のところご応招いただき、誠にありがとうございます。

 

    はじめに、昨年来猛威を振るってきた新型コロナウイルス感染症につきましては、過去最多の感染者数を記録し各地で医療のひっ迫をもたらした本年8月の第5波以降、感染者数は全国的に減少に転じ、現在は小康状態を保っております。

    このような状況まで持ち直すことができましたのも、ワクチン接種を始めとする市民の皆様の感染予防対策へのご協力や、最前線で奮闘されました医療従事者の皆様のご尽力によるものと心から感謝申し上げます。

    しかしながら、年明けにも第6波が訪れるとの感染症対策の専門家による予測もあることから、引き続きマスクの着用等、基本的な感染症対策を市民の皆様に呼び掛けて参りたいと考えております。

    また、本年4月からスタートした新型コロナウイルスのワクチン接種でありますが、本市におきましては希望するほぼ全ての方への接種が完了しており、現在はワクチン接種に比較的関心が薄いとされる若年層の方に接種していただくための取り組みを進めているところであります。

    先日、県と協力して実施いたしましたラザウォーク甲斐双葉でのワクチン接種におきましては、買い物の際に予約無しで気軽に接種できる環境を整えたことで、若年層を中心に当初の想定を大幅に上回る希望者が殺到いたしました。

    今後は、年内にも開始される医療従事者及び年明けに想定される高齢者向けの3回目接種に向け、皆様に安心して接種していただけるよう、これまでの経験を生かしながら周到な準備を進めて参りたいと考えております。

    次に、10月31日に衆議院解散総選挙が行われ、第2次岸田内閣が発足いたしました。岸田 文雄 内閣総理大臣は就任記者会見において、「国民の声にこれまで以上に耳を傾け、国民の信頼と共感を得ながら、丁寧で寛容な政治を進めていく」と述べられました。

    併せて、「新型コロナ対応、経済対策、外交・安全保障など、どれも状況は緊迫しており、スピード感を持って政策に取り組んでいく」と力強い発言をされたところであります。課題山積の難しい状況ではありますが、私自身、岸田総理の安定的かつ力強い政権運営に大きな期待を寄せているところであります。

   本市におきましても、依然先行き不透明なコロナ禍にあって、安心・安全な市民生活を取り戻し地域経済を回復軌道に乗せるため、国や県との連携を密にしながら効果的な施策を積極的に実施し、堅実で誠実な自治体経営に取り組んで参りたいと考えております。

 

    さて、以前から啓発活動に取り組んでおります投票率の向上について、先般の衆議院選挙における本市の投票率は、平成29年10月の前回選挙時に比べ、僅かではありますが増加いたしました。

    今回の衆議院選挙に際し本市では、将来にわたり投票率を維持していくために不可欠とされる10代の若者に向けた新たな取り組みとして、市内に所在する県立農林高校及び日本航空高校において、両校の生徒併せて約830人に対し選挙出前授業による主権者教育を実施いたしました。

    また、それぞれの校内に期日前投票所を設置し、18歳以上で本市に住所がある90人の生徒が人生で初めての投票を行いました。

    残念ながら今回選挙権が無く投票できなかった生徒もおりましたが、同じクラスの仲間が投票する姿を間近に見ることで、政治への参加意識の醸成に繋がったのではないかと考えております。

    本市では、これまでもLINEを活用した投票アンケートを実施するなど、投票率向上のための効果的な施策を模索して参りましたが、引き続き投票率の向上を目指し取り組みを進めて参ります。

 

    次に、「第2期甲斐市まち・ひと・しごと創生総合戦略」における新規取組に位置付けている「ソサイエティ5.0実現に向けた小型無人機ドローンを利活用した情報収集」につきましては、ドローン導入後、初の試みとして、広報11月号12月号にそれぞれ、上空から撮影した美しい棚田の写真、矢木羽湖上空から富士山を望む甲府盆地の写真を掲載いたしました。

    このドローンの利活用につきましては、現在、市の魅力発信の他、災害発生時における被災状況の記録などを予定しておりますが、新たな活用方法についても、市民、地域団体、民間企業等との連携も視野に入れた中で、検討して参ります。

 

    次に、行政のデジタル化、スマート化に向けた本市取り組みの進捗状況についてご報告申し上げます。

    市では本年度、情報通信技術を活用したデジタル化・スマート化の取り組みを計画的に推進し、全庁的な取組体制を構築するため、「甲斐市スマートプロジェクト推進本部」を設置いたしました。

    さらに、このスマートプロジェクト推進本部が中心となり、国の方針や市の総合計画等と整合を図り、目指すべき「緑と活力あふれる生活快適都市」の実現をICTの側面から支援するための新たなビジョンとして、「甲斐市スマート化推進方針・SMART甲斐プロモーション」を策定いたしました。

    この計画では、「ライフスタイルに応じた行政サービスの向上」「スマート化による効率的・効果的な業務の推進」「デジタル化に向けた環境整備」の3つを基本方針に掲げており、計画期間は4年としております。

    1年目となる本年度は、市民サービスの向上と窓口業務時間の短縮を図る、窓口申請デジタル化の一環として、住所・氏名等を何度も書かずに済む「おくやみ手続きに伴う申請書作成支援ツール」の導入準備を行っております。

    また、紙文化からの脱却を目指したペーパーレス会議の導入につきましては、本12月定例会から、タブレット型端末を議員各位にお配りし電子化した議会資料を配信するなど、試験的に実施させていただいたところであります。

    今後は、庁内会議にも導入するなど、さらなる推進を図って参りたいと考えております。

    今年度は他にも、AIを活用した議事録作成や、RPAを活用した事務作業の省力化を図るためのソフトウェア導入などを実施しておりますが、来年度以降も市民サービスの向上や行政運営の効率化のため、本方針に基づき業務を進めて参りますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。

 

    令和3年度における主要事業をはじめとする諸施策につきましては、仕上げの時期を迎える中、議員各位及び市民の皆様のご理解、ご協力をいただきながら着実に進めているところであります。

    また、現在、新年度予算の編成作業を行っているところでありますが、厳しい財政状況が続く中、財政の健全化を維持しつつ行政サービスの向上を目指し、鋭意努力しているところであります。

 

    それでは、今定例市議会に提出いたしました24議案につきまして、概要をご説明申し上げます。

 

    議案第77号「辺地に係る総合整備計画の変更について承認を求める件」につきましては、福沢辺地に係る総合整備計画の内容を変更するにあたり、辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律により、辺地対策事業債の適用を受けるため、議会の議決をお願いするものであります。

    議案第78号「敷島南小学校屋内運動場大規模改修工事・明許・請負変更契約締結の件」につきましては、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例第2条の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

    議案第79号「甲斐市国民健康保険条例の一部改正の件」につきましては、健康保険法施行令等の一部を改正する政令の公布に伴い、関係条例について所要の改正を行うものであります。

    議案第80号「甲斐市戸別合併処理浄化槽の整備に関する条例の一部改正の件」につきましては、合併浄化槽事業の延滞金を徴収するにあたり、所要の改正を行うものであります。

    議案第81号「甲斐市こども医療費助成金支給条例の一部改正の件」につきましては、こども医療費の助成対象とする医療費及び助成方法の対象年齢を拡大することに伴い、所要の改正を行うものであります。

    議案第82号「甲斐市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正の件」につきましては、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の改正に伴い、関係条例について所要の改正を行うものであります。

    議案第83号「甲斐市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正の件」につきましては、特定教育・保育施設及び、特定地域型保育事業並びに、特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準の改正に伴い、所要の改正を行うものであります。

    議案第84号「甲斐市ひとり親家庭医療費助成金支給条例の一部改正の件」につきましては、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律の改正に伴い、所要の改正を行うものであります。

    議案第85号「甲斐市重度心身障がい者医療費助成条例の一部改正の件」につきましては、甲斐市こども医療費助成の窓口無料対象年齢の拡大及び、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律の改正に伴い、所要の改正を行うものであります。

    議案第86号「甲斐市都市計画法第34条第11号の規定に基づく開発行為の許可基準に関する条例の一部改正の件」につきましては、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の規定による都市計画法の一部改正に伴い、所要の改正を行うものであります。

    議案第87号「甲斐市農業集落排水施設条例の一部改正の件」につきましては、農業集落排水施設使用料の督促手数料及び延滞金を徴収するにあたり、所要の改正を行うものであります。

    議案第88号「甲斐市下水道使用料条例の一部改正の件」につきましては、下水道使用料の延滞金を徴収するにあたり、所要の改正を行うものであります。

    議案第89号「甲斐市都市計画下水道事業受益者負担金に関する条例の一部改正の件」につきましては、下水道事業受益者負担金の延滞金を徴収するにあたり、所要の改正を行うものであります。

    議案第90号「甲斐市公共下水道区域外流入分担金の徴収に関する条例の一部改正の件」につきましては、下水道区域外流入分担金の延滞金を徴収するにあたり、所要の改正を行うものであります。

    議案第91号「令和3年度甲斐市一般会計補正予算第7号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ1,606,395,000円の追加補正をお願いするものであります。歳入につきましては、国庫支出金、寄附金、繰越金などの増額等が主なものであります。歳出につきましては、企画管理費、こども医療費助成事業及び身体障害者医療費助成事業、3回目の新型コロナワクチン接種事業、財政調整基金積立などの増額であります。

    議案第92号「令和3年度甲斐市国民健康保険特別会計補正予算・第3号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ300,035,000円の追加補正をお願いするものであります。

    議案第93号「令和3年度甲斐市後期高齢者医療特別会計補正予算・第3号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ1,693,000円の追加補正をお願いするものであります。

    議案第94号「令和3年度甲斐市介護保険特別会計補正予算・第3号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ159,907,000円の追加補正をお願いするものであります。

    議案第95号「令和3年度甲斐市合併浄化槽事業特別会計補正予算・第1号」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額に、歳入歳出それぞれ461,000円の追加補正をお願いするものであります。

    議案第96号「令和3年度甲斐市下水道事業会計補正予算・第3号」につきましては、収益的収入及び支出の既決予定額の総額から、収入40,740,000円、支出33,244,000円の減額補正、資本的収入及び支出の既決予定額の総額に収入14,900,000円、支出19,500,000万円の追加補正、企業債の既決予定額の総額に14,900,000万円の追加補正、他会計からの補助金の既決予定額の総額から20,370,000円の減額補正をお願いするものであります。

    議案第97号から議案第99号の「指定管理者の指定の件」につきましては、地方自治法第244条の2第6項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

    議案第100号「市道路線認定の件」につきましては、新たに10本の市道路線を認定するため、道路法第8条第2項の規定により、議会の議決をお願いするものであります。

 

    以上、提出議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議のうえ、原案のとおり議決くださいますようお願い申し上げます。

 

令和3年12月10日

                                                                                                        甲斐市長    保 坂   武

更新日:2021年12月21日

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